タンポポやオオバコなどのロゼット植物を観察してみよう | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自然観察・昆虫

2025.02.02

タンポポやオオバコなどのロゼット植物を観察してみよう

タンポポやオオバコなどのロゼット植物を観察してみよう
雑草は太陽に向かって上に伸びるだけでなく、はうように拡がったり、フェンスに絡まるなど様々な形を見せてくれます。成長段階や季節によって形態は変化していきますが、冬の時期には「ロゼット」と呼ばれる形態の雑草を多く見つけることができます。今回は、冬ならではの自然観察「ロゼット」の楽しみ方をご紹介します。

ロゼット植物って何のこと?

「ロゼット」という言葉は、植物の葉がバラの花びらのように放射状に重なり合っている様子を意味しています。ロゼット(rosette)という言葉は、バラ(rose)に由来しています。

ロゼットはクッションの代わり

ロゼット植物は、土に張り付くように育っているため、人や動物に踏まれてもダメージを最小限に抑えることができます。地面をよく見ると、葉がボロボロになりながらも多くの雑草が生活をしています。

また、背の高い雑草は鎌や草刈り機ですぐに刈られてしまいますが、ロゼット状の雑草は刈られることなく生き残っています。

ロゼットは太陽光パネル!?

ロゼット植物は葉の表面積が広いため、太陽の光を葉全体で受け止めることができます。このため、成長に必要な栄養をしっかりとためることができます。

欠点としては、周辺に背の高い雑草が増えてしまうと光が遮られてしまうことですが、形態を変化させることで生存競争を勝ち抜いています(後ほど、変化を紹介します)。

ロゼット植物の観察のコツ

雑草の名前を調べるときには、花の色や種子の形が参考になるのですが、ロゼット植物の場合、葉だけなので、判別がちょっと厄介です。

今回、近所を散歩しながら写真を撮影してきたのですが、すぐに分からない雑草もありました。

Googleレンズで絞り込み

写真さえあればすぐに調べられるのがGoogleレンズの特徴です。詳しい使い方は、過去の記事で紹介しているので、そちらも参考にしてください。

今回撮影した写真で試したところ、冬の時期の雑草の葉は緑色ではなく赤紫や黄色だったりするため、全く見当違いの植物がヒットすることもありました。

それでも、80%くらいは似た雑草の画像が出てきたので、名前を絞り込むときにはすごく便利です。

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図鑑を活用

雑草を調べる王道は、やはり図鑑です。図鑑によって得意分野が異なり、花をたくさん載せている図鑑や、テーマを食べられる植物や毒のある植物に絞った図鑑、特定の科(仲間)に限定した図鑑など様々のタイプがあります。

今回、調べてみたら、そのものずばり「野草のロゼットハンドブック」という本があったので、ロゼットを詳しく調べたい方におすすめです。

移植して育てる

時間はかかりますが、ロゼット状の雑草を掘り起こし、植木鉢で育てながら観察する方法もあります。

冬の時期には葉だけの雑草でも、暖かくなってくると次第に上に伸びてきます。さらに、花も咲くので、謎のロゼットの正体が実はふだん見慣れた雑草だったりします。自由研究の題材にしても面白いかもしれません。

ただ、そんなに時間をかけられないという方には、ロゼットを2週間に1度くらい撮影していくという方法がありますが、ある日突然、土を耕されたり、刈られてしまう場合があります。

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代表的なロゼット植物とその生育場所

ここからは、ロゼットを形成する雑草と、その生育場所や特徴を紹介していきます。

タンポポ

黄色い花と丸い綿毛でおなじみの雑草です。以前にも紹介したように、タンポポには街中でよく見かける外来種のセイヨウタンポポと、里山に残る在来種のカントウタンポポなど様々な種類があります。

ただ、どちらのタンポポもロゼット植物なので、同じような形をしています。

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オオバコ

雑草というと踏まれてもすぐに立ち上がるというイメージですが、オオバコはロゼットのままで生きています。もちろん、環境がよくなれば穂が伸びて種子ができます。

オオバコは、人がよく歩く山道やグラウンドなどに生育していますが、好きで踏まれているのかは分かりません。

ただ、人や動物に頻繁に踏まれるような場所は他の雑草がやって来ても大きくなることができないので、オオバコにとってはとても快適なのかもしれません。

ミチタネツケバナ

ヨーロッパ原産で、日本には1970年代にやって来たと考えられています。土手や田んぼのあぜなどに生えていますが、コンクリートの隙間でも元気に育っています。

まとまって生育していることも多いので、3月頃に白い花を咲かせると一帯が真っ白に見えることがあります。

ハハコグサ

毎年、1月7日に食べる七草がゆの中に入っている雑草です。「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」の中の「ごぎょう」(御形)と呼ばれているのがハハコグサです。

ハハコグサはあまり美味しそうには見えないのですが、昔からの食用植物で若葉や茎を食用にしたようです。道端や農地によく生えているので、採取しやすかったのかもしれません。

また、草餅というと、ヨモギを使いますが、昔はハハコグサがよく使われていたようです。

ロゼット植物のビフォーアフター

ロゼットの時は判別が難しい雑草も、数か月で1メートル近く伸びたり、花を咲かせたりと全く別物のように変化します。

ビロードモウズイカ

ロゼットという言葉は、葉がバラの花のように並ぶ様子を意味していますが、ビロードモウズイカのロゼットは、バラの花ととても似ています。

ビロードモウズイカは葉の表面が細かい毛で覆われており、全体的に白っぽい色をしているので、小さくてもよく目立ちます。葉は肉厚で、フカフカした絨毯のような触り心地です。

道路の脇や土手などに生えていて、大きくなると黄色い花を咲かせます。

ヘラオオバコ

名前の通り、オオバコの仲間ですが、葉がオオバコよりも細長く、へらのような形状をしていることからヘラオオバコと呼ばれています。

ヨーロッパの原産で、日本には幕末頃(150年ほど前)にやって来たと考えられていますが、今では全国各地に生育しています。農地や空き地、芝地に河川敷などに生えているので、見つけやすい雑草です。

ナガミヒナゲシ

オレンジ色の花が目印です。以前の記事でも紹介しましたが、ゴマよりも小さな種子をたくさん付けるので、空き地や道路の脇にまとまって生えていることが多い雑草です。

冬の時期は目立たないのですが、暖かくなると急に伸び始めて3月の後半頃から花を咲かせます。

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オニノゲシ

写真から分かるようにロゼットもトゲだらけで、オニの角にも見えます。観察する場合はトゲに気を付けてください。

オニノゲシはヨーロッパ原産で、明治25(1892)年に東京で存在が確認されており、ほぼ全国に分布しています。成長すると50-100センチくらいまで伸びて、黄色い花を咲かせます。

まとめ

寒い季節でも、実はたくさんの雑草が生えています。ただ、ロゼット植物は土にはり付くような感じなので、足元をよく見ないと気付かないかもしれません。

また、葉の色が寒さの影響で赤や黄色になっていたり、図鑑と異なる姿だったりしますが、謎解き感覚で観察すると楽しいですよ!

阿部拓也さん

雑草博士

博士(農学)。雑草の活用から管理まで、研究してきました。現在は、「雑草をより面白く!」をテーマに、雑草計画(zaso.jp)というサイトを運営したり、農業の課題をサポートする合同会社マチビト(matibito.com)を立ち上げて活動しています。

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