大菩薩峠と大菩薩嶺の違いとは?初心者におすすめの登山ルートとアクセス案内 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2024.01.29

    大菩薩峠と大菩薩嶺の違いとは?初心者におすすめの登山ルートとアクセス案内

    関東甲信越の登山者にとって人気エリアの山梨県。南アルプス、奥秩父などの名だたる山域があり、甲武信ヶ岳や金峰山をはじめとした名峰が連なることなどから、1年を通して多くの登山者が訪れています。そんな山梨にある日本百名山の一峰の大菩薩嶺、そして同峰を訪れる時には外せない大菩薩峠は、一度歩いたら忘れられないおすすめの場所。今回は、山梨に来たらぜひ登ってほしい、大菩薩嶺と大菩薩峠の魅力をご紹介します。

    大菩薩峠とは

    大菩薩峠は山梨県にある

    大菩薩峠 眺望

    峠からは大菩薩湖が見える。

    大菩薩峠は、山梨県甲州市と同県北都留郡の境に位置している峠です。

    関東甲信越を中心に活動する登山者や、日本百名山を登る人の中では有名で、標高は1,897mです。

    峠は視界が開けており、四季折々の眺望が魅力。さらに登山道も整備されており、代表的な登山口の「上日川峠」から登る場合なら1時間前後でアクセスが可能。初心者から経験者の方まで、おすすめのスポットとなっています。

    大菩薩峠は山深い場所にあり、マイカーアクセスの場合は峠道を走り、さらに登山道を経て辿り着きます。

    ベストセラー小説のタイトルで映画化もされている

    大菩薩峠 眺望

    堂々たる山容の富士山も望める。

    大菩薩峠は様々な分野の作品で取り上げられています。

    例えば小説では、中里介山氏の作品「大菩薩峠」の舞台のひとつとして登場します。

    30年近く連載された同作ですが、著者が亡くなった事で未完となりました。同作は映画やテレビドラマ、漫画化もされているほど人気の作品です。

    日本百名山の大菩薩嶺との関係は

    大菩薩嶺 山頂

    大菩薩嶺の山頂は樹林帯で静かな場所にある。

    一方で、日本百名山の一座として登山者に広く知られている、大菩薩嶺。

    筆者がそうだったのですが、はじめて大菩薩嶺を登る時、事前に現地情報を調べていると「大菩薩嶺」と「大菩薩峠」が出てきてしまい。これに頭を悩ませてしまう人も多いはず。

    「一緒なの?別ものなの?」と本当に筆者は迷いました。

    大菩薩峠

    大菩薩峠標識。

    結論から言うと、大菩薩峠は大菩薩嶺の南方に位置する峠で、大菩薩嶺の中に大菩薩峠がある、という関係性となります。

    登山者には、大菩薩嶺へ登る周回ルートのポイントとして大菩薩峠は知られており、大菩薩峠周辺から広がる眺望は、富士山・南アルプス・八ヶ岳・甲府盆地となっており、同地を訪れる人々を魅了します。

    大菩薩嶺だけを目指すのも良いですが、初めて登るなら絶対に歩いてほしいのが、大菩薩峠を含む周回ルートなのです。

     初心者でも登りやすい大菩薩嶺登山のモデルルート

    ルート1:上日川峠から大菩薩峠を通る周回ルート

    賽の河原付近

    賽の河原付近から大菩薩嶺方面を見る。

    大菩薩嶺を初めて登る方に一番におすすめのルートが、上日川峠から大菩薩峠を経て大菩薩嶺に登頂し、唐松尾根を下り上日川峠に戻る周回ルートです。

    マイカーアクセス(冬期を除く)が人気ですが、公共交通機関でのアクセスも可能です。

    栄和交通 大菩薩上日川峠線 バス時刻表

    参考コースタイムは3時間40分と、日帰り登山ならゆっくり眺望を楽しみながら登ることができ、登山初心者の方やファミリーハイクにおすすめです。標高差も591mで、脚の負担も少なく歩けるのもポイントです。

    筆者は、大菩薩峠から望む山梨の秀逸な眺望を見ながら初めて登った時、まるで絵画の世界に入ったかのような不思議な感覚に見舞われたのを覚えています。そんな世界に浸りながら終始歩ける贅沢を、このルートでは味わえます。

    朝早くから登って大菩薩嶺登山を楽しんだら、麓の温泉で汗を流して1日を締め括るのも良いですね。

    やまなしハイキングコース100選 大菩薩嶺/富士山眺望コース

    ルート2:大菩薩峠から丸川峠を経て山頂へ至るルート

    大菩薩峠登山口バス停

    大菩薩峠登山口バス停。

    公共交通機関で登れるのが、中央線塩山駅からバスでアクセスできる大菩薩峠登山口からのルートです。途中にある丸川峠入口からなら、通年のマイカーアクセスも可能なルートです。

    山梨交通 大菩薩峠登山口 バス時刻表

    このコースの醍醐味は、大菩薩嶺の山域を麓から登るため、山域の全容を肌で感じることができるところです。丸川峠を経ての大菩薩嶺登頂後は、唐松尾根を経て上日川峠に下り、大菩薩峠登山口まで戻ります。

