
撮影/三浦孝明
防災バッグの必需品・あると便利なアイテム
日本は地震大国であり、毎年夏頃は台風に見舞われ、そして冬は雪に閉ざされる、とても厳しい環境です。
特に近年はゲリラ豪雨や、火山の噴火など、いつ自分の身に危険が迫ってもおかしくない状況が続いています。そんな有事の際にすぐ避難ができるように、普段から防災バッグを備えておくことはとても重要です。
これから防災バッグの中に準備しておきたいアイテムをご紹介します。
まだ防災バッグを準備していないという方は、何かが起きてからでは既に手遅れになってしまいます。先を見越した災害時の備えを、今のうちに準備しておきましょう。
必需品・あると便利なアイテム
食料・燃料関連

食料や燃料は、生命に直接かかわる重要なもの。
・長期保存パックごはん(12食)
・mont-bell リゾッタ(2食)
・乾パン(2缶)
・ビスケット(2缶)
・携帯用あたためキット
・シングルバーナー
・OD缶
長期保存パックごはんは、電子レンジでの調理方法の他にも、熱湯で18分加熱しても食べられるため、災害時に電気が使えない状況でも役立ちます。
山登りの携行食などで人気の高いmont-bellのリゾッタも、災害時の非常食に向いています。こちらはお湯を注いで3分で調理が完了するお手軽な商品でありながら、お湯を注がずそのままの状態でもサクサク食感で食べられるため、お湯が手に入らなくても食事をすることができます。
携帯用あたためキットは、加熱袋に水を入れるだけで食品のあたためができる優れもので、レトルト食品や飲料、あらゆるものをあたためることができます。
シングルバーナーとOD缶は、キャンプで普段から使い慣れており、非常時でも慌てず確実に熱源を確保できるため、防災バッグに1セット準備しています。
写真には写っていませんが、飲料水の準備も怠ってはいけません。大人1人が1日に消費する水の量は、3Lと言われています。最低限3日分、9L程度準備しておくと安心です。
充電・ラジオ・作業アイテム関連

ラジオ兼充電器は、手巻き式を採用。
・マルチツール
・LEDランタン
・手巻き式ラジオ兼充電器
・モバイルバッテリー
・電池(単三・単四)
・非常用ロウソク
・ロープ
・作業手袋
プライヤーやナイフなどの機能が付いたマルチツールは、キャンプだけでなく災害時にも役に立つため、防災バッグに入れています。
ラジオ兼充電器は、災害時に情報を入手するために必要不可欠なアイテムです。電池式ではなく手巻き式を採用することで、電池切れの心配がありません。
作業手袋は軍手でも問題ありませんが、手にフィットして扱いやすいものを準備しています。
ロープはアイデア次第で様々な使い方ができ、物干し竿代わりやタープのガイロープ代わりにもなります。
衛生用品・防寒対策品関連

コロナ禍での避難生活に欠かせない、マスク・除菌シートも用意。
・ブランケット
・バスタオルとタオル
・ティッシュペーパー
・除菌シート
・トイレットペーパー
・水のいらないシャンプー
・歯みがきシート
・簡易トイレ
・サバイバルシート
・カイロ
・ビニール袋
・マスク
・軍手とタオル圧縮セット
・救急セット
寒い季節に災害が起こることも、想定しなくてはいけません。寒さをしのぐためのアイテムは、体温の低下を防ぎます。
水のいらないシャンプーは適量を髪全体に付け、乾いたタオルで拭き取れば完了のため、水の利用量に制限がある際には便利です。
あると安心なアイテム

あると安心できるアイテム。
・ウォータータンク
・ホイッスル
・気分転換シート
水が止まってしまった場合、給水場所と避難場所を、重い水を持って往復しなければいけません。持ち手付きのウォータータンクは、水の持ち運びに便利です。
災害時、救助隊に自分の居場所を伝えなければいけない場面も充分にあり得ます。大声で助けを呼ぶこともできない程衰弱している際には、ホイッスルがあると比較的容易に大きな音が出せるため、救助隊に発見してもらえる可能性が高まります。
気分転換用のリラックスシートは、避難所生活で少しでもストレスを軽減するために、防災バッグに入れるようにしています。
快適な睡眠を得るために

