日本で唯一のプロハイカーとして、世界各国の数百kmから数千kmにおよぶロングトレイルを次々と踏破している斉藤正史さん。2022年12月から2023年1月には、1カ月以上かけて台湾を巡りました。そんな斉藤さんによる「台湾トレイル体験記」をお届けします。vol.13は、斎藤さんオススメのアウトドアショップ&ブランド in 台湾編です。
台北のイチ押しセレクトショップ!
台湾に来たのなら、やっぱり気になるのがアウトドアショップです。僕はハイカーなので、トレイル用品に関する品揃え抜群のセレクトショップを紹介したいと思います。
台北車站の西側エリア、逸仙公園(國父史蹟紀念館)のある南北の道路に面した所に、アウトドアショップが並んでいます。その並びにある2つのお店をご紹介したいと思います。
台北山水
「台北山水」は、いかにも台湾の山道具屋さん的外観が目印!平日でも結構人の出入りが多いお店です。実は、台湾に来ると個人的に毎回見に行くお店です。翻訳機で店内の写真を撮っていいか聞くと大丈夫そうだったので、撮影させて頂きました。
台北山水の特徴は、コンパクトな店内にびっしりと並べられた道具の数々。特にクライミングギアも多く、山全般的に網羅していますので、日本で買い忘れたギアがあるなんて時は、ここに来れば代用品が見つかる。そんなお店です。台湾でのアウトドアギアの価格は、概ね輸入品に関しては日本とさほど価格差がありません。ただ、日本のブランドの製品は結構高いので注意してください。
登山友
台湾山水の隣にあるのが「登山友」で、こちらは2フロアあります。台湾山水がいかにも山道具屋さんといった雰囲気ですが、こちらはキャンプ用品も置いていて、店舗も広いのでよりカジュアルな感じです。
このお店の1階は概ね登山やハイキングアイテムを取り扱っていて、2階にはいわゆるキャンプ用のアイテムが売り場の半分より少し少ないくらい、残り半分がバックパックや寝袋まわりという、素晴らしい品ぞろえです。見ているだけで楽しくなります。韓国や台湾のブランドのキャンプ道具もありますので、他人と違うものを買いたい方にも最適ですね。ちなみに、僕が愛用しているテラフレーム65もありました。
オススメの台湾ブランド
ATUNAS
第4回アジアトレイル会議でも、ウエアや帽子等を提供していた台湾の老舗ブランド「ATUNAS」。1975年に設立した会社で、もともとはウォータースポーツ製品の素材であるEVA製品の生産に特化ししていました。次第にアウトドアレジャー衣料品からフィットネススポーツ用品、個人用保護具を取り扱うようになり、「ATUNAS」ブランドとして製品の販売を本格的に始めました。現在は、台湾を代表するアウトドアブランドです。
「ATUNAS」という名前の由来は、当初ウォータースポーツ関連のアイテムを展開していたこともあり、まぐろ(TUNA)の全身が生命力に満ちていることから「Oh! Tuna!」と称えたことだそうです。面白いですよね!
今回は、新光三越台北駅前店11階にあるショップを見学させて頂きました。「ATUNAS」は、基本的にほとんどの製品を作っているようですが、バックパックはドイターの取扱店になっているようでした。ディスプレイで使用する全てのバックパックはドイターでした。
WildLand
台南市で講演会などを終えた帰り、新幹線待ちをしている時に、併設する三井アウトレットパークを見学していて見つけたお店です。「WildLand」は、2004年に設立されたブランドで、台湾の山々や様々なアウトドアフィールドに適した、テクノロジーウエアの生産に取り組んでいます。ほぼすべての製品は、台湾でデザインされ、台湾のテクノロジーを取り入れ、台湾人が生産管理をおこなう、まさに、MADE IN TAIWANのブランドになります。
「WildLand」のロゴは、台湾に生息する台湾水鹿をモチーフにしたもの。台湾水鹿は、台湾の山間部に生息し、持久力・適応力・危険回避能力に非常に優れており、固い蹄と長く強い足が特徴で、どんな環境にも順応出来るそうです。どんなフィールドでも対応する——そんな想いが込められているのかもしれませんね。
店内では、アパレル以外は、BLUEPiNEという台湾のブランドの製品を展示していました。台湾製品のプライドを感じます。店員さんからは、次回台湾に来た時に楽しめるトレイルを教えてもらいました。店長さんは日本語が少し話せます。今回、LINE翻訳でお話を聞かせて頂いた本社の広報担当のジェニファーさん(台湾人)からは、台湾を歩いた記念にと、「WildLand」のTシャツをいただきました!
番外編
以前は見かけませんでしたが、今、台湾ではあのフランスのアウトドア店、日本でもおなじみのデカトロンが台湾全土に急速にお店を増やしているそうです。台北市内にも何店舗かありました。観光地では、多くのハイカーがデカトロン製品を使っているのを見かけました。
台湾のブランドの製品はお土産にもなりますし、台湾に行かれたら、ぜひ足を運んでみてください!
次回は台湾トレイル旅の「振り返り」編です。