ニュージーランドでトレッキング満喫!”土ボタル”を探し、干潟に残された謎のヨットと遭遇 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2023.05.08

    ニュージーランドでトレッキング満喫!”土ボタル”を探し、干潟に残された謎のヨットと遭遇

    砂浜で見つけた誰かの秘密基地。(左)かほさん(右)ジョアナ

    砂浜で見つけた誰かの秘密基地。かほさん(左)とジョアナ。

    ニュージーランド・アベルタスマン国立公園をトレッキング

    登山系ユーチューバーのかほさんと行く、ニュージーランドのアベルタスマン国立公園を巡る4泊5日のトレッキングツアー。前回の記事で紹介したキャニオニング体験に続き、今回は楽しい山歩きとキャンプを満喫!

    と思いきや、困り眉を顔に浮かべてパソコンに向かう仲間が1人…。

    森の中のテーブルでリモートワーク中の大垣さん

    森の中のテーブルでリモートワーク中の大垣さん。

    雑誌編集者の大垣さんは、お仕事を抱えながら今回のツアーに参加したそう。

    キャンプ場で少しの隙間時間を見つけると、パソコンを開いてカタカタ作業へ没頭します。

    えらい!えらいよ!!

    そんな頑張り屋さんに、ガイドのトレイシーさんがとっておきのご褒美を用意してくれました。

    左から二番目がトレイシーさん

    左から2番目がトレイシーさん。

    写真を撮ってくれたのは、今回のツアーを手配してくださったニュージーランド航空のクロヴィスさん。

    みんなでプラスチックのグラスを手に、白ワインで乾杯です。

    ニュージーランドはワイン造りが有名で、アベルタスマン国立公園が位置している北島にも多くのワイナリーがあるそう。スッキリ爽やかで、美味しい!

    アンカレッジ・コンフォートキャンピング

    コンフォートキャンピングで用意されたテント

    コンフォートキャンピングで用意されたテント。

    今回のトレッキング2泊目は、現地で”コンフォートキャンピング”と呼ばれているスタイルで。テントがすでに張ってあって、ベッドも用意されています。夜を迎えるのに必要な装備は用意されていながらも、いわゆるグランピングのイメージと違って過度な豪華さがなく、手軽にリアルなテント泊を体験できるのが魅力。

    美味しい晩御飯

    美味しい晩御飯。おかわりしちゃいました。

    キャンプ場の共有キッチンスペースで、管理人が夕食を作ってくれました。ほくほくのジャガイモにはたっぷりバターを載せて。そしてサラダには、なんだか懐かしい味がするドレッシング。

    「このドレッシング、抜群においしいんだよ」

    隣の席の人に促されて容器を見てビックリ仰天。なんと、あのキューピーの胡麻ドレッシングでした。しかもお徳用ボトル。遠く太平洋を越えて根付く胡麻ドレのおいしさ、恐るべし。

    そびえ立つチョコレートケーキタワー

    そびえ立つチョコレートケーキタワー。練乳がけで、これぞ白い巨塔。

    デザートは、食べやすくサイコロ状にカットされたチョコケーキの練乳がけ。

    本当に良いんでしょうか、山でこんな贅沢しちゃって。

    “土ボタル”を探して

    アベルタスマン国立公園アンカレッジの浜辺を歩くかほさん

    アベルタスマン国立公園、アンカレッジの浜辺を歩くかほさん。

    この日、私たちが宿泊したアンカレッジというエリアには、長い砂浜が続いていて、夜になると”土ボタル”が出るらしいのです。

    土ボタルとは、ニュージーランドやオーストラリアで見られる珍しい虫で、ジメジメした暗い場所、主に洞窟の天井などに棲息しているそう。

    私たちも日が暮れるのを待って、蛍狩りならぬ土ボタル狩りに繰り出します。

    土ボタルを探すかほさん

    土ボタルを探しながら、なんちゃってロッククライミングを楽しむかほさん。

    土ボタルは、現地ではグローワームと呼ばれているそう。直訳すると、光るミミズ。

    だけど、どうやら土ボタルは、ホタルとは似ても似つかない見た目をしているのだとか。

    しかもその一生は、ときに過激で、はかない運命を背負っています。

    虫は、「卵」「幼虫」「さなぎ」というライフサイクルを経て成虫になります。土ボタルが幼虫として過ごす期間は約1年。その後およそ2週間さなぎになって、成虫として生きるのはたったの3日間。

