冬の王者「オリオン座」観測で楽しめるのはベテルギウスとリゲルだけじゃない! | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 自然観察・昆虫

    2024.02.08

    冬の王者「オリオン座」観測で楽しめるのはベテルギウスとリゲルだけじゃない!

    冬の王者、オリオン座は全天でもっとも美しい星座のひとつです。ひときわ目を引く「三つ星」は、ちょうどオリオンのベルトの部分にあたります。今回はその三つ星の下にある「小三つ星」に注目してみましょう。


    オリオンのベルトは天のベルト

    冬に限らず、星座の中で最も知られた星座がオリオン座ではないでしょうか。モデルは、ギリシア神話に出てくる狩人オリオンです。まるで隣のおうし座に飛びかかるかのように棍棒を振り上げていますが、ギリシア神話には雄牛と闘うオリオンの話は出てきません。

    オリオン座とおうし座

    オリオン座とおうし座。オリオンのベルトのあたりに三つ星がある。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    右肩に赤く光る1等星ベテルギウス、左足に青く光る1等星リゲル。そしてその間、オリオンのベルトの部分に「三つ星」が光ります。2等星の星が3つ、ほぼ均等に並んでいます。均整の取れた形、1等星を2つも持つ豪華さに加え、オリオン座の存在をかくも際立たせているのは、この「三つ星」の美しさでしょう。

    三つ星は、右からミンタカ、アルニラム、アルニタクという名前です。明るさも並び方もそろっていますが、ミンタカは約900年光年、アルニラムはが約1300光年、アルニタクが約800光年と、距離はバラバラです。

    ミンタカとアルニタクはアラビア語でベルトという意味で、まさにオリオンのベルトです。また、オリオン座は「天の赤道上」にあります。天の赤道とは、地球の赤道を天球まで伸ばした線のことです。

    “オリオンの剣”は肉眼で見える大星雲

    冬の晴れた夜空では、オリオン座の三ツ星の下が、ちょっとボヤッとしているのが見えます。オリオン大星雲です。これもオリオン座の特別なところでしょう。おそらく日本からはもっとも見つけやすい星雲です。

    小三つ星

    三つ星の下に小三つ星がある。その2番目にあたるのがオリオン座大星雲、M42だ。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    ボヤッとながら、3つほど星が並んでいるようにも見えるので「小三つ星」と呼ばれます。星図ではオリオンのベルトから提げられた剣が描かれ、「オリオンの剣」とも呼ばれます。

    ぜひ双眼鏡を向けてほしい天体です。小三つ星の真ん中あたりが雲のようにボヤ〜ッと見えると思います。これがオリオン大星雲です。

    星雲はガスやチリが集まっている場所です。このガスの塊から新しい星が誕生してきます。星のゆりかごと呼ばれる由縁です。オリオン座の小三つ星の近くに青く光る星が多いのは、オリオン座大星雲から生まれたからではないかと考えられます。

    オリオン座大星雲の中の、生まれたばかりの星が集まっている「トラペジウム」と呼ばれる星団は特に美しく有名です。小さな望遠鏡を向ければ、4つ以上の星が見つかると思います。

    また、望遠鏡で天体の像を拡大すると、面積あたりの明るさは拡散されて暗くなってしまいます。その上視野も狭まるので、オリオン座大星雲そのものが見にくくなってしまいます。私も昔、大星雲に天体望遠鏡を向けたことがありますが、暗い雲しか見えずガッカリした経験があります。その点でも初心者には双眼鏡がおすすめです。

    オリオン大星雲

    高性能の望遠鏡で見るオリオン座大星雲(M42)。羽根を広げた鳥のように見える。© Anglo-Australian Observatory, David Malin

    ところで、オリオン座大星雲は「M42」という番号でも知られてています。MはメシエのM。星雲や星団を観察して記録した18世紀のフランスの天文学者シャルル・メシエです。メシエが作成した星雲・星団の記録を「メシエ・カタログ」といいますが、M42とはカタログの42番目に記されている天体です。肉眼でも見えるオリオン座大星雲が42番とずいぶん後ろに記録されているのにはメシエなりのワケがあります。「メシエカタログ」については、また改めてご紹介しましょう。

    構成/佐藤恵菜

    私がガイドしました!
    星空案内人
    廣瀬匠
    星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、2024年の天文現象の見どころと楽しみ方をまとめた『アストロガイド 星空年鑑2024』が発売中。

    あわせて読みたい

    NEW ARTICLES

    『 自然観察・昆虫 』新着編集部記事

    冬空に輝くシリウスが、古代エジプトでは夏に重要な星だった理由

    2024.02.20

    医学も注目する森林の癒し効果を山梨で体験!心と身体をととのえる「森deリトリート」レポ

    2024.02.07

    オオナルコユリの食べ方、ナルコユリとの違いは?天皇にも献上された「黄精飴」の材料としても

    2024.01.21

    1月20日夕方から月とすばる(プレアデス星団)が大接近!今年は「すばる食」も見られるぞ

    2024.01.19

    枯れ葉や落ち葉じゃ…ない!カマキリの寒い冬を耐え忍ぶ希少な生態を紹介

    2024.01.07

    2024年の見どころ天文現象3選!紫金山・アトラス彗星などが肉眼で見られるかも

    2024.01.03

    バードウォッチングの基本とは?双眼鏡などの観察道具と森で見られる野鳥4種

    2024.01.02

    一時期は2等星並みに暗く。「いよいよ爆発か」と心配され続けたオリオン座のベテルギウスが…明るい!?

    2023.12.21