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    2017.12.27 インドラダック山本高樹

    キナウル・スピティの旅13

    スピティからパラン・ラを越えてラダックのツォ・モリリへと至るルート上には、村や集落は一つもありません。歩けども歩けども果てしなく続く、岩山と乾ききった荒野。途切れ途切れにうっすらと続くひとすじの道が、僕たちの進むべき行先を示していました。

    ふと足元を見ると、わずかばかりの水たまりのほとりに、小さな黄色い花々が咲いていました。

    煮炊きに使うケロシンストーブの燃料を節約するため、ガイドをしてくれているチッチムの村人が、カラカラに乾いた動物の糞を集めてきて、それで火を熾してくれました。あたり一帯何もない、標高4000メートルを越える荒野の中で、夜を明かします。

    出発して6日目、大きな川を渡渉してさらに進んでいくと、それまでの荒野が嘘のような、みずみずしい湿地帯が目の前に現れました。このあたりは「キャンダム」と呼ばれています。

    その地名の由来となったと思われる動物、キャン(チベットノロバ)の群れに遭遇しました。群れと僕との間に、一頭だけが進み出て、斥候のように僕の挙動を見守っていました。

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