次の部分日食は4月20日!22日の西の空には月・すばる・金星が共演
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    2023.04.19

    次の部分日食は4月20日!22日の西の空には月・すばる・金星が共演

    次の部分日食はいつ?4月20日14時のレアな日食

    420日、14時台に部分日食が起こります。が、「たしかに欠けている」とわかるのは、南西諸島や小笠原諸島でしょう。東京ではまったく欠けず、千葉県の館山で、ほんの少し。

    千葉県館山で見える14時40分51秒の部分日食の様子。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    月と太陽の大きさを比較すると面白い

    「え?どこが?」というほどわずかな欠け具合。

    ただ、ギリギリに欠けているということは、月と太陽、2つの円盤がぴったりくっついているということ。現実に月が見えるわけではありませんが、下の図のように再現すると、月と太陽の大きさが比較できます。

    千葉県館山市で見える日食の状況。月と太陽の大きさがほぼ同じ。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    このように、見かけ上、月と太陽の大きさがほぼ同じです。実際の大きさは、太陽は月の約400倍。一方、地球から月への距離は、地球から太陽への距離の約400分の1。というわけで大きさと距離が相殺されて、見かけ上はほぼ同じ大きさになります。

    それにしても、これほど大きさがそろうのは珍しいのです。

    皆既と金環の両方が起きる珍しい現象

    今回、皆既日食が見られるのは、オーストラリアの北西端やインドネシアなどです。そしてその皆既日食帯の端っこの方では、スレスレの金環日食が見られます。

    一回の日食で、皆既と金環の両方が起きるのは珍しいです。

    皆既日食は、月の影が太陽をすっぽり隠した状態ですから、月が太陽より見かけ上、大きいときに起こります。

    一方、金環日食は、月の影が太陽を隠しきれず、太陽の光がリング状に残る状態なので、月が太陽より少し小さいときに起こります。

    このリングの幅が、今回はとても細いです。見かけ上の太陽と月の大きさが限りなく近いことで、極細のリングが出現するのです。

    薄明が終わるころに細い月とすばる、金星の共演

    日食は新月の日に起こるので、次の日からは細い月が西の空に姿を現します。

    日食の翌々日、22日には月齢2の極細の月とすばるの接近、23日には月齢3の三日月と宵の明星こと金星の接近が楽しめます。

    4月22日19時30分の西の空。すばると月齢2の月がにっこり。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    月とすばるが高く昇っているうちは、まだ薄明が残っているので、さすがにすばるは肉眼では見にくいでしょう。ぜひ双眼鏡でのぞいてみてください。

    4月22日の双眼鏡で見るすばると月齢2の月。月がうっすら丸く見える地球照も楽しめる。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    4月23日19時30分の西の空。金星と三日月の接近。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    金星は夏に向かって、まだ明るくなります。現在マイナス4等級ですが、これからもジワジワと光度を上げ、いちばん明るくなる7月にはマイナス4.5等級まで上がります。高さもほんの少しずつですが、上がっていきます。

    64日には火星との大接近も控えています。まだしばらく、金星からは目が離せないシーズンです。

    構成/佐藤恵菜

    私がガイドしました!
    星空案内人
    廣瀬匠
    星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、星空のことはなんでも教えてくれる高機能天文シミュレーションソフトの最新版「ステラナビゲータ12」が販売中。

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