“世界一のパリピ島”スペインのイビサ島でマラソン大会参戦!クラブ音楽で難コースを乗り切れるか!? | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.05.23

    “世界一のパリピ島”スペインのイビサ島でマラソン大会参戦!クラブ音楽で難コースを乗り切れるか!?

    地中海に浮かぶスペインのイビサ島は、ヨーロッパ在住者に大人気のリゾート地ですが、早朝から泡まみれで踊り狂う「泡パーティー」の本場、パーリー(パーティー)好きな人が集う“パリピの島”としても知られています。

    4月13日に、朝型ランナーの夫(https://www.bepal.net/archives/368805)が同島のマラソン大会「The Santa Eulària Ibiza Marathon」に参加しました。島の雰囲気に合わせて、いつもより快走できるのでは? と思うのは気楽な応援者のたわごと。

    夫はコースマップを見た時点で、高低差が激しく、苦戦を強いられるのは目に見えていたと言います。緩やかな坂がひたすら続く1本道など、難所もあったというレースの詳細をレポートします。

    世にも珍しい午後スタート、唯一無二のマラソン大会

    ランニング・アプリで計測した獲得標高。過去に参加した大会では200m程度が多かったのに対し、今回はなんと605m!

    イビサ・マラソンは島内に8つあるレースのひとつで、東海岸に位置する人口第2位の町、サンタ・エウラリアをフィニッシュとするマラソン大会です。

    フル、ハーフ、12kmと各部門のスタートがいずれも午後3時半以降で、夕焼けを眺めながら走るという、珍しいレース。

    夕日に染まりゆく、サンタ・エウラリアの港前を走るランナーたち。

    ほかにも、大会の公式ウェブサイトによれば、出走者の男女比率がほぼ均等、3部門とも同じフィニッシュ地点を目指すこと、フルマラソン・コースの途中にハーフマラソンと12kmのスタート地点があり、ランナーの数が徐々に増えていくなど、ユニークな特徴があります。

    大会前日と当日午後1時まで開いている、受付・展示会場の入口。

    オフシーズン時に観光客を誘致する、町おこしの一環として生まれたイビサ・マラソン。まだ7回目と新しい大会ですが、外国人を中心にじわじわと人気が高まり、いまでは参加者が5000人を超える、同島最大のスポーツイベントに成長しました。

    スポーツ大会でも欠かせないクラブ音楽とDJ

    夏になると世界中の大物DJが集結し、各所で大規模なパーティーが昼夜問わず開かれるイビサ島。

    展示会場の屋外パネルの前で、記念撮影をする大会参加者。

    同島のクラブ文化は、スポーツイベントにも大いに影響を与えていそうですが? 大会前日、ゼッケン番号などをもらいにサンタ・エウラリアの展示会場に行くと、予想に違わずダンス音楽が聞こえてきました!

    ハウス・テクノ音楽の『Pussy Power』をかけていたDJ2人組と、受け付けをしに来た大会参加者たち。

    やはりほかとはひと味違った雰囲気なのか、入口すぐのDJブース付近では辺りを見まわしながら、ポカーンと口を開けている参加者もいます。

    気分がアガるスタート地点の大音量ミュージック

    フルマラソンのスタートは、フェリーや無数のヨットが停泊するイビサ・タウンのマリーナ。

    旧市街ダルト・ヴィラから見下ろすフルマラソンのスタート地点、イビサ・タウンのマリーナ。

    背後には世界遺産の旧市街「ダルト・ヴィラ(Dalt Vila)」が控えています。会場ではダンスやポップなど、さまざまなジャンルの音楽が大音量で鳴り響き、自然とやる気がみなぎってきます!

