小型SUV「DS3」はアウトドアでどんな魅力を発揮してくれるのか | 試乗記 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.11.28

    小型SUV「DS3」はアウトドアでどんな魅力を発揮してくれるのか

    DS3 オペラ

    DS 3」というクルマ、ご存じですか? 製造するのは現在、販売台数で世界第4位の自動車メーカー「ステランティスN.V.(以下ステランティス)」です。同社は大手の自動車グループだった「FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)」と、フランスの自動車グループ「グループPSA(プジョー・シトロエン)」の2社が、2021年に対等合弁して誕生した多国籍企業。

    合併を繰り返して誕生したステランティスには現在14ものブランドがあり、そのルーツとする国もフランス、イタリア、アメリカ、ドイツ、イギリスなど、5か国にのぼります。その中でDSは「フランスの高級ブランド」という位置づけがされています。

    合併によって効率化が図られると同時に、それぞれのブランドが得意とするクルマ作りを、他のブランドでも共有できるという利点があります。たとえば、アウトドアで頼もしいジープの走りと、バカンスの国で育ったフランス車ならではの高い実用性と言った要素を、ほどよく調和させたクルマ作りも可能になるというわけです。

    れでは今回のDS3というコンパクトSUVは、アウトドアフィールドや外遊びで、どんな魅力を発揮してくれるのでしょうか?

    DS 3 ってどんなクルマ?

    DS3の外観

    左右のテールライトを一筋のラインで結ぶブラックバンドを採用し、印象深いリアスタイルを実現。随所にひし形のディテールを配したのも特徴。

    DS3の格納式ドアハンドル

    走り出すとボディと面一になるリトラクタブルドアハンドルは、デザイン上のスマートさだけでなく空力面でも有利。キーを持った人物が車両から3m以内の距離に近づくと検知し、1.5m以内に近づくと自動解錠されポンと飛び出します。

    本来「DS」とは1955年にシトロエンから登場し、当時のフランス大統領専用車としても使われていた高級車のモデル名です。前衛的なスタイルと革新的な技術を与えられた、まさにアバンギャルドな存在であり、いまも名車として語り継がれています。その後、シトロエンが高級車ブランドを立ち上げる際に、この名車へのリスペクトをこめて「DS」の名が採用されました(正式なブランド名は「DSオートモビル」)。

    そのラインナップの中で、もっともコンパクトなモデルがSUVのDS3。今回取材したのは「DS3 オペラ」というディーゼルエンジン搭載車です。全長4,120mm、全幅1,790mm、全高1,575mmというボディサイズは、トヨタのコンパクトSUV、ヤリスクロスとほぼ同じ。キャンプ場内や周辺の狭い道でも使いやすいサイズ感です。普通のハッチバックよりも少し背が高いので、見ため以上にキャビンや荷室にゆとりがあり、キャンプギアを積み込んだりする際にも重宝します。

    エンジンは130馬力を発生する1.5Lのディーゼルターボ。トルクがある力強い走りと、21.0km/ℓWLTCモード)という燃費で、ロングドライブを快適にリーズナブルにこなしてくれます。

    インテリアはDSブランドということもあり、個性と上質さを漂わせています。とはいえ、アウトドアでの使用を躊躇する必要はまったくなく、フランスのセンスを楽しみながらカジュアルに乗るのが正解。あちらの国ではそういうスタイルが伝統なのです。

    室内のディテールが凝っていて楽しい!

    DS3のインパネ

    メーターパネル周辺もひし形デザインで構成されています。視認性や操作性も良く、ロングドライブでも疲労感は少ないでしょう。

    DS3のスイッチ

    モニターの下にも、ひし形のスイッチを配置。

    DS3のシフトセレクター

    シフトのセレクトレバーの両側にあるスイッチ類はパリのヴァンドーム広場の石畳を表現したという“クル・ド・パリ”デザイン。感覚的な操作が可能で、使いやすい設計です。

    コンパクトとは言うものの、キラキラとした大きめのフロントグリルと、その両端に輝くヘッドライトユニット、さらに牙のように見える2本の細長いデイライトというデザインのおかげで、実際よりも大きく、そして立派に見えます。存在感あるそのフェイスは、エレガントでありながらモダンというDSブランドに共通する唯一無二の造形美を表現し、視線を集めるには十分な個性があります。都会のビル街はもちろんですが、自然に溢れたアウトドアフィールドでも、そのデザインは輝くはずです。

    前述したインテリアの個性を詳しく説明しましょう。手触りが良くソフトなナッパレザーシートで仕上げられた座面や背もたれは、メタル製のウォッチストラップをイメージしたデザイン。一枚革をステッチと革の癖づけだけで創り上げるというフランス伝統の革職人の技を活かした立体造形が採用されています。