避難所で安眠を得るための、インフレータブルマット。
睡眠は疲労を取り除き、体力を回復させるための重要な行為です。
空気で膨らむインフレータブルマットは、避難所生活などにおいて、快適な睡眠を取るためのアイテムです。
災害時の他にも、車中泊をする際にシートの凸凹を無くすことができるため、インフレータブルマットは便利です。
▼参考記事
ファミリーにおすすめの防災セットはこちら!
山善(YAMAZEN) 車中泊用防災バッグ YSB-25
車に備えておけば、いつでも安心の車中泊セット。家族3人を想定。
ひざ掛け、目隠し用のリアサンシェード、サイドサンシェード、座ったままでも首が楽になるU型エア枕、保温・保冷トートバッグ、ポリ袋3P、携帯トイレ3P、ポンチョ、マスク3P、折りたたみバケツ(2.5L)、ラバー手袋、懐中電灯(電池別)、足が楽になる携帯スリッパ3P、床の断熱材代わりになるアルミシート、ティッシュ、アルミホイル、給水バッグ(5L)、プラカップ3P、スプーン・フォークセット3セット、車中泊エアーベッド(空気入れ付き)、紙皿3P、アルミブランケット3P、歯ブラシ3P、トレー。
撮影/三浦孝明
▼参考記事
女性の防災バッグに備えておきたいもの
衛生用品

上段左からマスク、ティッシュ、生理用ナプキン。下段左から絆創膏、ウエットティッシュ。
衛生用品も非常時の必須アイテムです。
絆創膏
マスク
ティッシュ
ウエットシート
生理用ナプキン(女性)
ヘアピンや髪用のゴム(長髪の方)
災害時以外も、普段のちょっとした怪我や体調不良時にも役に立つ衛生用品。自分が靴ずれやちょっとしたケガをしたときなどにも使えますが、周りの家族や友人の不調にも役立ちます。
女性はぜひ生理用ナプキンを数枚入れておきましょう。災害時にはガーゼの代わりに使えます。生理用ナプキンを傷にあて、ハンカチなどで上からきつく縛るか、ガムテープなどの粘着テープをぐるぐる巻きにして使います。
薬類

左から痛み止め、オロナイン軟膏、目薬、コンタクトレンズのスペア。
日常の緊急事態でも役立つ薬類です。
常備薬
痛み止め
コンタクトレンズのスペアやメガネ
常備薬がある方はぜひスペアを入れておきましょう。「朝の薬を飲み忘れた」という時も安心です。
痛み止めは女性にはぜひ持っていてほしいアイテム。突然の生理痛にも役立ちます。
目が良くない方は、コンタクトレンズのスペアやメガネも持っておきましょう。
あるとなにかと便利なもの

左からボールペン、ビニール袋(大)、ビニール袋(小)、ハンドクリーム、手ぬぐい。
必須ではないですが、あると普段からなにかと便利なアイテムです。
ハンカチ、手ぬぐい、風呂敷などの布
ビニール袋
ハンドクリーム
ボールペン
ハンカチ、手ぬぐい、風呂敷などの布類は、1枚あるとなにかと便利なアイテムです。緊急時にはハンカチは止血用に使えますし、手ぬぐいは割いてロープや包帯の代わりにできます。風呂敷は三角巾の代わりにしたり、肩にかけて上着代わりにしたり、床に敷いてレジャーシート代わりにしたり、荷物をくるんでマイバッグの代わりにしたりと、マルチに活躍します。
ビニール袋はゴミ袋がわりにしたり、濡らしたくないものを入れたりと、普段から活躍することも多いアイテム。被災時には傷口など直接触れたくないものに触れるときのビニール手袋代わりになったり、二重にして水を運んだりと活躍します。
ハンドクリームは傷の保護など保湿アイテムとして役立つほか、女性の場合はメイク落としの代わりになります。ハンドクリームをメイクになじませ、ティッシュで拭きとればメイクを落とせるので、1本入れておくと役に立ちます。
ボールペンなど筆記具もひとつ持っておくといいでしょう。スマホの電源が入らなくなっても、連絡先を残したり、教えてもらったことを書き留めたりできます。
▼参考記事
女性におすすめの防災セットはこちら!
アイリスオーヤマ 防災リュックセット1人用50点女性向け BS1-50W
女性ならではのグッズをプラスしたセット。
撮影/三浦孝明
▼参考記事
赤ちゃんがいる家庭で備えておきたいもの

