関西で初心者におすすめの登山スポット
関西には、登山初心者にもおすすめの山があります。中腹までは車で行けたり登山以外にも楽しめるものがあったりと、子どもと一緒に山でのレジャーを楽しみたい人にも向く場所が少なくありません。関西の登山スポットから、おすすめの場所を4カ所紹介します。
初心者におすすめの登山スポット
滋賀県|伊吹山
伊吹山は標高1,377mと滋賀県では最高峰の山です。古事記や日本書紀にも名前が登場しており、長い歴史を持っています。標高は高いものの、山頂付近の9合目まで車で行ける『伊吹山ドライブウェイ』が通っているので、初心者でも登りやすいでしょう。
スカイテラスには売店や展望台があり、休憩にも困りません。山頂にはヤマトタケルノミコト像が設置されています。登山道は比較的登りやすいといわれていますが、途中には大きな岩や石がゴロゴロしているところもあるので、準備はしっかりとしていきましょう。
日本百名山にも選出されており、絶景を望めることでも人気です。
兵庫県|六甲山
六甲山は大阪から車で1時間ほどあれば到着する、アクセスが良好な山です。植物園やアスレチック・天覧台などがあり、大人から子どもまで楽しめます。冬になるとスノーパークがオープンし、スキーやスノーボード客にも人気のスポットです。
初心者向けコースからロッククライミングができる中・上級社向けコースまで用意されています。本格的に登山を楽しみたい人も、満足できるでしょう。
有馬温泉駅から六甲山頂駅までロープウェイが運航しているので、体力が不安な人は下山時に利用するのがおすすめです。エリア内の各施設に駐車場が用意されているので、その日の予定に合わせてスタート地点を決められる魅力もあります。
滋賀県・京都府|比叡山
延暦寺で有名なのが比叡山です。お寺だけでなく、ガーデンミュージアムやドライブウェイ・ロープウェイもあり、初心者でも楽しめます。
修験道に興味があるなら、『千日回峰行』のルートをたどって修行僧に思いをはせてみるのもよいでしょう。千日回峰行とは名前の通り、1,000日もの間、休むことなく険しい山道を歩き続ける修行のことです。
比叡山にはエリア内20カ所のWi-Fiスポットが設置されています。情報収集やSNSに載せたいときにも不便を感じないでしょう。琵琶湖や京都エリアも含めて観光スポットが目白押しなので、1日中いても飽きません。
大阪府・奈良県|金剛山
金剛山は大阪と奈良の県境に位置する、標高1,125mの山です。登山ルートは約10種あります。
※ロープウェーは現在休止中。
常連に人気の千早本道を通るルートは、道も広くトイレも用意されているので、比較的登りやすいでしょう。四季のうちいつ訪れても楽しめますが、特に冬は雪山登山の入門におすすめです。アイゼンや雪用の靴を用意すれば、初心者でも十分に登れます。
2月ごろには樹氷祭が開催される年もあるので、ぜひ訪れてみましょう。
関西で中~上級者におすすめの登山スポット
登山に慣れている人は、少々登るのが大変な山でも楽しめるでしょう。関西で中〜上級者向も満足できる山はどこなのでしょうか?おすすめのスポットを3カ所ピックアップしました。
中~上級者におすすめの登山スポット
奈良県|八経ヶ岳
八経ヶ岳は弥山とともに、大峰山として日本百名山に登録されている山です。標高は1,915mで近畿最高峰を誇ります。天気のよい日の早朝には富士山が見え、夜になると大阪湾や神戸の夜景も楽しめます。
アクセスはあまりよくなく、初めて行くなら行者環トンネル西口から登山口を目指すルートが最短です。国道309号沿いの熊谷からスタートする弥山川遡行コースは、岩肌をよじ登るところや沢沿いを歩く場所があるため、上級者向けといえるでしょう。
弥山小屋の隣には公衆トイレが用意されていますが、チップ制なので小銭が必要です。登山後は麓から少し車を走らせたところにある、温泉センターで疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
三重県・滋賀県|釈迦ケ岳
お釈迦様が寝ている姿から名付けられたともされる山が、三重県と滋賀県の境にある釈迦ケ岳です。鈴鹿セブンマウンテンの1つに数えられています。
定番コースは中尾根ルートで、難易度はそこまで高くありません。見どころは大ガレ場や庵座の滝・羽鳥峰・シロヤシオなどで、特に細い尾根を渡る大ガレ場はスリル満点です。登山道にある瓦礫を目当てに訪れる人も多いようです。
ほかには羽鳥峰を経由する、羽鳥峰~猫岳ルートが有名どころとして挙げられます。釈迦ケ岳を通っている大峯奥駈道は『熊野古道』として世界遺産に登録されています。
参考:
初心者からベテランまで楽しめる山遊び「鈴鹿セブンマウンテン」|取材レポート|観光三重
大峯奥駈道 | 天川村公式サイト(奈良県) 観光ページ
滋賀県|綿向山
綿向山は、初心者向けのコースから中級者向けコースや縦走コースまで用意されている、登りがいのある山です。標高1,110mのこの山には、希少価値の高い植物や天然記念物のカモシカが生息しており、豊かな自然を感じられます。
