憧れのランドローバー・ディフェンダーに2024年モデル「V8」登場! 試乗してわかった“4WDの伝統ここにあり”
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    2023.12.19

    憧れのランドローバー・ディフェンダーに2024年モデル「V8」登場! 試乗してわかった“4WDの伝統ここにあり”

    ディフェンダー

    アウトドアを楽しむ人にとって欠かせないのがSUV。なかでも悪路走破性の高いモデルは、外遊びの可能性を広げてくれる頼もしい相棒でもある。特に英国のランドローバー・ディフェンダーは路面状況を問わない第一級のパフォーマンスを持つ、アウトドアズマンにとっても憧れの一台。その2024年モデルが上陸した。

    ディフェンダーってどんなクルマ?

    2024年モデルとして導入されたディフェンダーV8

    2024年モデルとして導入されたディフェンダーV8。写真の110に加え、ショートホイールベースの90にもV8搭載車が用意される。マトリックスLEDヘッドライトを標準装備。

    強固なボディと確かな4WDシステムを持つ本格派四駆として名高いのがディフェンダーというモデルだ。1948年の登場時からブランド名そのままのランドローバー(シリーズ1、シリーズ2、シリーズ3)と呼ばれていたこのオフローダーは、1990年にディフェンダーに改称され、2019年にアルミモノコックをベースとした現行型にフルモデルチェンジを果たした。

    ディフェンダーV8の110モデル

    V8モデルはエアサスペンションが標準装備される。最低地上高は218〜290mm。オフロード時のアプローチアングルは37.5度(※1)、デパーチャーアングルは40度(※2)、ブレイクオーバーアングルは27.9度(※3)、最大渡河水深は900mm。※1:フロントバンパー下端と前輪外周を結んだ線と地面との角度。角度が狭いほど車体が傷つく可能性は高くなる。※2:リアバンパー下端と後輪外周を結んだ線と地面との角度。以下、※1と同じ。※3:前後輪それぞれの接地点からホイールベースの中心部分の底部)をつないだ角度。タイヤが大きくホイールベースが短いほど角度は広くなり、大きな岩などを越えるときに車体底部と岩が干渉するかどうかを判断するのに参考となる。

    現行型のデビュー当初は世界的な感染症の蔓延や半導体不足という逆境が重なったものの、標準ホイールベースの「110」を軸に、ショートホイールベースの「90」、ホイールベースは110と同様ながらリアオーバーハングを伸ばしロングボディとした「130」の3モデルが大きな人気を博し、ランドローバーの屋台骨を支えるまでに成長してきた。

    そんな勢いを後押しするかのように、従来からある2ℓ直列4気筒ガソリンターボ、3ℓ直列6気筒ディーゼルターボとともにディフェンダーの2024年モデルとしてラインナップに加わったのが5ℓV8気筒スーパーチャージドエンジン搭載車だ。

    その5ℓ V8スーパーチャージドユニットはこれまでもジャガー・ランドローバー・グループのトップモデルに採用されてきたもの。V8エンジン搭載車は1979年のランドローバー・シリーズ3から用意されていたから、ディフェンダーにとってはなくてならないモデルとも言える。

    フロントに収まる5ℓ V8スーパーチャージドユニット

    フロントに収まる5ℓ V8スーパーチャージドユニット。V8らしい重低音が響くビートが特徴的。モード燃費は公表されていないが、都内一般道試乗時のオンボード燃費は5.5km/ℓを示していた。

    最新型ユニットは最高出力525ps、最大トルク625Nmというディフェンダー史上最高のパワーを発生。0-100km/h90グレードで5.2秒、110グレードで5.4秒という俊足を誇る。ZF8AT4WDシステムが組み合わせられるのは2ℓガソリンや3ℓディーゼルと同様で、V8ではドライブモード選択にダイナミックが追加設定されるのが新しい。

    また、このV8モデルの追加にあわせてラインナップも整理され、90グレードは3ℓ6ディーゼルターボと5ℓ V8スーパーチャージドを用意し、110グレードはこれに2ℓ4ターボを加えた3本立て、130グレードはディーゼルのみとなった。

    ディフェンダーのコクピット

    水平基調のダッシュボードと高いアイポイントのおかげで死角が少なく見晴らしが良いディフェンダーのコクピット。物理スイッチも適度に残されて瞬時の操作がしやすい。スエードクロスのステアリングホイールを標準装備する。

    奥行きは最長176㎝!

