VWの伝統銘柄「ゴルフGTI」がアウトドアシーンでも輝く理由 | 試乗記 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.12.23

    VWの伝統銘柄「ゴルフGTI」がアウトドアシーンでも輝く理由

    ゴルフGTI

    小型車の金字塔、フォルクスワーゲン・ゴルフ。名車タイプ1(ビートル)に代わる実用小型車として1974年に登場し、現在8世代目を数える。そして、初代からシリーズにラインアップされているのが、スポーツモデルのゴルフGTIだ。目が覚めるような気持ちのいい走行フィーリングは、フィールドをめざすアウトドアズパーソンに移動の楽しみを提供する。

    世界の自動車メーカーが目標にした「ゴルフ」

    初代ゴルフの標準モデル

    1974年に登場した初代ゴルフの標準モデルゴルフGTI。シンプルなラインで表現されたモダンなスタイリングは、今見ても新鮮!

    2023年は日本にフォルクスワーゲンが輸入されてから70周年というアニバーサリーイヤーだった。初代ゴルフも発売間もない1975年、当時輸入権を所有していたヤナセの手で販売が始まっている。エンジンを横置きにした前輪駆動を採用し、広いキャビンに大人4人が無理なく乗れて荷物もしっかり積める実用的なパッケージングは、スタイリングを含めて名カーデザイナーのジョルジェット・ジウジアーロが担当した。

    初代ゴルフのラゲッジ

    初代ゴルフのラゲッジ。開口部を最大限にとった設計で、後席をたためば引っ越しもできるほど、と評された。

    極めて合理的で、シンプルかつクリーン、そして力強さを感じさせるデザインはそこはかとなくモダン。このデザイン哲学はフォルクスワーゲンというブランドを象徴するものとなった。日本で唯一のタレント性のある自動車評論家として知られた故・徳大寺有恒氏は、名著『間違いだらけのクルマ選び』(1976年刊行)を執筆中にゴルフを手に入れ、その完成度の高さに衝撃を受けたという。改めて原稿を書き直し、ゴルフをお手本として日本車に足りないものを評論した本書は空前のベストセラーとなった。

    アウトバーンでも一目置かれる「GTI」の称号

     ※記事の一番下にゴルフGTIの歴代モデルの画像を掲載しています。

    最新(8代目)のゴルフGTI

    2021年12月に日本市場へ投入された、最新(8代目)のゴルフGTI。従来型よりも丸みを帯びたデザインとなり、スポーティな雰囲気が伝わってくる。GTIはスポーツモデルではあるが、あからさまにデザインが過激になっていないところが魅力でもある。標準モデルよりわずかに全高が低い。

    ゴルフを運転したことのある人なら、それが歴代のどの世代だったとしても、芯の通った安定感抜群の足回りと正確無比な操縦性、必要十分プラスアルファのエンジン出力に心を洗われるような思いをしたのではないだろうか。速度無制限区間のあるアウトバーンで高いスピードを保ちながら長時間快適に、安全に運転することを開発の基準点とするドイツ車の品質を、手の届く価格で提供しているのがゴルフであり、その個性をさらに磨き上げたスポーツモデルが、「GTI」だ。

    タイヤは19インチ

    タイヤは19インチ(標準モデルは18インチ)。ごつごつした乗り味ではなく、とても上質。

    必要十分プラスアルファのエンジン性能はさらに高められ、アクセルペダルの操作に対するレスポンスの良さは胸のすくような気持ちよさ。足回りは引き締められ、それでいて路面の凹凸に対してゴツンという不快な衝撃を感じさせないレベルに仕上げられている。そうした特徴は街乗りでだけでも体感できるし、高速道路を走ればさらなる感動が待っている。

    日本のアウトバーンというべき新東名高速道路(速度無制限区間はないけれど)を走れば、性能の差で走行する車線が厳密に区分される本場でも、並みいる高級・高性能車にひけをとらない存在として認められているGTIの洗練極まる走り、長距離を走っても疲労感やストレスを感じないビシっとした安定感を骨の髄まで味わうことができるはずだ。

