北アルプスや八ヶ岳に登る本格的な登山はハードだけど
近郊の低山には、日帰りでサクッと登れる場所もある。
往復3時間くらいの行程ならば、
朝登って昼過ぎには下山も可能だ。
晴れた休日は、のんびりと「小さなハイキング」を楽しんで、
ハラペコになって、おいしいものを食べにいこうじゃないですか!
というわけで、
今回、ぼくらが「ミニハイク」の行き先に選んだのは、
高尾山の南(通称・南高尾)にある草戸山(くさとやま)。
英国風パブ『HUB』の人事担当ガール・小川和珠さんと
医療系テープ販売会社の敏腕営業マン・田部聡司さんを誘って、
休日の朝、電車で高尾山口へ。
「めちゃ混み」の高尾山よ、さらば!
高尾山口の駅から、大勢の人の流れと分かれて、
まずは南へと向かう。
ここんとこ高尾山の人気っぷりが話題だが、
南高尾はひっそりしていて、「ミニハイク」の穴場なのだ。
しばらく舗装路を歩いたあと、土の登山道に入り、
ゆるやかな上り坂を登っていく。
最初は息が上がるような気がするが、あせらずに
おしゃべりを楽しみながら、ゆっくりのんびり歩くべし。
「駅から1時間ほどで、草戸峠に到着。
ここでちょっと休憩することにした。
ふたたび歩きはじめて
30分ほどで草戸山山頂に到着。
標高364mと、高くはないが、景色はとってもすばらしい。
山頂の松見平休憩所からは、眼下に城山湖、
遠くには東京都心部の街並みが。
「スカイツリーまで見える。すごいよね!」
スカイツリーの模型を持っているという小川さん。
東京の西のはじっこから東のタワーを眺めて
いささか興奮ぎみだ。
お茶とおやつで、しばしの休憩後、帰途につくことに。
転げ落ちそうなほどの急坂を下ったかと思うと、
今度は登り返しじゃないか。
せっかく下ったのに、もったいないぞ。
でも大丈夫、
ゆっくり歩いても、おいしいものは待っててくれる。
あせらずに、のんびり歩きを心がけるべし!
お昼過ぎに下山したときには、ほどよく汗をかき、
お腹もいい具合に減っていた。
ハラペコでおいしいお蕎麦をすする幸せを、知っていますか?
旬の野菜料理を肴にお酒が楽しめる蕎麦屋『杜々』に入店し、
さっそくビールで乾杯!
「このかぼちゃの天ぷら、
人生でいちばんおいしいです~!」
あまりのうまさに感動した田部さんがそういうと
「塩をふって、蒸してから揚げるんです。水分が増して甘くなるんですよ」
と、蕎麦打ち職人・石井さんの奥様が教えてくれた。
「なるほど、すごいっすね!」
感動した田部さんは、思わず握手を求める。
「それ、テンション上がりすぎでしょ!」
隣で小川さんは大爆笑だ。
「山、高きが故に尊からず、樹あるを以(もっ)て貴しと為す」
と、古いことわざにもあるように、
山のよさは標高の高さに比例しないわけで。
低山ならではの森に差し込む陽射しや
風が木々をゆらすざわめき、樹木の匂いなども
とても素敵な自然の恵みなんだよなぁ。
そんなことに気づかされる南高尾の旅でした。
歩いてハラペコになって、
おいしいごはんをお腹いっぱい食べる。
日帰りで電車でさくっと行ける「まんぷくミニハイク」には、
どんな高級レストランにも負けない素敵な満足感があります。
みなさんも、どうぞよい休日を!
【お店情報】
蕎麦と雑穀料理 「杜々」(とと)
■住所:東京都八王子市高尾町2031
■電話:042-673-5592
■営業時間:11:00~15:00LO/17:30~20:00LO
火曜日・第3水曜日定休
2012年にオープンした、手打ち蕎麦と雑穀料理のお店。店主の石井さんが毎日蕎麦打ち小屋で打つお蕎麦が絶品! サイドメニューは、奥さんの担当。無農薬野菜と雑穀を使った家庭料理が楽しめる。高尾山口駅、高尾駅のどちらからも徒歩約15分。
http://blog.soba-toto.com/
◎文=中山夏美 写真=矢島慎一