    スタート地点に向かうランナーたち。前方に見えるのが、サンタ・マリア大聖堂が建つ、城壁に囲まれた旧市街。

    まず目指すべきは、島のちょうど中心に位置する高台の町「サンタ・ヘルトゥルディス(Santa Gertrudis)」。途中12km18km地点では、当レースきっての傾斜がきつい上り坂が続くので、ここは踏ん張りどころです。

    気温は23度、直射日光と照り返しがきつく、体感温度は30度を超えていたといいます。暑さのため、上半身裸の人がチラホラ。メキシコ発祥の走れるサンダルことワラーチを履いて、足元が涼しげな人もいます。

    ハーフマラソンのスタート地点でもあるこの町には、真っ白な壁に黄色い鐘楼の塔が映える古い教会があり、鐘は島内一の大きさを誇ります。

    くじけそうになる難所に現るバンド隊

    最高地点の22kmを超え、30km地点まで坂を下り切るとサンタ・エウラリアを一望するドーム屋根の教会「Puig d’en Missa」が現れます。

    車窓から眺めるプイグ・デ・ミサ教会。

    そこからしばらく行った先の3キロは、緩やかな上り坂と変わり映えのしない景色が延々と続く最大の難所。ジリジリと肌を焼く太陽が、衰弱した身体に堪えます。

    と、そこへ救世主のように現る!?音楽バンド。流れてくるスペイン語の歌を聞きながら、なんとか再度心を奮い立たせます

    この頃になると、5キロごとだった給水所の間隔が4キロ、3キロと、徐々に狭まってきます。最後40キロ地点にあるのは珍しく、まるで砂漠のオアシスを見つけたかのように人が群がっていました。

    青い海を眺めながら感動のフィニッシュ!

    最後はもちろんお約束、DJの盛り上げコールとガンガンに流れるエレクトロニック音楽(EDM)をバックにフィニッシュ!

    フィニッシュ・ラインで完走を喜ぶランナーたち。

    イビサ・マラソン最大の魅力は、スタートとフィニッシュ間際に望む、地中海の島ならではの青く美しい海の景色です。老舗クラブが集まり、パーリー感がひときわ強い都会のイビサ・タウンから、ファミリー・シニア層にも人気の落ち着いたリゾート地、サンタ・エウラリアまで、パリピ島のさまざまな顔を走って見て回れることもポイントです。

    サンタ・エウラリアのビーチでくつろぐ人たちを見ながら走る、フィニッシュ間際のコース。

    完走後は苦しさのあまり倒れ込み、車椅子に乗せられる人(夫です)、ほかのランナーと抱き合って喜ぶ人、メダルを誇らしげに掲げて何度も違う角度から自撮りする人など、フィニッシュ地点はランナーそれぞれの苦労と喜び、達成感による熱気に包まれていました。

    音楽は難コースの切り札になり得るのか!?

    随所で音楽を鳴らし、ランナーの気分を盛り上げてくれる、サービス満点のイビサ・マラソン。夫によれば、音楽でスイスイ足が進むのは前半ハーフまで。走り切るために心がけたことは、その先きつくなる後半に備え、スピードは出さずに体力を温存することだったと言います。

    フィニッシュ後、夫も利用した車椅子をあてがわれる女性ランナー。

    「マラソンは自分との戦い」なので、他者との競争にはあまり注力していないようですが、結果として21km地点でバテたランナーを3人追い抜いたそうです。 

    レース後に「大丈夫だったか、よく耐えたな」と気遣ってくれたランナーとハイタッチをする夫。こぢんまりとした大会ならではの、ランナー同士の交流も楽しいものです。

     つまりはペース配分など「頼むところは結局自分」という、ごく当たり前の話。それでも、島のトロピカルな雰囲気とノリノリのラテン音楽が、ランナーにとって嬉しい環境であることは間違いありません。イビサ・マラソンは「また走りたい!」と思わせる、いま注目の活気あるランニング・イベントです。

    The Santa Eulària Ibiza Marathon公式ウェブサイト:https://ibizamarathon.com/en/

    私が書きました!
    イギリス・ロンドン在住ライター
    パーリーメイ
    2017年より英ロンドン郊外在住。ヨーロッパ中心の観光情報、イギリスの暮らし、文化、食など幅広いジャンルで執筆。在タイ歴は8年、バンコクの地場ホテル、在京タイ政府機関にて勤務するなどタイ事情にも明るい。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」(https://www.kaigaikakibito.com/)会員。

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