ガイロープの選び方
ガイロープは太さや長さ、素材によって使い勝手や強度が異なります。自分が求めるガイロープを見つけるためのポイントを3つ解説します。
選び方
強度は太さに関係する
太さはガイロープの強度に直接影響します。一般的に強度と太さのバランスがよいといわれているのは、約4〜5mmです。
太ければ太いほど強度は増しますが、重量も増すため、切りにくかったり結びにくかったりというデメリットもあります。
一方で、細すぎると強度が足りず切れてしまう可能性もあるので、バランスを見て選ぶことが重要です。強度と使いやすさをうまく両立しているのが、約4〜5mmといわれています。
テントやタープに合った長さを選ぶ
テントを設営するなら3m、タープなら4mを目安に選びましょう。タープのポールからななめ45度にロープを張る場合、ポールより約1.4倍の長さが必要です。たとえば、タープポールが2mの高さなら、ガイロープに必要な長さは2.8mです。
しかし一度短く切ると、それ以上大きいテントやタープには使えなくなってしまうため、自在金具が付いたものを選びましょう。
自在金具とは、ガイロープの長さやテンション(張りの強さ)を調節できるアイテムです。自在金具があれば、異なる高さのテント・タープを使うときも、ちょうどよいテンションに調節できます。少し長めのガイロープを買えば、長さ調節に困らないでしょう。
機能性は素材をチェック
ガイロープの素材は、主に以下の3種類があります。
- ナイロン
- ポリエステル
- ポリプロピレン
ナイロンは、耐久性と伸縮性が高いのが特徴です。表面が滑らかなので肌触りがよいですが、自在金具が滑りやすく留めにくいのが難点です。
ポリエステルは紫外線と水に強く、悪天候下でも活躍してくれます。速乾性が高く熱にも強いので、日差しの強いところで長時間使用しても傷みにくいといえます。耐久性はナイロンよりやや劣りますが、キャンプで使うには十分です。
ポリプロピレンは、軽量で安価なのが魅力です。水に浮く性質があるため、川に落としても紛失しにくいでしょう。ただし、強度は他の素材に劣ります。お試しで使って見たい人や価格重視の人にはおすすめです。
視認性の高い色を選ぶ
ガイロープの色は視認性が高く、目立つ蛍光色がおすすめです。夜間にガイロープに引っかかり、転倒する危険があるためです。
ガイロープの中には反射材が使われているものがあり、ライトに照らすと視認性がアップします。また、蓄光素材を含んだものなら、光がなくても発光するためより安全を担保できるでしょう。
また視認性の高い色は、汚れが目立ちにくいのもポイントです。白に近い色は汚れると地面と同化しやすく、視認性が落ちる可能性があります。好きな色を選ぶのが一番ですが、安全面も考慮しながら選びましょう。
ナイロン製のおすすめガイロープ
ナイロン製のおすすめガイロープを4つ紹介します。耐久性を重視する人は、ナイロン製を検討しましょう。
キャプテンスタッグ「自在付カラーロープ」
2本組のナイロン製ガイロープです。自在金具付きなので、長さを調節できます。鮮やかなオレンジで、キャンプ場での視認性は問題ありません。
直径5mmなので、耐久性を重視する人に適しているでしょう。
直径3.5mmのイエローはポリエステル製で、扱いやすさを重視する人におすすめです。
キャプテンスタッグ 自在付カラーロープ
GeerTop「ガイロープ パラコード」
自在金具が付いており、すぐにテントのガイロープとして使用できます。
さらに、表面に16本のポリプロピレンワイヤーを織り込むことで、雨が降っても吸水しにくくなっているのも特徴です。これにより重くなりにくく、伸びにくくなるため、長く活躍してくれるでしょう。
GeerTop ガイロープ パラコード
オクトス「マウンテンダックス」
直径7mmと、十分な太さのあるガイロープです。ナイロン素材であることも相まって、高い耐久性を発揮してくれるでしょう。とにかくテントをしっかりとホールドしたい人におすすめです。
太いものは切りにくいという欠点があるものの、マウンテンダックスのガイロープは1m単位のメーター量り売りなので、あらかじめ必要な長さに切られた状態で購入できます。
カラーは5色ありますが、いずれも視認性は抜群です。自在金具は付属していないので、必要な場合は別途購入する必要があります。
オクトス マウンテンダックス ナイロンロープ7mm
AtwoodRope(アトウッドロープ)「アトウッドロープ タクティカルコード」
太さは2.4mmで、長さは30mと十分に余裕があります。
切り分けて使う場合は、端をライターであぶれば、ほつれにくい仕様です。
