10月10日は、「缶詰の日」です。1877(明治10)年の10月10日に北海道石狩市で、鮭の缶詰が製造されたことに由来し、1987年に制定されました。
それ以来、私たちの生活になくてはならない存在の缶詰は、防災用の備蓄食としても注目されています。缶詰の中でも、さまざまな料理にアレンジできるツナ缶の代名詞「シーチキン」は、缶詰製品として名前が付いた日本第一号だそうです。
そんな「シーチキン」から新製品が登場し、試食会で防災食としてのアレンジレシピを教えてもらいました。
ツナ缶のパイオニア!はごろもフーズの缶詰の歴史
ツナ缶といえば「シーチキン」と思っていた筆者ですが、「シーチキン」ははごろもフーズの登録商標で、はごろもフーズの製品のみ「シーチキン」と表記することができるそうです。
缶詰にこのような独自の名前を付けたのは、はごろもフーズが初めてだそう。また、缶詰は、開けてそのまま食べることが主流でしたが、アレンジ料理ができるという提案型も初。缶切りがいらないイージーオープンも、この「シーチキン」が世の中に広めたのだとか。缶切りが要らないことで、アウトドアでも使いやすく、活用しやすいですよね。
また、缶の上下で径を変えることで、プルトップがあってもスタッキングできる形状も考案。我が家では、3缶セットを購入することが多いので、当たり前と思っていましたが、これもはごろもフーズのおかげだったのです。まとめて持ち運ぶとき、こうした工夫がとても便利に役立ちます。
そんな「シーチキン」に新商品が登場です。ブリを使用した「シーチキンEvery(エブリ)」です。
開発に5年!ブリを使った新しい「シーチキン」が登場
「シーチキン」の缶詰に使用されているお魚は、マグロとカツオです。そこに今回、新たに加わるのがブリ。
漁獲資源の需給バランスの悪化から、世界的な需要に影響を受けにくいブリを新たに「シーチキン」にする研究開発を行ったそう。
ブリは、日本人に人気の魚であり、「シーチキン」としておいしいことが採用の理由になったのだとか。ただ、マグロやカツオとは、骨の付き方や血合いの多さなどから製造工程の調整など検討すべきことが多く、2018年の構想から、なんと5年もかけ開発されたといいます。
ブリのお刺身を見てもわかりますが、血合い部分には苦味などもあるため「シーチキン」として使用することがむずかしく、製造工程で取り除く必要がありました。また、マグロやカツオとは血合い部分の付き方が違うため、その調整などに時間をかけたそう。「シーチキン」として販売するためのクオリティをキープするために年月をかけて開発されました。
確かに、缶詰を開けて、赤い部分があると違和感があるかも…。“シーチキンがシーチキンであるための開発”のこだわりを感じました。このこだわりがあるからこそ、多くの人に愛されているのですね。
フェーズフリーで活用したい防災食レシピ
身の回りにあるものやサービスを、日常はもちろん災害時にも役立てるという考え方が「フェーズフリー」です。
「シーチキン」の賞味期限は、缶詰で3年。ローリングストックにぴったりです。防災用に日頃から多めにストックしておき、キャンプに持ち出すのもいいですね。調味液で味付けされているため、開けてそのままおいしく食べられます。
管理栄養士で防災食アドバイザーの今泉マユ子さんに、「シーチキン」を使ったフェーズフリーのスペシャルレシピを教えてもらいました。
お湯ポチャレシピ(R)シーチキンEveryサラスパ
材料(1人分)
・シーチキンEvery 1缶(70g)
・サラスパ 80g
・水 150mL
・顆粒コンソメ 小さじ2分の1
・シャキッと!コーン 30g
・塩昆布 小さじ1~2(約6g)
材料の他に、高密度ポリエチレン製のポリ袋を用意しておきましょう。
作り方
【1】高密度ポリエチレン製のポリ袋に「サラスパ」、水、顆粒コンソメを入れ、なるべく空気を抜いて根元からねじり上げ、上の方で結び、中身を広げておく。
【2】鍋半分の水を入れてお皿を敷いた鍋に【1】を入れ、蓋をして火をつける。沸騰したら中火にし、「サラスパ」の茹で時間4分間+2分間加熱する。
【3】結び目をほどき、「シーチキンEvery」、「シャキッと!コーン」、「塩昆布」を入れて混ぜ合わせる。
ポリ袋に入れて、湯煎して、混ぜるだけという簡単レシピです。出来上がった料理は、袋のまま器の上に広げると、器を洗う必要もありません。
注意するのは、ポリ袋が高密度ポリエチレン製であるということです。そうでないと、湯煎している間に袋が破れてしまうことがあります。
筆者も、今泉さんの防災レシピのセミナーを受けるまでは、ポリ袋の素材を気にしたことがなかったのですが、それ以来、いざというときのために高密度のポリ袋を常備しています。食べ終わったら、ゴミ袋として活用でき、キャンプの片付けもスマートに行えます。
この日は、湯煎している6分間を使って「シーチキンが主役 マイルドチャンクと生姜の味噌汁」と「即席レシピ(R)シーチキンLイタリアンサラダ」も調理してもらいました。
防災食は普段から食べておこう!
「(防災食は)普段から作っておくことが大切です。災害時に普段と同じものを食べると安心につながります。心の栄養になりますよ」と、今泉さん。
震災経験者の筆者としては、温かいものを食べられただけでほっとしましたが、確かにいつもの味というのはさらに安心できる気がします。
今回は「シーチキン」の缶詰タイプをご紹介しましたが、実はパウチタイプもあり、キャンプ時に荷物を最小限にしたい場合、パウチを選ぶのもおすすめです。
ブリを使った「シーチキンEvery」は、現在缶詰のみです。ちょっと和風な感じもあり、炊き込みご飯に活用してもおいしいのではないかと感じました。今度、試してみようと思います。
種類が増えた「シーチキン」。秋のキャンプメニューにプラスしてみてはいかがですか。キャンプで防災食の練習をしておけば、いざというときに困らないはずです!
※「シーチキン」は、はごろもフーズ株式会社の登録商標です。
はごろもフーズ
https://www.hagoromofoods.co.jp/