秋の山に登るなら準備は万端に!夏山との違いと基本装備について解説 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2025.09.20

    秋の山に登るなら準備は万端に!夏山との違いと基本装備について解説

    秋の山に登るなら準備は万端に!夏山との違いと基本装備について解説
    秋の山は涼しく動きやすくなり、紅葉や頂上で食事をしたりといった楽しみ方があります。今回は安全快適に秋山を満喫するために、夏山との違いや必要な基本装備について紹介します。

    秋は山時間を楽しむ季節

    紅葉
    色鮮やかな紅葉。

    山が紅く彩られ、空気が澄んで遠くの山々が望め、心地よい陽光で横になるだけで幸せになれる。秋の山は自然の中に身を置く時間を心ゆくまで楽しめる、登山には絶好の季節です。また、秋はまだ夏の気配が残る時期から冬の始まりを予感させる頃まで、足繁く山に通いたくなるシーズンでもあり、日本ならではの春夏秋冬を肌で感じられるのも魅力です。

    そんな自然の美しさを満喫できる秋の山は、春や夏と同じ環境であるかといえばそうではありません。寒さ対策や行動時間など、季節の変化に合わせて装備や知識を持っておくことで、秋の山を存分に歩くことができます。

    夏山との違い

    気温

    秋の登山。
    日中は長袖が基本。

    夏山との違いで一番に感じるのは、身体がブルッと震えるような寒さを感じる、気温の変化です。夏山であれば早朝や深夜でも半袖や薄手のソフトシェルがあれば過ごせたのが、外に出るのを躊躇する寒さになります。

    日中でも風が吹けば肌寒さを感じるようになり、遭難時には低体温のリスクも高まります。立っているだけで汗が吹き出しそうな夏と比べると、秋は涼しく歩きやすい気温で登山に最適な反面、寒さ対策が快適な行動を左右します。

    日の出と日の入り

    朝の眺望
    朝は防寒具が必須。

    夏では日の出が早く日没も遅いため、早い時間から行動が開始でき、行動時間が計画より多少ズレても視界が明るいうちに下山できたりしました。

    秋は日の出が遅くなり日没も早くなるため、明るいうちに行動できる時間が短くなります。「もう夜か」と感じるのは、街と比べて人工的な明かりがない山では圧倒的に早く、それが樹林帯の中となるとそれは顕著になります。

    登山計画は行動時間を夏より短く見積もったり、トラブルがあっても明るいうちに下山できるエスケープルートを確保するなど、日の出日の入りを考慮した計画作成が大切です。またヘッドライトの活躍も増えてくるので、バッテリーが十分かを確認しておきましょう。

    登山道

    登山道
    落ち葉の堆積に注意。

    紅葉をはじめ、秋の山は植物が色づき、登山道を歩けば一面に広がる濃淡様々に彩られた世界に魅了されます。そんな世界が終わりを告げる頃、枯れ落ちた葉が登山道を埋め尽くすと、ちょっとした段差が見えなくなったり、地図に表示されているルートが見えづらくなります。

    「こんなところで」と思う場所で足をすべらせて転倒したり「夏では見えたはず」の登山道を見失うことが増えてきます。登山靴のグリップも落ち葉の上では土の上よりもすべるので注意が必要です。予防には、足元が見えづらい場所ではペースを落として足場を確認したり、分岐点や見通しの良い場所で現在地を確認するなどが有効です。

    天候

    秋の八ヶ岳
    空気が澄んで登りやすい。

    夏山では、雲が急激に発達して雨や雷に見舞われることも少なくありません。秋の山も急な天候変化は夏と変わりませんが、標高の高いエリアでは10月や11月で降雪することも珍しくありません。

    また強風にも注意が必要で、風の通り道となる場所では同行者の声が聞こえなくなったり、立つのが難しくなることも。こうした天候への対策は幾つかありますが、夏山同様にレインウェアの存在が非常に重要で、強風による体温低下を防いでくれます。

    道具

    秋の山に登ることがはじめての場合、道具の更新が必要になります。詳しくは後述しますが、吸水速乾性や通気性を重視した夏用ウェアから、保温性も兼ね備えた秋冬のウェアを用意したり、テント泊の場合は低温でも対応できる寝袋を追加します。

    秋の山に持って行く・持っていきたい山道具

    防寒着

    ダウンジャケット
    コンパクトに収納できるダウンジャケット。

    行動用と休憩時に着用する防寒着を用意しておくと、秋の山はとても快適で過ごしやすくなるだけでなく、安全性も向上します。行動用では薄くストレッチ性の高いソフトシェルや登山向けのアンダーウェアが有効です。適度な保温性で行動しやすく、四肢の動きを妨げません。

    休憩時には保温性の高いダウンジャケットがおすすめです。収納時はコンパクトで、着用すれば抜群の暖かさで快適に過ごせ、山小屋泊やテント泊でも活躍します。

    シングルバーナー

    シングルバーナー
    できたてで温かい料理が楽しめる。

    山の中でも調理が楽しめるシングルバーナー。例えば夏の日帰り登山なら「あったら便利」という位置づけのシングルバーナーですが、秋の山では「持っておきたい道具」のひとつとなります。遭難時に山中で一夜を過ごすとき、湯を沸かして身体を暖めるだけでなく、シングルバーナーがあることで心の支えになります。

    保温用水筒

    保温水筒
    冷えた身体に熱々のお湯が染み渡る。

    登山中は短時間の休憩を適宜入れていきますが、そんなときに温かい飲み物があると身も心も休まります。都度シングルバーナーで沸かすのは効率的ではないので、保温用の水筒にお湯を入れておけば、待ち時間0秒でコーヒーやお茶などが楽しめます。私は水筒にはお湯を入れておき、スティックタイプのミルクティーやコーヒーで色々な味を休憩時に堪能しています。

    夏より少し大きめのバックパック

    バックパック
    季節が変わると容量も変わる。

    秋の山では、夏山より道具が増えたりウェアなどのサイズも大きくなります。道具が増えたり大きくなれば、それを収納するバックパックも夏山で使っていたモデルでは入り切らなくなる可能性があります。

    バックパックも容量を大きなモデルに更新しましょう。適切な容量のバックパックにすることで身体の負担が軽減されたり、道具の出し入れがしやすくなるなど、様々な恩恵が得られます。

    秋の山で登山を満喫しよう

    秋の登山
    山の美しさを秋の山で堪能しよう。

    いかがでしたか。歩いて・観て・食べてと、山を満喫するのに秋は絶好のシーズンです。秋の山を楽しむためには、夏山とは違うことを知り、準備をすることが大切。備えておくことで、秋の山を心から満喫し、安全に下山することができます。

    北村 一樹さん

    アウトドアライター

    関東甲信越の山を中心に、1年を通して日帰りから縦走、沢登りや雪山を楽しんでいます。数日間沢に入って魚を釣りながら山頂を目指し、藪を漕いでいく汗まみれ、泥まみれの登山が大好物。ファミリーキャンプ、ロードバイクでヒルクライムなど、海と山があるのどかな町に住み、暇を見つけては年中山で過ごしています。

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