房総半島の真ん中にある鹿野山で、絶景ハイキングと寄り道カフェランチを満喫 | 日本の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

日本の旅

2025.10.30

房総半島の真ん中にある鹿野山で、絶景ハイキングと寄り道カフェランチを満喫

房総半島の真ん中にある鹿野山で、絶景ハイキングと寄り道カフェランチを満喫
旅エッセイストの国井律子です。以前訪れた、千葉県君津市にある鹿野山(かのうざん)。ここから見た雄大な景色が忘れられず、鹿野山にある九十九谷展望公園からの絶景と、由緒あるお寺を巡るハイキングを楽しみに出かけました。

環境省などの調査で、千葉県は本州で唯一、ツキノワグマが生息しない県だそう。周辺は、サイクリストや旅人たちが集う特別な場所といった趣でした。そして、旅の疲れを癒やしてくれたのは、地元で愛されるB級グルメを驚くほどの低価格で提供するカフェとの出会い。なかなか充実した時間となりました~、という話です。
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雄大な房総の風景を楽しめる九十九谷展望公園で深呼吸

鹿野山にある九十九谷展望公園
鹿野山にある九十九谷展望公園。ここまでの道中、何頭ものサルが現われてびっくりしました。

鹿野山へ向けてクルマを走らせ、九十九谷展望公園に到着したのは朝9時ごろ。雲海が見られる天気や時間帯ではありませんでしたが、眼下に広がる山並みは、幾重にも連なりまるで水墨画のよう。海のイメージが強い房総半島とは思えない、雄大な山岳風景が広がっていました。この景色が画家の東山魁夷を魅了したのもうなずけます。

鹿野山九十九谷の雲海
ある年の11月16日朝6時50分に撮影されたという雲海(写真提供:千葉県君津市)。

冬季の雨上がりの早朝には、上の写真のような雲海に出会えることもあるそうです。

鹿野山九十九谷の夜景
この夜景も11月に撮影されたそうです(写真提供:千葉県君津市)。

11月は真冬ほど乾燥しておらず、ほどよい湿気が風景にフィルターをかけてくれるようです。こんな景色見てみたいな~。

鹿野山九十九谷展望公園
九十九谷からの絶景が、千葉は平坦というイメージを完全に覆してくれました。

展望公園で深呼吸し、旅の動機となったこの雄大な風景を心に焼き付けました。私たちが滞在している間も、何台ものロードバイクやオートバイが展望公園にやってきては、景色を眺めたり写真を撮ったりして、静かな時間を満喫していました。

サイクルラック
公園内にはサイクルラックがありました。
サイクリングの看板
サイクリストフレンドリーな看板もありました。

私は知らなかったのですが、鹿野山は自転車で坂道を上るヒルクライムの聖地だそう。次男は一生懸命漕いで山を上っているサイクリストを見て、愛をこめて”変態”と呼びました。ここには、素敵な変態さんが、たくさんいましたよ(笑)!

九十九谷展望公園

  • 所在地:君津市鹿野山東天峪119-1 

クマ出現の心配なし!安心して歩ける周辺の散策路

彼岸花
訪れた時期は、丁度、彼岸花の全盛期でした。

このエリアが、サイクリストやツーリングライダーにも愛されている理由がよくわかります。路肩には野の花が咲き誇っていたり、味のある民家が点在していたり、里山感がすごく気持ちいいのです。しかも連日ニュースをにぎわせている、恐ろしいツキノワグマの心配もないのが、ほんとうにうれしい。ただし、イノシシやシカは生息しているため、最低限の注意は必要です。

成田空港に向かう飛行機
このあたりは成田空港に向かう飛行機の航路。

数分ごとに飛行機が頭上をかすめていきました。ああ、遠くへ行きたいなぁ…と思ってしまいました(笑)。

神野寺へ歩いてみた

鹿野山参道入り口
アスファルトの道からそれて、神野寺を目指して未舗装の参道に入ります。ここは、かつて多くの人が信仰のために歩いた古道の一部。

参道の階段を上れば、神野寺(じんやじ)へ着きます。それは聖徳太子により創建された、関東最古級の古刹とか。クヌギやスギが立ち並ぶ参道。自然に背中を押されているように気持ちよく足が進みました。

神野寺境内
神野寺の境内は、春は桜、秋は紅葉が美しいそうです。早朝だったからか、私たちしかいませんでした。

房総三山のひとつである鹿野山は、古来より霊場として信仰を集めたそうです。

神野寺の案内看板
神野寺の境内は広く、初詣の時期になると、参道にはたくさんの露店が並ぶそう。

現代の私たちのように気軽なハイキングとしてではなく、先人たちは、なにかを願い、なにかに感謝するために歩いたといわれる神聖な道。この厳かな空気に触れるだけでも、鹿野山を訪れた価値がある気がしました。

天満宮
入り口近くには、合格祈願のご利益があるといわれる天満宮があります。

近々、初めての漢字検定を受ける兄弟。天満宮では、「受かりますように…」とお祈りをしていました。テストでは、見直しをしっかりやって、うっかりミスをなくしてね(笑)。