粉ミルクは未開封のものしか長期保存できない。
・粉ミルク
・哺乳瓶
・紙おむつ
・おしりふき
乳児がいる家庭では、おむつやおしりふき、粉ミルクと哺乳瓶も欠かせません。
粉ミルクは消費期限が設定されておらず、缶底に賞味期限のみ記載されているものがほどんどです。ただしその賞味期限も、開缶してしまった場合は記載の賞味期限に関わらず、1か月以内が消費の目安です。
赤ちゃんは大人と違い免疫が弱く、期限切れの粉ミルクが最悪の事態を招くこともあり得ます。定期的に防災バッグの粉ミルクは交換しましょう。
▼参考記事
防災バッグに入れておきたいおすすめグッズ
山善 緊急簡易トイレ
コンパクトサイズで、100回用で小型の湯沸かしポット程度であまりスペースを取りません。1箱には凝固剤と汚物袋、家庭用便器につけて使う便座カバー、処理袋がセットになっています。
▼参考記事
KATADYN(カタダイン) ビーフリーAC 0.5L
アウトドアや災害時に頼れる携帯浄水器です。長年、登山家やキャンパーに選ばれてきたKATADYNの技術が詰まったこのモデルは、2種類のフィルターを使ったダブルろ過システムで、川や湖の水も安心して飲めるクリアな水にしてくれます。ニオイや味もスッキリ抑えて、どこでもおいしい水を手に入れることができます。
「ビーフリー AC」はホロファイバーフィルターと活性炭フィルターを組み合わせた、独自の2段階ろ過システムを採用しています。原生動物や細菌を99.9999%除去しながら、残留塩素や異臭・悪味も軽減し、安全で美味しい飲み水を得ることができます。
ホロファイバー(中空糸膜)は、ストローのような極細の中が空洞の繊維(中空糸)で構成されており、高いろ過能力を持ち、化学薬品不使用なので、薬品の味や匂いがしない点が特徴といえます。
一方、活性炭(アクティベイテッドカーボン)は、ヤシ殻や木材、石炭などを高温処理してできる多孔質(穴だらけ)な炭素素材。吸着力が高く、ニオイや味の改善に効果的です。フィルターにすることで、水や空気に含まれるニオイや味、色、化学物質(塩素や農薬など)を吸着してくれます。

使わないときは折りたたんで収納。
柔軟なソフトフラスクを採用しているので、使わないときは折りたたんでコンパクトに収納でき、本体は約72g(0.5Lモデル)という超軽量設計。バックパックのサイドポケットにもすっきり収まり、持ち運びもスムーズです。
各パーツを簡単に分解できるシンプルな構造なので、使用後のメンテナンスもスムーズ。ボトルにきれいな水を入れてシェイクし、フィルターを軽くすすぐだけでよく、定期的な手入れで長期間の使用が可能です。
交換用パーツも豊富にそろい、必要な部分だけを交換可能。いつでも清潔な状態を維持できる。
▼参考記事
パナソニック LEDネックライト BF-AF15P
ハンズフリーで使える手軽さから、夜のウォーキングやペットの散歩、キャンプ場での移動など、幅広いシーンで活躍してきたロングセラーアイテムです。防災の備えとしても◎。
本体重量はわずか約42g。首にかけても負担になりにくく、長時間の使用でも快適です。
オン、オフは片手で操作できるワンプッシュ式。立ち止まることなくさっと切り替えられるのが便利です。
さらに、小雨程度なら問題なく使える防滴仕様(IPX1)も備えてあるので、日常からアウトドアまで幅広いシーンで頼りになるライトです。
出荷時にはボタン電池(CR2032×2)があらかじめ装着されていて、購入後すぐに使用できる点も実用的。
電池は前カバーから簡単に取り外すことができ、市販のコイン形リチウム電池と交換すれば、何度でも繰り返し使用できます。
▼参考記事
VICTORINOX(ビクトリノックス) ハントマンライト
ビクトリノックスの「ハントマン」をベースにした防災モデルです。ボディ(ハンドル)は黄色い蓄光塗料で塗られていて暗闇で光るので、停電時に防災バッグの中で真っ先に見つかり、目当てのツールも引き出しやすくなっています。
「ファイアーアント」という重要なツールが付加されています。らせん状のコルクせん抜き(ワインオープナー)に収納されているオレンジ色の部分がそれで、くるくると回しながら引き出すと、ファイヤースチールと着火剤が現れます。ブレード(ナイフ)の背などでファイヤースチールをこすって火花をおこし、小さく削った着火剤に着火させます。ライターやマッチが手元にないときも火起こしができます。

「ハントマンライト」には以下23種のツールが付いている。ラージブレード、スモールブレード、カン切り、マイナスドライバー3mm、せん抜き、マイナスドライバー6mm、ワイヤーストリッパー、はさみ、のこぎり、プラスドライバー(フィリップス型1/2)、LEDライト、リーマー(穴あけ)/パンチ、コルクせん抜き、マイナスドライバー2.5mm、マルチフック、キーリング、ピン、ピンセット、ツースピック、加圧ボールペン 、蓄光ハンドル、ファイヤーアント(ファイヤースターター)、ホイッスル。

ファイヤーアント。左の金属棒をブレードの背などでこすって火花を起こし、右の着火剤に着火させる。着火剤は少しずつ削って使うことができる。
▼参考記事
福壽堂秀信 ANDO_(アンドゥー)
創業70年以上の老舗和菓子店・福壽堂秀信が開発した、現代のライフスタイルにフィットする新しいようかんです。一見ようかんとは思えない、スリムでおしゃれなスティック状のパウチに入っています。ジェルのようになめらかで、口に含むとすっと溶けるような優しい口当たり。チュッと吸うだけで手軽に食べられるので、従来のようにカットしたり、手を汚したりする必要がありません。保存性の高さから、防災用の非常食としての備蓄にも向いています。実際に企業の災害備蓄品として採用される例もあります。
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