ガイロープだけでなく、余った部分の使い道も豊富なのがうれしいポイントです。自在金具は別途そろえる必要があります。
アトウッドロープ タクティカルコード
ポリエステル製のおすすめガイロープ
紫外線や水に強いポリエステル製のおすすめガイロープを2つ紹介します。悪天候時でも劣化しにくいものを探している人におすすめです。
ユニフレーム「REVOタープロープⅡ」
自在金具付きで4本セットになっているガイロープです。スペアロープという位置づけであり、メインのガイロープを補強するのに適しています。太さは5mmで、1本の長さは4mとテントやタープには十分な長さといえます。
ポリエステル製なので耐久性が高く、それぞれ自在金具付きのため、切り分ける必要がありません。テント付属のガイロープと併せて強度を高めたい場合におすすめです。
ユニフレーム REVOタープロープⅡ
エバニュー(EVERNEW)「地味だけど反射する細引 Dia.1.5」
カラーがグレーなので、一見周りと同化してしまいそうですが、反射材が入っていて安全面にも配慮されています。太さは1.5mmと少々細めなので、メインよりはガイロープの補助や洗濯物干しなどに使うのがおすすめです。
長さは10mと十分なので、用途に合わせて切り分けて使えます。自在金具は付属していませんが、しなやかさがあり、さまざまな結び方にも対応した仕様です。周りの色と合わせやすく、デザインの幅が広がるでしょう。
エバニュー 地味だけど反射する細引 Dia.1.5
ポリプロピレン製のおすすめガイロープ
軽さやコスパを重視する人には、ポリプロピレン製がおすすめです。ポリプロピレン製のおすすめガイロープを2つ紹介します。
スノーピーク「ポリプロロープ Pro」
軽量で自在金具もガチッとはまるガイロープです。直径は4mmとちょうどよく、長さは10mあるので、スペアのガイロープとしても活躍します。
カラーは白がベースですが、等間隔でアクセントカラーが施されているため、視認性は高いといえます。太さが3mmのモデルも販売しているので、扱いやすさによって選ぶのがおすすめです。自在金具は別売りなので、必要な場合は併せて購入しましょう。
スノーピーク ポリプロロープ Pro
ロゴス「タフ・リフレクターガイロープ」
通常のテントのガイロープよりも約3倍の強度に耐えうるとされるタフなガイロープです。カラーはブラウンなので地面と同系色ですが、反射材が入っているので視認性は確保されています。
太さは6mm、長さは20mあるもののボビンロールタイプなので、切り分けて使ったあとは予備用として持ち運ぶのも容易です。素材はポリプロピレンと高強度ポリエステルです。自在金具は別売りなので、別途購入しましょう。
ロゴス タフ・リフレクターガイロープ
ガイロープの知っておきたいポイント
ガイロープを使う上で知っておきたいポイントを2つ解説します。パラコードとの違いや結び方を知り、ガイロープを使いこなしましょう。
知っておきたいポイント
パラコードとの違い
パラコードは、パラシュートに使われるロープのことです。ガイロープとの違いとして、パラコードのほうがガイロープよりも細いことが挙げられます。そのため、強度に不安があったり金具が外れやすかったりといった懸念から、パラコードをガイロープとして使用しない人もいます。
もっともパラコードは本来パラシュート用に開発されたアイテムであり、非常に丈夫に作られています。本来の用途ではありませんが、強度が求められるテントやタープの固定にも十分に活用できます。また、テント張り用ロープでパラコードと表記されているものもあります。
ガイロープの使い方
ガイロープの基本となる、もやい結びのやり方を解説します。もやい結びとは、船を岸につなぎとめるときに使われる結び方です。もやい結びのやり方は、以下の通りです。
- わっかを作る
- わっかに末端のロープを通す
- 通したロープの末端をロープの下側に回す
- わっかから伸びるロープを一周させて、今度は逆側からわっかにロープを通す
- しっかりと締めて完成
4の手順でU字型にしてわっかに通せば、ロープを引くだけで簡単にほどける『引きほどけ』にできます。もやい結びはテントの固定だけでなく、ペットをポールにつないだり、川や池からバケツで水をくんだりするときにも使えます。
まとめ
ガイロープはパラコードとよく似ていますが、太さが異なるのが大きな違いです。テントやタープを固定するなら、本来の用途に適したガイロープを使いましょう。
ガイロープを選ぶときは、太さ・長さ・視認性の高さに注目するのがポイントです。素材によって強みや弱みが異なるので、自分が求める性能を発揮する素材を選ぶのも重要です。強度の高いガイロープでテントをしっかりと固定し、安全なテント泊をしましょう。