日台交流で再認識できたトレイルを歩くという魅力【プロハイカー斉藤正史の台湾トレイル旅 vol.14】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.06.22

    日台交流で再認識できたトレイルを歩くという魅力【プロハイカー斉藤正史の台湾トレイル旅 vol.14】

    日本で唯一のプロハイカーとして、世界各国の数百kmから数千kmにおよぶロングトレイルを次々と踏破している斉藤正史さん。2022年12月から2023年1月には、1カ月以上かけて台湾を巡りました。そんな斉藤さんによる「台湾トレイル体験記」をお届けします。最終回となるvol.14は、日台交流を通して再認識したトレイルの魅力についてです。

    帰国前の日台交流

    4つのトレイルを歩き終えたのが1月5日。帰国が1月12日深夜便です。予定していたより4日早く歩き終えたので、ゆっくり休もうと思ったのですが、せっかく台湾にいるので、台北近郊の手軽に歩けるトレイルも歩きたいなと思い、通訳の楊さんに相談して、この後2日間日帰りで歩けるトレイルを歩きに行きました。

    全て歩き終えると、台湾の林務庁(日本でいう環境省)へ伺い、国家トレイルを歩いたレビューをおこなったり、千里歩道協会(台湾のトレイル協会)の事務所で、台湾のトレイルを歩いた情報共有をし、終わるや否や、地元雑誌のインタビューを2件受けるなど、非常に慌ただしい時間を過ごしました。もちろん、頂いたお土産は日本に送ったのですが、手荷物追加と郵送どちらがお得か計算すると、15kg程度であれば船便で送ったほうが安く済みました。しかし、タイミング悪く月5日から台湾→日本への郵送方法変更があり、楊さんと頼さんにお手伝い頂いて1時間かかり何とか発送できました。どうやら、アプリから入力して事前に手続きできるように変わったようです。ご参考下さい。

    林務庁にて。

    林務庁にて。

    雑誌「微笑台湾」の取材風景。

    雑誌「微笑台湾」の取材風景。

    台南市長と面会!

    帰国目前の2日前、台南市からご招待を受け、台南市長との面会をすることになりました。台南市は、トレイルにも力を入れているようです。特に、僕の暮らす山形市と台南市は友好姉妹都市でもあり、お互いにトレイルもあるのでご縁が結んでくれた訪問でした。

    台南市長との面会の後は場所を変え、この旅で3回目の海尾朝皇宮で、トレイル関係者向けに2時間ほど講演会もさせて頂きました。台南市のトレイル担当の方とも山形市と台南市がトレイルで新たな交流が出来たらいいですね!と講演が終わってからもしばらく話していました。こうして、僕の慌ただしい帰国までの時間はあっという間に過ぎたのでした。

    台北に戻り、翌日、10日ほど滞在したホステルをチェックアウト。荷物を預け、最後に台湾の町並みをゆっくり歩いていました。実は、夕方からトレイル協会の忘年会にお誘い頂き参加することにしていました。町はすっかり台湾の旧正月本番はまさにこれからという感じの雰囲気に変化しているのでした。

    忘年会は、もちろん協会関係者以外の参加は僕だけです。今回、トレイル協会の皆さんとは、普段トレイルを歩くのとは違い、何度も連絡を取り合いながら色々とコミュニケーションをとって歩いてきました。いつもと違う感覚です。僕も千里歩道協会の仲間として受け入れて頂けたのかな?と思うと嬉しさもひとしおでした。

    台南市市長と面会。

    台南市市長と面会。

    台南市でのトレイル講演会。

    台南市でのトレイル講演会。

    千里歩道協会の忘年会。

    千里歩道協会の忘年会。

    台湾と日本のトレイルの共通項

    台湾の国家トレイルを歩いてみて感じたのは、日本のトレイルによく似ているということです。特に、国土が狭く込み合った山々はとてもよく日本に似ていると思いました。古道が道路に変わってしまった点なんかも日本の街道が道路になる部分が多いので非常に近い感じがしました。

    トレイルを歩くという事は、立ち止まれるスピードで旅をするので、色々な物や出来事、人に出会える旅ともいえます。話しかけられることも多く、よりディープにその土地の事を知ることが出来ます。たとえば、大きな荷物を背負ってTシャツで歩いていると、「寒くない?」なんてニュアンスで話しかけられることが非常に多くありました。

    山海圳国家緑道を歩いている時は、日本人が知らない多くの日本の偉人の功績を知ることが出来ましたし、樟之細路では、客家文化に触れるだけでなく、日本統治下に作られた橋など歴史的部分も見ることが出来ました。また、淡蘭古道では、古道を通して近代台湾の歴史に触れ、台北グランドトレイルでは、国立公園をはじめとする自然や現在の台湾に出会えた気がしました。

    今回、トレイルを歩く事で、好きで訪れていた台湾を、より深くよく知ることが出来たと思います。

    樟之細路・関西地区のリノベーションした本屋の見学。

    樟之細路・関西地区のリノベーションした本屋の見学。

    淡蘭古道北路復路のクリスマスでのトレイルマジック(歓待)!

    淡蘭古道北路復路のクリスマスでのトレイルマジック(歓待)!

    言葉なんて話せなくってもOK

    海外のトレイルでは英語圏で歩く事が多いのですが、今回は久々に言葉の不自由な場所を歩いた気がしました。アメリカを初めて歩いた時、アメリカ南部の癖のある発音に苦労しました。英語が殆ど話せなかった当時、それでも数か月一緒に歩いたハイカーがいました。彼の英語だけはなぜか分かるので、英語を英語で翻訳してもらっていたのですが、その時の事を少し思い出しました。当時は、スマホも無く、ガチで体当たりして行くしかありませんでした。今回は、理解しようとして人に向かっていたあの時の気持ちを思い出しました。

    今は便利なアプリがあります。使い方次第では全く問題なく会話が成立します。理解しようとして上手く操作すれば、より理解が深まる翻訳アプリ。なんていい時代でしょうか。

    治安が良く、多くの日本人が訪れる台湾は、親日家も多く、非常に行きやすい海外だと思います。しかも、各地には多くの古道やトレイルがあります。台北市内にも1時間程度で歩ける道のりから、10日間程で歩ける国家トレイルまで実に幅広くあります。

    トレイル初心者が海外のトレイルを体験するにはベストな環境だと思います。ハイカーでなくても、旅の一コマに、夜市でより美味しく食べるために、台湾の方々と少しディープに繋がれるトレイル旅を、旅行の一部に加えてみませんか?きっと新たな発見があること請け合いです。素敵な滞在でした。

    また行きます、台湾!

    淡蘭古道北路を通訳の楊さんと共に歩く。

    淡蘭古道北路を通訳の楊さんと共に歩く。

    私が書きました!
    プロハイカー
    斉藤正史
    2012年より日本で唯一のプロハイカーとして活動。トレイルカルチャー普及のため、海外のトレイルを歩き、アウトドア媒体を中心に寄稿する傍ら、地元山形にトレイルのコースを作る活動「山形ロングトレイル(YLT)」を行なう。スルーハイク(単年で一気にルートを歩く方法)にこだわり、スルーハイクしたトレイルだけで22.000km(地球半周以上)を超える。最新情報はブログを。

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