    土ボタルがホタルのように光るのは幼虫の時だけ。成虫は蚊のように小さくフラフラ飛んで、人間からはほとんど認識もされないまま、卵を産んですぐに死んでしまいます。

    セミは7年間土の中で過ごして1週間しか地上で鳴けないと、よくいわれるけれど、本当の寿命は1か月近くとする研究結果もあるそう。それと比べると、土ボタルの一生のなんとはかなく静かなことか。

    でもね、光っている土ボタルを近くで観察すると、なかなかグロテスクなんです。

    光源はお尻の近く。

    だけど、洞窟の天井に張り付いて、粘膜の糸をたくさん垂らし、その粘膜の一部がしずく状になっているところが反射して光って見えたりもします。

    そもそも光っているのは餌をおびき寄せるための作戦で、粘膜の糸で捕まえたら、その糸を手繰って捕食するのです。つまり、空中で釣りをしている状態。

    幼虫同士があまり近くにいると、粘膜が絡まって共食いに発展するので、みんな適度な感覚を空けて光っています。その様子は、まるで洞窟の天井一面がプラネタリムになったみたい。

    とっても美しい。けれど、近くでよく観察してみると、細長い幼虫と粘膜の組み合わせがちょっぴりグロテスクでもあって。残念ながら、写真を撮ろうとライトをかざすと途端に見えなくなってしまいました。気になる方はぜひ現地に行って探してみてください。

    ニュージーランドの生きる化石「ウェタ」という虫

    ニュージーランドの生きる化石=「ウェタ」という虫。

    ちなみに、グローワームに交じって張り付いていたのはこの虫(写真上)。ウェタと呼ばれる生き物で、クモみたいに長い脚が特徴的なコオロギの仲間です。原始コオロギともいわれていて、恐竜がいた時代から今に至るまでほとんど姿を変えずにいることから、ニュージーランドが誇る生きた化石とも評されています。

    海に沈むトレイル

    アベルタスマン国立公園のトレイルのおもしろいところは、海に沈むトレイルを歩けること。大きな入り江を突っ切って歩くトレイルがあって、干潮時以外は海に沈んでしまうのです。

    しかし干潮時刻に合わせて歩き始めたはずのトレイルで、思いがけないものを発見してしまいました。

    干潟に置き去りにされたヨット

    干潟に置き去りにされたヨット。

    なんとヨットが座礁しているではありませんか。

    「こんにちはー!」

    無人だろうと思いながらも一応声をかけてみると、中から人が出てきました。

    ヨットから出てきたおばあさん

    中からおばあさんが出てきて、船内を紹介してくれました。

    こちらのおばあさんは、ご夫婦でヨットで寝泊まりしながら旅をして過ごしているそう。

    「ところで、船にかかげるニュージーランド国旗が赤いのはどうしてですか?」

    尋ねてみると、答えはシンプル。普通のニュージーランド国旗と同じ紺色だと、海と同化して見えにくいので、船には赤いニュージーランド国旗を掲げるのが習わしだそう。

    潮の満ち引きによって干潟が現われたり沈んだりするこの場所は、一応、国立公園の敷地ではなく海の上という扱いなので、こうして自由に停泊して寝泊まりすることができるのだとか。

    そんな彼女が、ここで過ごす時間で一番楽しみなことを、こっそり教えてくれました。

    靴を脱いだり履いたりを繰り返すグループ

    靴を脱いだり履いたりを繰り返すグループを発見。

    「干潟の大きな水たまりや、山から流れて海に合流した川の浅いところを歩くために、ここのハイカーさんはみんな一旦靴を脱いで、それからまた靴を履きなおすのよね。流れ着いた川の道筋は、1本じゃないって、みんな知らないのよ。だからせっかく履いたのに、またすぐ脱いでを繰り返すの。かわいそうだけど、このヨットの窓から眺めている分には、ちょっぴりマヌケでおもしろいわ」

    普段のトレッキングとはちょっぴり勝手が違う、アベルタスマンのトレッキングコース。

    次回はそんなトレイルで、あることに初挑戦してみます。

    私が書きました!
    剥製師
    佐藤ジョアナ玲子
    フォールディングカヤックで世界を旅する剥製師。著書『ホームレス女子大生川を下る』(報知新聞社刊)で、第七回斎藤茂太賞を受賞。中日新聞の教育コラム「EYES」に連載。現在はニュージーランドでワーキングホリデーをしながら、牧場に暮らし、山やバイクで遊んでいる。

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