キャンプで使うならパラコードがおすすめ?
パラコードとは、パラシュートコードを短く表現したもので、その名のとおりパラシュートのコード(パラシュートの吊り下げ用の軽量のナイロンロープ)として開発されました。
パラコードはもともと軍用として開発されたため、軽量でありながら耐久力があることに加えて、高い汎用性があるのが特徴です。
そんなパラコードは、テントやタープの張り綱だけでなく、靴紐として利用したりできます。基本的に5~9本のナイロンを撚った(よった)細い芯材は、縫い糸や釣り糸としても利用できる優れものです。
![芯材は7本のナイロンでできています。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04598-1200x799.jpg)
このパラコードの芯材は、7本のナイロンでできています。
このようにパラコードは、汎用性が高いため荷物の中に忍ばせておくと、キャンプの時には重宝します。
結び方も覚えておくと、活躍の幅が広がります。キャンプで使える代表的な結び方をいくつか覚えておくといいでしょう。
パラコードで活用できる結び方
![550とは550ポンド(約250kg)の耐荷重があることを示しています。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04596-1200x799.jpg)
「550」とは550ポンド(約250kg)の耐荷重があることを示しています。
まず、パラコードを使う前に覚えておくといいことが、「末端処理」をする、ということです。
末端処理とはパラコードを短く切断して使うとき、そのままだと末端の切り口がほつれてきてしまうため、そのようにならないようにする処理のことです。
末端処理は切り口をライターで炙って軽くとかし、丸めればOK。なお、ライターを使用する際はやけどをしないよう注意してくださいね。
![末端処理を行なって切り口が丸くなりました。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04614-1200x799.jpg)
末端処理を行なって、切り口が丸くなりました。
ここからは、パラコードの様々な結び方について説明します。なお、説明を簡潔にするため、パラコードを「ロープ」と表現しています。
一重継ぎ(シートベンド)
![一重継ぎはパラコードなどと他のロープをつなぎ合わせることができます。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04671-1.jpg)
一重継ぎの完成形。
一重継ぎは、ロープの端と端をつなぎ合わせる結び方です。
ロープの長さが不足したときでも、太さが異なるロープをつなげることができて便利ですよ。
![片方のコードを上下逆の「つ」の字型にします。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04616-1200x799.jpg)
これが、「つ」の字型です。
片方のロープを上下逆の「つ」の字型にし、もう片方のロープを下から上へ通します。
![上から下へ、逆「つ」の字に下を通します。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04618-1200x799.jpg)
片方のロープをこのように通します。
その後上から下へ、逆「つ」の字の下を通します。
![下へ上へロープを通して引っ張ります。 逆「つ」 の字の下へ通した方のロープを上へ通して引っ張ります。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04620-1200x799.jpg)
一重継ぎの完成形が見えてきました。
今度は、下から上へロープを通して引っ張ります。
左右に引っ張れば、一重継ぎの完成です。
もやい結び(ボウライン)
![もやい結びの完成形](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04667-1.jpg)
もやい結びの完成形。
もやい結びは、船を「もやう」(舫う=岸につなぎとめる)ときに使われる結び方です。
もやい結びの特徴はすばやく結べて強度が高く、ほどくのが簡単なことです。もやい結びは、カヌーや犬を結び止めておくのに便利ですよ。
![固定したいものにロープを回します。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04623-1200x799.jpg)
木などにロープを結ぶ際は、必ず養生をしましょう。
固定したいものにロープを回し、その後円を作ります。
![ロープの先端を円の下から上へ通します。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04625-1200x799.jpg)
円にこのようにロープを通します。
固定したいものに回したロープの先端を、円の下側から上側へ通します。
![もう片方のロープの下から上へ抜けて、今度は円の下をくぐらせます。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04627-1200x799.jpg)
円の下をくぐらせています。
円を作った方のロープを下から上に抜け、続いて円の上から下へと潜らせます。
![強く引いて出来上がり](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04629-1200x799.jpg)
この状態から強く引けば、完成します。
強く引っ張れば、もやい結びの完成です。
巻き結び(クローブヒッチ)
![巻き結び(クローブヒッチ)](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04673-1.jpg)
巻き結び(クローブヒッチ)の完成形。
巻き結びは、薪を束ねて運んだり、木などに吊るしたりする時に便利な結び方です。
使い勝手がいいので、普段の生活でも使えますよ。
![巻きたいものの上にロープを渡します。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04631-1200x799.jpg)
巻くものは、例えば薪などが想定されます。
まず、巻きたいものの上にロープを渡します。
![巻きたいものの下から上へ通します。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04632-1200x799.jpg)
ロープを巻いている様子です。
巻きたいものを一周させてロープを上に出します。
![ロープを巻きたいものの下を通します。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04633-1200x799.jpg)
慣れるまでは慌てず、ゆっくり行うのがポイントです。
次に、巻きたいものの下にロープを潜らせます。
