
要望に応えつづけて取扱品が増殖中!

在留ベトナム人のために現地の食材を売る店が、大阪の各地にある。
今回、出かけたティエンベイカーは、富田林市で初となるベトナム食材店として2020年に開業。毎週末、往復約30㎞を自転車に乗って八尾市のリトルベトナムにある食材店まで買い出しに行くベトナム人の姿を見かね、ベトナム出身の妻を持つ内海将樹さんが起業した。
大阪府に暮らすベトナム人は、約58,500人。都道府県別では、愛知県に次いで多い。ではなぜ大阪にベトナム人が多いのか?
’75年のベトナム戦争終戦後、不安定な国情から逃れるため、小船に乗って海外へ脱出した難民を、八尾市が市営住宅などに受け入れたことに由来する。その後、技能研修や就労のために来日するベトナム人が、先人が暮らす安心感から大阪を選ぶようになった。
ティエンベイカーは、開業当初からベトナム人が欲しがる食材を販売。彼らが必要とすれば、内海さんが祖父の畑でベトナム固有種の野菜を栽培したり、精肉業者とかけあって希少部位を仕入れては店頭に並べた。
今では、日本人までが噂を聞きつけ、遠方からも来店するようになっているという。店で即席麺と野菜を買えば、キャンプで簡単に現地の味を楽しめそう。

ビルの2階にある店舗。内装は、ベトナム中部ホイアンの町を象徴する黄色の建物をオマージュしてDIYで施工。
人気ベスト3
本場の味を瞬時に再現

チュングエン社のブランドG7のインスタントベトナムコーヒー。キャンプのお供に!
ビールが止まらない!

サクサクした食感とピリ辛味が、ビールによく合うと評判のビスケットスティック。
シェア25%の爆売れ麺

エースコックは、’90年代から即席麺を現地生産。一番人気は「ハオハオ」ピリ辛エビ味。
ベトナム料理に欠かせない定番品

ベトナムで生産されているココナッツウォーターの定番。そのまま飲んでも、料理にも。

フォーと人気を分ける米粉で作られたブンという麺も大量在庫。ブンは丸麺、フォーは平麵。

ネプモイは、米を原料にしたアルコール度数40%の蒸留酒。米由来の甘い香りが特徴。
肉の希少部位や日本では珍しい魚が入手可能

「ベトナム人は食へのこだわりが強く、現地で使っている食材を好みます」と内海さん。淡水魚もずらり。
豚の頭までストック

流通していない特殊な肉の部位は、食肉卸売業者に特注して仕入れている。
調味料があれば手軽に本場の味!

魚醤や醤油、甘酸っぱいチリソースなど、ベトナム人が現地で使い慣れた調味料の種類も豊富。

豚の肉と骨からできたクノールの顆粒スープの素。煮込み料理や炒め物にも。

ベトナムの食卓に欠かせないというチンスのチリソース。キャンプでも料理の味変に活躍!

ベトナムの味を気軽に楽しめる

日本人の味覚にも合う醤油味やピリ辛味、フォーなど、いろいろな種類の即席麺がある。
手に入りづらい生野菜は自社生産

輸入品にはない鮮度の高さが評判となり、全国のベトナムレストランからの注文も増加中。

日本の野菜とは微妙に違うベトナム固有の野菜は、種から仕入れて自家栽培している。

ベトナム出身の内海さんの妻の母のレシピを再現した漬物。「故郷のより美味い!」と評判。
キャンプに合うベトナム料理 フォー

フォーは、主にベトナム北部で好まれる米粉で作られた麺。鶏や牛などのスープに、香草や肉などを入れていただこう。
SHO-KYU ティエンベイカー
住所:大阪府富田林市若松町西1-1809-1-2F
電話:050-3187-5246
営業時間:9:00~20:00
定休日:不定休
HP:https://www.instagram.com/shokyu.tiemvayca/
日本語対応可

近鉄富田林駅から徒歩5分。店内併設のイートインコーナーでは、バインミー、フォー、ブンを楽しめる。右は、代表の内海将樹さん。

イートインも人気です!
※構成/山本修二 撮影/安田健示
(BE-PAL 2025年5月号より)