     新エンジンが追加になったものの、内外装や装備面での大きな変更はない。グラブバーとトリムを一体化したような造形のインテリアはSUVらしいタフさや力強さが感じられ、スペースを有効活用した小物入れ等も多く使い勝手に不満はない。

    オンロードはもちろんオフロードでもしっかりと路面状況を把握できるシートのポジショニングは本格派オフローダーならでは。見晴らしよくルーミーなパッケージのおかげで前席はもちろん、後席も快適に過ごせる。

    リアシートは6:4分割可倒式

    リアシートは6:4分割可倒式。座面を引き起こしてバックレストを倒す2アクションタイプのため、前倒しした際には段差のないフラットで広大なフロアが生み出せる。

    そのリアシートはリクライニングや64の分割可倒も可能で、通常時で786ℓの容量が確保されたラゲッジルームは、後席前倒しによって1875ℓにまで拡大できる。ちなみにその際の奥行きは176cmとなり、完全なフラットフロアが生み出せることも含めてかなり使い勝手がいい。

    110でもV8に限っていえば5人乗り仕様のみ

    110でもV8に限っていえば5人乗り仕様のみとなる(他エンジンは7人乗りも選択可)。標準時の荷室サイズは幅121×奥行き92cm、2列目前倒し時は奥行き176cm。荷室壁面にはハイトコントロールやAC110Vソケットが備わる。

    幅広いファンを魅了する味

     そんなユーザビリティの高いディフェンダーにV8ユニットが搭載されたことで変わったのは、なにより余裕が生まれたところだ。

    車重は2ℓガソリンや3ℓディーゼルよりも確実に増しているものの、さすがにモデル史上最強のパワーを有する5ℓ V8だけあって、2.5トン近い車体でもスルスルっと軽やかにスタートできる。それに伴い低音の輪郭がはっきりとしたドロドロとしたビートが響き、しかもエンジンの回転フィールが伸びやかなのはなんともV8らしい。

    加えて言えば標準装備されるエアサスペンションもダンピングがしっかりと利いていて、車両姿勢がフラットで乱れないのがいい。もちろんドライブモード切り替えによって減衰力等は適切に変わるから、どんな路面状況でも安心してステアリングを握っていられるはずだ。

    V8ユニットの搭載によって力強さや頼もしさ、エンジンのフィールをはじめとする官能性能の高さも加わって、運転する楽しみも増えているのがディフェンダーV8だ。それはある種の古典的な味とも言えるが、それが表現できるのは誕生から75年という歴史の重みがあってこそ。そんな充実度を増したディフェンダーV8なら、オールドファンから新しいユーザーまで幅広く魅了するに違いない。

    4本出しのエグゾーストが特徴的なV8モデルのリアスタイル

    4本出しのエグゾーストが特徴的なV8モデルのリアスタイル。写真の標準モデルに加え、専用バッジやグリル、サテンプロテクティブフィルムなどを施した特別仕様車「カルパチアンエディション」も2024年限定モデルとして発売された。

    【ランドローバー・ディフェンダー110 V8】

    • ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,945×1,995×1,970mm
    • 車両重量:2,450kg
    • 最低地上高:218mm
    • 最小回転半径:6.1m
    • 駆動方式:4WD
    • トランスミッション:8AT
    • エンジン:5ℓ V8気筒スーパーチャージャー
    • 最高出力:386kW525PS)/6,000rpm
    • 最大トルク:625Nm2,5005,500rpm
    • 車両本体価格:¥15,880,000

    問い合わせ先

    ランドローバー

    TEL0120-18-5568

    私が書きました!
    ライター&エディター
    桐畑恒治
    1973年生まれ。琵琶湖のほとりで生まれ育ち、学生時代はスキー、スノーボード、サーフィン、釣りなど、ひと通りのアウトドアアクティビティを経験。自動車専門誌の編集記者となって以降はその活動も停滞気味だったが、フリーランス・ライターとなった現在は改めて外遊びを満喫したいと目論む今日この頃。まずは自分自身の相棒(愛車)選びも含めてクルマの魅力を探り、紹介していきたいと思います。

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