    参考コースタイムは6時間10分、標高差は1,453mと、充実した登山で歩きごたえがあります。

    日帰り登山は、早めの出発などといった計画を立てれば可能ですが、基本的には山域の山小屋やテント場を利用して1泊で登るのがおすすめです。

    ルート3:湯ノ沢峠から小金沢山稜を経て山頂に至るルート

    小金沢山稜

    小金沢山稜。

    大菩薩嶺の南方に伸びている小金沢山稜。

    日本一長い山名の牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらずりやま)や、山稜を代表する小金沢山といった峰々を縦走し山頂に至る、欲張りルートです。

    スタートは南方に位置する湯ノ沢峠で、峠まではマイカーアクセスとなります。

    牛奥ノ雁ヶ腹摺山と小金沢山の稜線は、大菩薩峠からの眺望に匹敵する美しい景色。

    筆者もこの稜線を歩いたことがありますが、大菩薩嶺周辺の山域らしい静かで山の世界に浸れる幻想的な世界を体感できるのがこのルートの最大のポイントです。稜線を過ぎ、石丸峠を通過したら大菩薩峠の眺望も待っているので、歩いていて飽きが来ることはありません。

    基本的には1泊が前提のルートで、参考コースタイムは11時間20分です。大菩薩嶺に登頂したら上日川峠のテント場、もしくは同じく上日川峠に位置するロッヂ長兵衛に宿泊します。

    大菩薩嶺の日の出・日没の時刻

    上日川峠

    早朝の上日川峠。

    大菩薩嶺の日の出は、4月は5時30分頃、8月は4時40分頃、12月は6時30分頃です。

    日の入りは、4月は18時15分頃、8月は19時頃、12月は16時40分頃です。

    日の出・日の入り時刻 For Climbers,Pilots,Sightseers 

    山中は暗くなるのが街より早いので、基本装備であるヘッドライトは必ず携行するようにしましょう。

    大菩薩嶺の気温と登山時の服装

    雷岩からの眺望

    12月の大菩薩嶺登山のウェア。アウターは化繊ジャケットを着る。

    大菩薩嶺の平均気温は、4月はおよそ2度C、8月はおよそ15度C、12月はおよそ−6度Cです。

    春は薄手のロングシャツやロングパンツにソフトシェル、防寒用でダウンジャケットがあると安心です。

    夏は半袖やショートパンツで軽快に歩いても問題ありませんが、テント泊の場合は薄手のソフトシェルや化繊ジャケットがあると良いです。

    冬は厚手のウェアに、ダウンジャケットをはじめとした防寒対策が必須です。

    夏場は特に気にする場面はありませんが、冬場の稜線は風も冷たく、手や顔が一気に冷やされて風が痛く感じます。12月から2月頃までは、冬用のグローブやバラクラバといったアイテムも用意しておきましょう。

    登山のベースにおすすめのキャンプ場

    上日川峠テント場

    ロッヂ長兵衛前のテント場で設営する。

    大菩薩嶺登山では、上日川峠にあるロッヂ長兵衛のテント場と、上日川峠から大菩薩峠を目指す際に通る福ちゃん荘にあるテント場がおすすめです。

    いずれもトイレ・水場があるので、宿泊分の水を担ぎ上げる心配がないのは嬉しいポイントです。※冬期は凍結で利用できない場合があるので要注意です。

    またマイカーアクセスなら、ロッヂ長兵衛前のテント場が特におすすめで、駐車場からテント場は目の前という好立地です。

    大菩薩の宿「ロッヂ長兵衛」

    山小舎「福ちゃん荘」

    大菩薩峠・大菩薩嶺へのアクセス

    湯ノ沢峠

    湯ノ沢峠のトイレ。

    公共交通機関の場合は、JR中央線塩山駅から大菩薩峠登山口までバスが出ています。

    山梨交通 大菩薩峠登山口 バス時刻表

    上日川峠へバスで向かう際は、JR中央線の甲斐大和駅から利用できます。

    栄和交通 大菩薩上日川峠線 バス時刻表

    マイカーの場合は、上日川峠へは冬期の通行止めを除きアクセスが可能。湯ノ沢峠も冬期通行止めがあるので事前に期間を調べておきましょう。

    丸川峠入口までは、通年のアクセスが可能です。

    大菩薩嶺に登って美しい山の世界を堪能しよう

    登山道標識。

    忘れられない眺望へ。

    日本百名山の大菩薩嶺、そして大菩薩嶺の山域を象徴する美しい眺望を持つ大菩薩峠は、登山の醍醐味と山の世界を肌で感じるのにおすすめです。

    日帰りから山小屋・テント泊といった登山者のニーズに合わせたプランを、柔軟に組むことができます。ファミリーハイク・初めてのテント泊・縦走登山の充実した山旅といった、様々な登山を味わえるのが魅力です。

    大菩薩嶺・大菩薩峠で美しい山の世界を、ぜひ堪能してください。

    筆者プロフィール
    私が書きました!
    アウトドアライター
    北村一樹
    関東甲信越の山を中心に、1年を通して日帰りから縦走、沢登りや雪山を楽しんでいます。数日間沢に入って魚を釣りながら山頂を目指し、藪を漕いでいく汗まみれ、泥まみれの登山が大好物。ファミリーキャンプ、ロードバイクでヒルクライムなど、海と山があるのどかな町に住み、暇を見つけては年中山で過ごしています。

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