徳島県から愛媛県への原付移動中、トラブル大発生!?【39歳女芸人・橋爪ヨウコのスーパーカブ110の旅VOL.5】

私の名は橋爪ヨウコ39歳。身体はしっかり熟れてきているが、芸人としてはなかなか売れずにいるお笑い芸人だ。

夢の《ヒマラヤツーリング》を達成し「もう一度、冒険に繰り出そう！」と目的地を《ベトナム》に決めて、日本での予行練習を開始。

愛車であるスーパーカブ110で『東京から熊本』まではなんとか完走したのであった。（熊本バイク旅の振り返りはこちらから！）

『東九フェリー』で徳島港へ到着、いざ！

次の目的地を〝愛媛県宇和島市″に決め、有明から徳島まで、フェリーで揺られること18時間。無事「徳島港」に到着！

マップ上では、徳島から愛媛まで下道で約7時間。徳島港に到着した時間もまだ昼過ぎということで、ノンストップで愛媛へ向かう事にした。

愛車で向かうは「愛媛県宇和島市」！

「今回のバイク旅、ツイてます！！」

そんな幟を立てながら走りたくなるほど、道も混んでおらずスイスイと進んでいく。道中に咲いていた紫陽花を愛でる気持ちがわくほどの余裕のヨッちゃん走行！（THE・昭和生まれ！）

あぁ、このまま順調に進んでしまうなんて「コラムを書くには物足りないわー！」なんて調子に乗っていると、バチが当たったかのように愛車スーパーカブ110がガクンとスピードダウン…。

「あれ…どうした？」

と思って辺りを見渡すと、木々が生い茂る山道に差し掛かかっていた。

熊本バイク旅でも学んでいたはずだったが…スーパーカブ110での山道走行は馬力不足で、シルバーマークをつけたトコトコ走りの軽トラのおじいちゃんにもどんどん抜かされていく…。

「こりゃ7時間で到着するのは無理だな」

と思いながらも、まだ外は明るい。

「焦る事はない。このままゆっくり走り続けても夜には到着出来るはず！」と信じて走り続けること約5時間！

マップを見るとまだ半分も進んでいなかった…。

しかも、燃費が良いと言われているスーパーカブ110も山道では堪えた様子。ガソリンの残量のメモリが半分を切ってしまっていた。

「これはヤバい…」

「ガソリン…」頭によぎる北海道での10年前の悪夢

ふとある悪夢を思い出した。それは、今から10年前。「北海道を旅しよう」と飛行機で新千歳へ向かった私。

新千歳でレンタカーを借りて、釧路→富良野→旭川→新千歳に向かう計画をしていた（※このときは高速を使わない旅を実践）。

◆新千歳から釧路まで約5時間半（310キロ）

◆釧路から富良野まで約4時間半（240キロ）

◆富良野から旭川まで約1時間10分（56キロ）

◆旭川から新千歳まで約3時間（150キロ）

まずは、新千歳から釧路に移動して一泊。

ガソリンも半分以上残っていた為「富良野に向かう道中どこかでいれればいっか！」と出発したのはいいものの…すでに時間が遅かった事もあり、ガソリンスタンドが全く見つからなかった。

