
車窓からあちらこちらに落ちている栗の実を眺めながら山間の町へ。恵那の城下町を散策中、店先で立派な生栗が売っているのを発見し、思わず購入。今年はこの土地の栗を使って、栗きんとん作りに挑戦しました。
口いっぱいに広がる栗の風味。栗と砂糖だけで作る和菓子「栗きんとん」
「栗きんとん」というと、栗をさつまいもの餡で和えたおせち料理のイメージだったのですが、名古屋へ移住して初めて知った「栗きんとん」は、栗本来の風味と繊細でやさしい甘さが絶妙な和菓子。今では私にとって秋の風物詩となっています。

あまりにおいしそうな栗だったので、我慢できずにキャンプで数個、焼き栗にして食べました。ホコホコとしていておいしい栗です。
今回は、岐阜県中津川産の栗を使って地元の銘菓、栗きんとんを作ります。栗きんとんの材料は、栗と砂糖だけと驚くほどシンプルです。
【栗きんとんのレシピ】
【材料】作りやすい分量 約10個分
- 生栗(皮は含まず) 250g程度
- 砂糖(甘味料は好みのものでOK) 30g
※砂糖の量は好みですが、一般的に栗の重量の20~30%が適量とされています。ここでは、それより少なめの量で作りました。甘さの量を控えめにすることで、栗本来の風味をより楽しむことができます。

栗きんとん作りで一番悩んだのが使用する砂糖の種類。きび砂糖でもよいですが、栗の繊細な味の邪魔をしない甘味料として、北海道産の「ビートグラニュー糖」を選びました。ビートグラニュー糖とは、砂糖大根を原料にした砂糖です。
<必要(あると便利)な道具>
- はかり
- さらし(なければラップでOK)
<下準備>
- 栗は30分から1時間ほど浸水します。

浮いてきたものは除きます(収穫されて時間が経っていたり、虫が入っている可能性があるため)。
蒸し器で栗を蒸し、粗熱をとります。

蒸す時間の目安は、火加減は弱めの中火で40分程度。
※栗は茹でたものでもOKですが、蒸すことで栗の風味が引き立ちます。
<作り方>
(1)蒸した栗の粗熱がとれたら、半分にカットします。
(2)ボウルを用意し、スプーンで実を取り出します。

このとき、渋皮が入らないように、実はやさしく取り出しましょう。
(3)すべての実を取り出したら、マッシャーで潰します。
(4)砂糖は少量ずつ加えながら混ぜ合わせます。

砂糖は少量ずつ加えて、好みの甘さに加減してください。
※なめらかな口当たりがお好みの場合は、ここで裏ごしします。裏ごしは、熱いうちに行ないます。レシピでは、栗の粒々の食感を生かした作り方で紹介しています。
(5)鍋に入れ、栗と砂糖がなじむよう混ぜ合わせます。

火加減は弱火、焦げないように注意しながら混ぜ、水分を飛ばします。
(6)粗熱がとれたら、栗きんとんのたねをひとつ25g程度に分けます。

大きさは20~25g程度がおすすめです。
(7)水に濡らして固絞りしたさらしの中央に、丸めた栗きんとんのたねを置き茶巾絞りにします。上部は、栗の形をイメージして親指と人差し指できゅっと摘まみあげます。

底は指先で押して平らにします。

何個か作ってさらしにたねがついてきたら、一度水洗いし、固く絞って使いましょう。
栗きんとんの保存方法
栗きんとんは冷蔵庫でも保存できますが、作り立ては格別の味わいです。できるだけ早めにいただくようにしましょう。冷蔵庫で保存する場合は、ひとつずつラップに包んで密閉容器に入れて野菜室で保存します。

お茶はもちろん、コーヒーとの相性もいい栗菓子です。
初めて手作りした栗きんとんは、栗の持つ繊細な味わいや風味を改めて感じることができました。お塩をひとつまみ加えるとさらに風味が引き立つかもなど、次の工夫につながりました。今回の経験を踏まえ、次回は砂糖の種類を変えたりしながら作ってみようと思います。おいしい栗が手に入りましたら、ぜひご自身で栗きんとん作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
