南アフリカの空の玄関口ヨハネスブルグから北へ60キロメートル、首都のひとつツワネ(通称プレトリア)があります。国内第2の規模を誇る都市圏の人口はおよそ404万人、中心部には高層ビルが立ち並ぶ大都会です。南アフリカは首都機能を3都市に分ける複都制をとっており、行政の首都であるプレトリアには日本大使館をはじめ、各国の大使館が集まっています。日本の首相官邸にあたる大統領府も、ここプレトリアにあります。
南アフリカと聞くと、ライオンやキリンなど、“動物がそこかしこにたくさんいる”という印象を持つ人もいるのではないでしょうか。実際に、国内には自然保護区や国立公園がたくさんあります。そこでは様々な動物が暮らしていますが、都市部からだと車で1時間~数時間、もしくは飛行機で行くことになる場所がほとんどです。
しかし、この大都会プレトリアでは思い立ったらすぐ行ける距離に動物に会える自然保護区があるのです!「都会の公園で会える動物なんて、リスやウサギみたいな小動物でしょ?」と思っていませんか? いやいや、ここはアフリカ、侮るなかれ。
入口で出迎えてくれたのは日本でもよく知られたあの動物
訪れたのは大統領府からわずか16キロメートル、車だと30分程度の距離の場所にあるモレレタ・クルーフ自然保護区(Moreleta Kloof Nature Reserve)。東京で例えると、永田町にある首相官邸から井の頭公園(20キロメートル)に行くより近いのです!
保護区内には5本のハイキングコースがあり、子どもからトレイルランナーまであらゆる人たちが楽しめるように整備されています。過去に二度訪れた際には、二度とも入口でシマウマに会うことができました。なんと、今のところ遭遇率100%です!
3度目の訪問! 果たしてシマウマ以外にも会えるのか?
入口にいたシマウマだけで、もう興奮状態ですが、実は保護区内には他にも多くの動物が暮らしています。今回記事を書くにあたり、他の動物の写真を入れたい! と欲張り、取材を敢行。 “二度あることは三度ある”といいますが、果たして会えるのでしょうか?
入口を通ると警備員がいて、 “奥が駐車場だよ”と合図してくれました。前回、前々回は駐車場から見える場所にシマウマたちがいましたが、今回はいません。少し不安になりつつも、ハイキングへ出発です!
南アフリカは南半球なので、この時期は夏。この日の気温は34度でした。お天気が良いのはうれしいですが、日差しが強く痛いくらいです。早く木陰に入りたい!
急ぎながらも左右をキョロキョロとしていると、早速いました! 立派な角がある動物が! 右にも左にも、5頭前後のブレスボックの群れがいて、私たちの様子をうかがっていました。
ブレスボックたちを眺めていたら暑さを忘れそうになりましたが、じりじりと太陽が照りつけるので先へ進みます。
木陰を抜けると、すぐ先を10頭ほどの群れが横切っていきました。あまりのスピードに写真が撮れません。最後にゆっくりと表れた動物をよく見ると、スプリングボックのようです。ラグビー南アフリカ代表チームの愛称「スプリングボックス」は、このスプリングボックスからとっています。
この時点で「もう一度来てよかった~」と大満足ですが、まだコースの3分の1しか歩いていません。しかし、分岐点を曲がると、今度はあの動物がいました!
改めてですが、動物園と違い柵がないので、近づこうとすればどこまででも近づくことができます。でも、もちろん動物を驚かすようなことは厳禁。1頭のシマウマが道の真ん中にいたので、動くまで待ちます。
コース後半は新しい動物には会えませんでしたが、30分ほどで一周することができました。
駐車場まで戻ってくると、出発したときにはいなかったダチョウの姿が! 最後までわくわくさせてくれます。
動物王国の南アフリカですが、都市部でこんなに気軽に動物に会える場所は実は多くありません。終始たくさんの動物が現れ、楽しませてくれたモレレタ・クルーフ自然保護区。私のシマウマ遭遇率100%は継続中です!
ハイキング前後には、ぜひ保護区内のカフェで軽食を。運が良ければ、食事をしながら動物を見ることができます。
Moreleta Kloof Nature Reserve
入場料:無料
開門時間:6:00~18:00(入場は17:00まで)
https://moreletakloof.co.za/