![ロープを巻きたいものと、先ほど巻いたコードの間を通して完成です。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04673-1.jpg)
完成形。
巻きたいものの下を通し、上にきたロープを先ほど巻いたロープの間に通せば完成です。
二重8の字結び(エイトノット)
![8の字のような大きなコブができることが特徴です。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04677-1.jpg)
二重8の字結び(エイトノット)の完成形。
二重8の字結びはその名の通り、結ぶと8の字のような大きなコブができることが特徴です。
二重8の字結びは、タープのストッパーとしても使えます。
![ロープを折り返し、ロープの下を潜らせます。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04674-1.jpg)
最初に目指すのはこの形です。
まず、ロープを折り返し、ロープの下を潜らせます。
![潜らしたロープを上に出し、折り返し部分の輪に通します。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04676-1.jpg)
あまり難しくはないので、初心者でも簡単にできます。
潜らしたロープを一旦折り返したロープの上に出し、さらに折り返しの輪に部分に通します。
輪の部分を強く弾くとエイトノットの完成です。
プルージック結び
![結び目の移動と固定が簡単にできます。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04658-1200x799.jpg)
プルージック結びの完成形。
プルージック結びは、結び目の移動と固定が簡単におこなえるのが特徴の結び方です。
登山や消防などでも使用されます。ロープをつたって垂直方向に登って行く時に、ロープに足場を作ってくれる結び方です。
キャンプでは横に張ったロープにランタンなどを吊るしたい時など、プルージック結びは有効で、自在金具の代わりにもなります。
![巻きたいものの上にロープを逆Uの字型に渡します。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04646-1200x799.jpg)
巻きたい対象の上にロープを渡している様子です。
まず、巻きたい対象のロープの上にプルージック用のロープを逆U時型に渡します。
![プルージック用のロープを巻きたいロープの内側から通します。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04650-1200x799.jpg)
巻く際は、内側から外側へ。
プルージック用のロープを、内側から外側へ巻いていきます。
![内側から外側へ巻いていくことを3回繰り返します。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04652-1200x799.jpg)
3回繰り返した様子です。
これを3回繰り返します。この時、並びの順番が前後しないように注意しましょう。
![結び目の順番を整えて、ロープの長い方が下にくぐらして完成です。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/04/DSC04658-1200x799.jpg)
完成形です。
結び目を整えて、ロープの長い方を下にくぐらせれば完成です。
二重テグス結び(ダブルフィッシャーマンズノット)
![二重テグス結びはロープ同士をつなぐことができます。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04686-1.jpg)
二重テグス結び(ダブルフィッシャーマンズノット)の完成形。
二重テグス結びはロープの端と端をつなぎ、2本のロープを繋ぎ合わせる結び方です。
「テグス結び」の強度を上げた結び方で、長さが足りないロープをつなぎ合わせる時に便利な結び方です。
![2本のロープを並べます。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04680-1-1.jpg)
このように並べてください。
まずは、2本のロープを並行に互い違いに並行に並べます。
![片方のロープでもう片方の紐を巻き込むようにします。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04681-1.jpg)
巻き込んでいる様子です。
片方のロープで、もう片方の紐を2回巻き込むようにします。
![固め止め結びを作ります。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04683-1.jpg)
こちらが、固め止め結びです。
ロープの端を強く引き、固め止め結びを作ります。
![もう一方のロープについても片方の紐を2回巻き込むようにします。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04684-1.jpg)
工程は多いですが、手順を守れば初心者の方でも必ずできます。
もう一方のロープについても同様に片方の紐を2回巻き込むようにします。
![もう一方のロープも固め止め結びを作ります。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04685-1.jpg)
2つ目の固め止め結びです。
もう一方のロープも、もう片方と同じように固め止め結びを作ります。
![固め止め結びの部分が接するようにします。](https://www.bepal.net/wp-content/uploads/2024/05/DSC04686-1.jpg)
便利な結び方なので、ぜひ覚えておきましょう。
両方のロープを強く引き、固め止め結びの部分が接するようにします。
これで、二重テグス結び(ダブルフィッシャーマンズノット)の完成です。
さつま結び(アイスプライス)
さつま結びとは、「アイスプライス」とも呼ばれる屈強な結び方のひとつです。
アイスプライスとは「アイ(輪)」と「スプライス(結合)」を意味しています。この結び方は35~9本撚りのパラコードでは難しいため、3本撚りのロープで行うといいでしょう。
まず、3本撚りのロープを10cmほど解きます。その後、解いた部分と解いていない部分で輪っかを作ります。
続いて、解いたロープを一本ずつ解いていないロープの隙間に入れていき、それを繰り返します。
10cm分、全て入れ込めば完成です。
結び方をマスターしてキャンプで活躍!
パラコードの結び方は、用途に応じて様々なものがあります。
いくつも結び方を覚えておくと、キャンプのときのちょっとした不便を解決してくれたり、小道具の代わりになってくれたりします。
いろいろな結び方を覚えて、パラコードを活用してみてくださいね。
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