「こんなにもガソスタがないなんて…」と焦りながらも進むこと数時間。ついに…ガソリンスタンドを見つけぬまま、トマムにて完全にとまる。

まさかのまさか…ガス欠になってしまったのである…！！

誰かに助けを求めたい気持ちでいっぱいだったが、人はもちろん！民家や対向車も一台もない山道でのひとりガス欠。

「こうなったらJAFを呼ぶしかない」と街灯もない真っ暗闇の山道で、JAFを呼び…【10ℓに1万円】を払って助けていただいた事があったのだ。

その時、JAFの方に言われた衝撃的な一言がいまだに忘れられない。

『このガソリンの量では到着出来ない可能性があります』

「え……！？どういう事ですか！？」

『近くにガソスタがありません』

「じゃぁ、どうすれば…』

『エアコンをなるべく使わず、ノンストップでここのガソスタに向かってください』

「……え…また止まる可能性あるってこと！？」

私が思っているより遥かなる大地が続いている北海道。ただでさえガソリンスタンドの数が少ない上に、ガス欠した時間帯が遅すぎたらしい。

「えー！もう帰っちゃうのー！プラスで払うから20ℓ入れてー！」

とシャンパンをねだるスナックのママのようにお願いしたい気持ちはあったが、そういうシステムはやっていないらしい。

『こまめにガソリンを入れる事が大事です』とJAFの方に教えていただき、いつも以上に緊張しながら100キロ以上先にあるガソスタに向かった過去がある。

その時は何とか教えていただいたガソスタに辿り着けたが、そのハラハラした出来事はいまだに忘れられない。

そして誓った言葉。「JAFの方に迷惑かけない」

ガソリンスタンドを探そう！

その言葉を過去に胸に刻んでいた私は、絶対に今回はガス欠になる訳にはいかないのだ。

ただ…四国の山道に入ってから一度もガソリンスタンドを見かけていない。果たして、道中にガソスタはあるのだろうか…。路肩にバイクを止め、スマホでガソリンスタンドを検索。

ガソリンスタンドマークがほとんどない中、10キロ先にガソリンスタンドのマークを発見！

「ガソリンの残量的にも、10キロなら余裕だ！」と、ルートからは少し外れるがそちらに向かうことにした。順調に進むこと20分。

……あれ？目的地とされる場所が暗い。近くに寄ってみると…

【本日定休日】

え！やってないの！？ネットには定休日までは書いていなかったので、てっきりやっているものだと思ってしまっていた…。

でも落ち込んでいても仕方ない！気持ち切り替えて再度検索。調べてみると少し離れた場所にガソリンスタンドマークを発見！

「次こそやっててくれ！」と願いながら急いで向かってみると…店舗は真っ暗。

今度は閉店時間の17時を過ぎていたのである…。

「まじかよ…」

ただ、私はスラムダンクの三井寿よりも諦めの悪い女である。やれる事はやろう！とガソリンスタンドにひっきりなしに電話をかける。しかし、これが1店舗も繋がらない…。

もはや…この世のガソリンスタンドは全部閉店してしまったのか…！？でも諦められない。だって…

『安西先生！私ガソリン入れたいです！！』

諦めの悪すぎる女は「電話は繋がらなかったが、もしかしたら奇跡的に人がいるかもしれない」とガソリンが無くなる事を覚悟して直接店舗に向かう事にした。

「もう1店舗！」「ここも真っ暗か…もう1店舗！」「え！こっちも閉まってるの！？」「ここもダメなの！？」「またかよー！！！」

絶望しながらガソリンスタンドを巡ること約14店舗。気づいたら、辺りは真っ暗になってしまっていた。

ガソスタがない…北海道の悪夢再来か！？

北海道の悪夢、それはどうにか避けたい…。でもガソリンスタンドが見つからない。ついに、ガソリンの残量メモリも0を振り切ってしまっていた…。

「カブちゃん頑張ろう！お願い！もう1店舗だけ！」

と愛車スーパーカブに願いを込めながら、ラスト1店舗に向かおうとしたその瞬間…！！

「……げ！！！まじかよっ！！！」

まさかのまさか！！

スマホの電源が切れた！！！！

徳島から愛媛に向かう道中でのマップ確認。ガソリンスタンド探しに全力投球した結果…ガソリンよりも先に、スマホの充電＆モバイルバッテリーが空になってしまっていたのである…。

これはやばい…。今いる場所もよく分からなければ、スマホが無ければJAFを呼ぶ事も出来なくなってしまった…。

「ヨウコ・ジ・エンド…」

次回、見知らぬ土地で〝ガソリン＆スマホ″切れ！！果たして、愛媛バイク旅はどうなるのか！？

次回もお楽しみに！