    その緻密なステッチや柔らかなレザーの風合いは、フィールドで存在感を発揮するレザーアイテムのように、一見しただけで上質にして高い実用性を持っていることが分かります。実際に座ってみても体へのフィット感は抜群で、シトロエンの大きな特長である、しなやかな乗り心地をしっかりとサポートしてくれることがすぐに予感できるのです。

    インテリアは、写真でおわかりのように凝ったデザインが取り入れられています。アウトドアでの使いやすさや機能と直結するものではありませんが、日本車を含む他のメーカーでは絶対に味わえないデザインは、所有する悦びにつながるはずです。

    DS3のフロントシート

    柔らかな肌触りのナッパレザーのシートは体へのフィット感に優れ、すっぽりと包み込まれる気持ちよさ。上体の左右への揺れも少なく、疲労感も低減されます。

    DS3のリアシート

    リアシートも座り心地は良く、足元のスペースは確保されているため長距離も快適。

    そんな快適な居住空間の後方には、5人乗車時で350Lの容量を誇るラゲッジルームがあります。リアシートの背もたれを前方に倒すと1,050Lまで拡大できますが、少し残念なのはフロアに段差ができること。圧倒的に広いわけではありませんが、このクラスとして平均的な容量。ふたりでの12泊のキャンプなら、問題なくこなします。そういうところは、合理的な暮らしに長けたフランスのクルマらしいといえます。

    DS3のラゲッジ

    5人乗車時の奥行きは62cm、床の幅は99cm。クラスとしてはスペースも使い勝手も平均的。

    DS3のラゲッジ最大

    リアシートの6:4の分割式シートバックを前方に倒すと、途中に段差はあるものの、120cmの奥行きに。開口部の高さは80cmあるので出し入れも楽。2人分の1泊キャンプギアくらいなら余裕で積載できます。

    ラフロードは2WDでも十分イケる

    DS3のグリップコントロール

    4WDは用意されていませんが、グリップコントロールを使用すれば一般的なダート走行なら楽にこなします。

    走り出してみるとアクセルを一気に踏み込む急加速時を除けば、ディーゼルエンジン特有のガラガラ音はあまり気になりません。それ以上に、低速から粘り強い走りを実現してくれるディーゼルエンジンの力強さが、アウトドアや山道での走りをしっかりと支えてくれます。なにより21.0km/lと言う燃費の良さはリーズナブルで、給油回数を抑えたロングドライブを実現してくれます。

    DS3のエンジン

    アイドリングや低速でディーゼル特有のエンジンは小さく許容範囲。キャンプ場などでも騒音を気にすることもないはず。

     実はDS3、今年の車名変更までは「DS3クロスバック」と呼ばれ、「E-TENSE(イーテンス)」というBEV(電気自動車)モデルもラインアップされていました。しかし現状、日本で選べるのはエンジン車だけとなっています。

    確かにBEVの力強く静かな走行性は、坂道の上り下りや、キャンプ場内で静かに移動するときなどには重宝します。一方で、やはり途中の充電時間(1回30分)は長距離ルートになるほど、ドライブプランを圧迫してきます。その点、ディーゼルエンジンのDS3 オペラは、使い勝手もエコロジーやエコノミーでも、ちょうどいい選択となります。

    DS3のメーターパネル

    総走行距離595km、途中20km以上の渋滞や200kmほどの一般路走行を行った上での燃費はドライブコンピュータデータで20.4km/l。

     ドライブモードはエコ、ノーマル、スポーツ、そしてマニュアルを選択できます。さらにSUVらしく、路面状況に合わせた「グリップコントロール」という機能が備わり「サンド」、「マッド」、「スノー」の3種類の走行モードも設定可能です。前輪駆動のみですが、ハードなダート走行や深雪路面はリスキーだとしても、フラットダートや浅めの轍路面ぐらいなら、走り抜けることができるはずです。

    見る人を惹きつけるデザインと乗るたびに贅沢気分に浸れるインテリア空間。そしてディーゼルならではのエコで心地よいドライブフィール……。DS3オペラは市街地だけでなく、アウトドアフィールドもスマートにこなす便利な一台。何気ない日常を心豊かな旅へと変えてくれる力が、「小さな高級車」なのです。

    DS3オペラBlueHDi

    • ボディサイズ:全長×全幅×全高4,1201,790×1,575mm
    • ホイールベース:2,560mm
    • 車両車重:1,330kg
    • 最低地上高:185mm
    • 駆動方式:前輪駆動
    • トランスミッション:8AT
    • エンジン:水冷直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジン 1,498cc
    • 最高出力:96kW130ps)/3,750rpm
    • 最大トルク:300Nm1,750rpm
    • 燃費:21.0km/lWLTCモード)
    • 価格:¥5,090,000~

    問い合わせ先:

    DS オートモビル

    TEL0120-92-6813

     

     

    私が書きました!
    自動車ライター
    佐藤篤司
    男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行なう自動車ライター。著書『クルマ界歴史の証人』(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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