令和元年房総半島台風の爪痕
2019年9月に関東地方を襲った「令和元年房総半島台風」では、神野寺も甚大な被害を受けたそうです。

房総半島にご縁があり、この地方の各所を訪れている私たちは、この台風が大変な被害をもたらしたことを各所で目の当たりにしてきました。神野寺も例外ではなく、境内にある表門は全壊、旧護摩堂や奥の院などにも被害が出たそうです。表門は、保存修理工事が行なわれ復旧が完了したそうです。

境内で飼われているコイ
境内ではコイにエサをあげられます。
紅葉越しの表門
紅葉越しに見る表門(写真提供:千葉県君津市)。

2025年11月15日から12月5日の日没から19時までは、紅葉と本堂のライトアップが実施されるそうです。 紅葉の状況は、お寺のHPで随時更新されます。チェックしてくださいね。

神野寺

  • 所在地:千葉県君津市鹿野山324-1
  • 営業時間:8時30分~16時(閉門15時30分)
  • ホームページ:https://kanouzan-jinyaji.com

さあ、鹿野山の頂を目指して歩こう

古い道しるべ
この鳥居を通って10分ほど上れば、春日峰に出るそうです。

シカが多く生息していたことに由来する鹿野山は、千葉県内で2番目に高い山だそう。鹿野山は、白鳥峰(東峰379m)、熊野峰(中央峰376m)、春日峰(西峰352.4m、1等三角点)の3峰の総称で、それぞれの山頂に神社がまつられています。そんな山頂を目指して歩きはじめました。

通行止め
私たちのほかに、もうひとりハイカーがいましたが、通行止めの表示を見てお互い登頂をあきらめました。

クマがいないのをいいことに、グングン山中に分け入りました。しかし、この日は、残念ながら一部のルートが通行止めになっており、登頂は断念しました。ほんとうは頂上に立ちたかったのが旅人の本音。山を訪れる際は、事前の情報収集が大切であるとあらためて痛感しました。しかし、3つのピークは眺望がないようだし、九十九谷展望公園からの景色がよかったので今回はよしとしよう。

秘密にしたいカフェとの出会い

フリマCafe
神野寺と九十九谷展望公園の間にある「フリマCafe」。

鹿野山近くで、気になるカフェを見つけました。B級グルメの宝庫みたいな、飾らない雰囲気が素敵なフリマCafe。10時30分の開店と同時に入店すると、お客さんは私たちだけでした。

靴を脱いで入店する
靴を脱いで入店。いい雰囲気です!

街道沿いにひっそりとたたずむカフェ。派手さはありませんが、地元の人に愛されている雰囲気が漂う店内に吸い込まれるように入ると、店主のお母さんの温かい笑顔に迎えられました。

店内
店名の「フリマ」というのは、数々の雑貨をフリーマーケットのように販売しているから。雑貨は、近所の方たちの手作りだそう。

ハイキングで心地よく疲れた体に染みるコーヒーと、手作り軽食のコスパの良さに、思わず「ほんとうに、この値段でいいの?」と、ビックリ。旅の途中でこういう良心的な名店に出会うと、心まで満たされます。
私たちがいただいたメニューをご紹介しますね。

たまごサンド
手作りのおいしいハムサンドとたまごサンドは、各300円。アイスコーヒーはなんと100円!
天丼
エビが2本、野菜もたくさん入ったボリュームたっぷりの天丼が500円。

オーダーしてからお母さんが天ぷらを揚げる音が聞こえてきました。もちろん、できたて熱々です。

ミニチャーシュー丼
ミニチャーシュー丼は300円ですよー。

ひとりで切り盛りしているお母さんに、お店の紹介をしても良いかたずねたところ、「もちろんいいけど、若い人たちがインスタで紹介してくれるのよ。値段が安いことをメインにされちゃうから。ほら、私ひとりでやってるじゃない。ライダーのオジサンたちが5人も6人もわーッと来られると困るのよー。ま、断っちゃうけどね!?」なんてことを、ほがらかな笑顔で言っていました。

フリマCafeに行かれる方は必ず少人数で。お母さんは、気さくで素敵な方でした。コスパがよすぎるのにはびっくりしたけれど、味はおいしかった!我が家のランチは、家族4人で1,600円でした。

フリマCafe

  • 所在地:千葉県君津市鹿野山169
  • 電話番号:0439-37-3456
  • 営業時間:10時30分~15時
  • 定休日:月、火曜
  • 支払い方法:現金のみ

鹿野山は、絶景と歴史と温かさを同時に楽しめる房総の宝

神野寺の境内から見る景色
神野寺の境内から見た景色。

雄大な絶景、聖徳太子ゆかりの歴史、そして旅人の心を温める地元の方の人情…。そんな鹿野山での時間は、期待以上の満足感でした。これだから、自分で歩いて探すローカル旅はやめられません。海のイメージが強い房総半島ですが、内陸エリアもおすすめです。

国井律子

旅エッセイスト

国内外の旅を綴るエッセイを中心に、日常の延長にある“ちょっと特別な旅”も提案。ソロ登山、2人の男児の母として家族とのキャンピングカー旅、自由で自分らしい旅の形を発信中!

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