    スクエアな空間を追求したラゲッジ

    スクエアな空間を追求したラゲッジ。後席は2分割式だが、中央のアームレスト部分をトンネル化できるので、長物も積みやすい。

    優れた道具を扱う感動をアウトドアギアと共に

    ハンドル底部にGTIのロゴが控えめに付く

    ハンドルの握りの部分はパンチングレザー。ハンドル底部にGTIのロゴが控えめに付く。

    シフトセレクター

    シフトセレクターは現代的なつまみ型。

    前述の徳大寺氏の名著は日本の自動車作りにも少なからず影響を与え、明らかにゴルフを模範にしたと思われるハッチバック車も生まれた。そしてわれわれ日本のドライバーも成長し、クルマの本質的な魅力に価値を見出し、最も優れた(と個々が思う)1台を求めるようになった。昔と比べてゴルフのアドバンテージは突出したものではなくなりつつあるが、それはクルマ作り全体が底上げされた結果であり、アウトドアギアにパイオニアの価値を認めるのと同じく(ランタンやマグボトルなど多数)、小型車のパイオニアとして敬意を払う理由は微塵も失われていない。

    チェック柄の表皮はGTIの伝統

    専用のスポーツシートは体をしっかりと支えつつ、乗り降りで不便を感じることはない絶妙なデザイン。チェック柄の表皮はGTIの伝統だ。標準モデルよりも着座位置が低くなっている。

    最新世代のゴルフGTIの洗練ぶりは、高速移動でフィールドに向かうアウトドアズパーソンの疲労を抑えるだけでなく、いいモノに囲まれながら自然と近づくことで得られる感動を、さらに高めてくれる。世界のクルマ好き、道具好きが認めたGTIの称号は、フィールドでもさん然と輝くのだ。

    後席は十分な大きさ

    後席は十分な大きさの背もたれと座面を備え、足元も広い。3人乗車で後席を片方たたんでのキャンプが現実的だ。

    エンジンパワーは180kW

    エンジンパワーは180kW(245馬力)。ゴルフシリーズには高性能な4WDモデルのゴルフR(最高出力235kW)があり、GTIはあくまでもトータルバランスに秀でたスポーツモデルという位置づけ。また、テスト車両にはオプションのDCCと呼ばれる電子制御連続可変ダンパーが装着されており、走行モードを「スポーツ」にすると足回りが明らかに引き締まり、気持ちよく走れる。GTIを購入するなら絶対に付けたい装備だ。

    【フォルクスワーゲン ゴルフ GTI】

    • ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,295×1,790×1,465mm
    • 車両重量:1,430kg
    • 駆動方式:前輪駆動
    • トランスミッション:7DSG
    • エンジン:1,984cc 直列4気筒ターボ
    • 最高出力:180kW245PS)/5,0006,500rpm
    • 最大トルク:370Nm1,6004,300rpm
    • 車両本体価格:¥5,144,000

    問い合わせ先

    フォルクスワーゲン

    TEL:0120-993-199

     

    歴代のゴルフGTIを振り返る

    初代ゴルフGTI

    初代ゴルフGTI(写真はモデル末期の1983年型)。

    2代目GTI

    2代目GTI。写真のモデルはヘッドライトが4灯になった後期型。

    1990年代に販売されていた3代目

    1990年代に販売されていた3代目。GTIはワイドフェンダー化され、3ナンバーとなった。

    高級感を高めた4代目

    高級感を高めた4代目。

    5代目GTI

    5代目GTIは大きなフロントグリルで標準モデルとの差別化を図っている。

    6代目は先代の基本骨格を踏襲しながら内外装は一新

    6代目は先代の基本骨格を踏襲しながら内外装は一新され、モダンな印象を高めている。

    2012年に登場した7代目

    2012年に登場した7代目は基本骨格が刷新され、性能の向上とスポーティなスタイリングを実現。GTIもより存在感のあるたたずまいに。

     

    ※構成・撮影/櫻井 香 車両提供・資料写真提供/フォルクスワーゲン グループ ジャパン

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