縦走コースは急斜面が続くため、ベテランにおすすめです。四季によってさまざまな表情を見せ、いつ訪れても楽しめるでしょう。雪山登山に向いており、山頂からの眺めがよいことでも評判です。
冬季に車で訪れる際は、道路が凍っている可能性があるため、スタッドレスタイヤとチェーンを付けましょう。冬季のノーマルタイヤでの入山は禁止されています。駐車場が満車の場合は、日野町役場からバスかタクシーで行きましょう。
※間伐・作業道開設工事のため、令和6年4月から令和8年末まで「綿向山表参道コース」と「水無山北尾根コース」は閉鎖
参考:令和6年4月から綿向山方面登山道閉鎖のお知らせ|日野町役場
関西で絶景が望める登山スポット
登山をするなら、景色も楽しみたいと思う人は多いでしょう。絶景が望めることで有名な登山スポットを、関西の山々から3つ紹介します。
絶景が望める登山スポット
奈良県・三重県|大台ヶ原山
大台ヶ原山は、吉野熊野国立公園に含まれており、湿潤な気候で原生林が形成されている山です。日出ヶ岳や展望台がある東大台と、原生林が広がる西大台に分けられます。
AからDの4コースが用意されており、Aが初心者・Bが中級者・CとDが上級者向けのコースです。西大台の登山には事前の手続きが必要なため、東大台のみを通るC以外のルートがおすすめです。
A・Bコースで注目したいのは、人気の絶景『大蛇嵓(だいじゃぐら)』です。800mの断崖絶壁から周囲の山脈を見渡せる大蛇嵓は、先頭に立つと足がすくむほどのスリルが味わえるといわれています。
東大台はトイレはないため、駐車場で用を足しておきましょう。
奈良県|曽爾高原
曽爾高原(そにこうげん)は、倶留尊山(くろそやま)と亀山を結ぶところにある高さ849mの高原です。山と山の間の高原なので、登山経験のない初心者でも気軽に足を運べます。
一面がススキに囲まれており、春から夏にかけては青いじゅうたんが敷かれたような絶景を楽しめるのが魅力です。10〜11月にはススキが金銀に輝き、牧歌的な雰囲気で多くのハイカーから人気を集めています。
150台の駐車場が併設されており、ススキの時期には曽爾高原行きのバスも運行されています。
京都府|愛宕山
愛宕山は京都嵐山の景観を形成する標高924mの山で、古くから信仰の対象としてあがめられてきました。山頂には愛宕神社があり、古くから『あたごさん』と呼ばれ愛されています。
元々は修験道のための山だったため坂道や階段が多く、難易度は少々高めといえます。初心者は万が一の事故を防ぐためにも、安全マップで事故が起こりやすい危険な場所や休憩ポイントをチェックしておきましょう。
表参道〜愛宕神社〜月輪寺と回るコースが一般的で、約2~3時間で山頂まで登れます。コース内にある、京都市内を一望できる絶景スポットもおすすめです。
関西で電車・日帰りで行ける登山スポット
大阪から電車・日帰りで行ける登山スポットもチェックしておきましょう。たまの休日に気軽に登山を楽しみたい人や、家族連れで子どもを疲れさせたくない人におすすめです。
電車・日帰りで行ける登山スポット
大阪府・奈良県|大和葛城山
大和葛城山(葛城高原)は、近鉄御所駅からバスで15分のところに登山口があり、大阪駅からは約1時間半で到着できます。駐車場も用意されているので、車で訪れるときも便利です。
標高は959mで山頂付近は高原になっており、1,000m付近の高所から360度のパノラマが楽しめます。推定100万本のツツジが群生していて、一面が紅く燃えるような絶景が5月上旬の見どころです。
ほかの季節も秋にはススキ、冬は樹氷と1年を通してさまざまな表情を楽しめます。ロープウェイを使えば一気に山頂まで行けるので、初心者も疲れずに楽しめるでしょう。
大阪府・奈良県|生駒山
生駒山は大阪と奈良の県境に位置しており、最寄りが枚岡駅・額田駅・石切駅と3駅あってアクセス良好な山です。生駒山は、かつて難波と山を結ぶ要所であり、人々の目印になっていました。
標高は642mとさほど高くなく、初心者でも登りやすいでしょう。とはいえ少々の難所もあるため、登山の練習にもってこいです。山頂には遊園地があり、大人から子どもまで楽しめます。
市街地に近いため、自然だけでなく夜景も楽しめることがポイントです。特に明石海峡大橋や関西国際空港を一望できるのは、生駒山ならではの魅力でしょう。
奈良側の生駒駅方面にケーブルカーが運行しているため、疲れたらケーブルカーで下山するのも1つの手です。
大阪府・京都府|ポンポン山
山頂を踏むとポンポン音が鳴ることが『ポンポン山』という名前の由来です。正式には『加茂勢山(かもせさん)』といいます。標高は678.9mと登りやすいので、山頂に着いたら自分の足で音が鳴るのか試してみましょう。
JR高槻市駅からバスで行ける、良好なアクセスが魅力です。コースは一般道とハイキングコースに分かれているので、体力と相談しながら決めましょう。
ポンポン山には、1,300年の歴史を持つ神峯山寺や本山寺、善峯寺など神社仏閣系の見どころが多くあります。田園風景や滝などの自然の景観も美しいと評判です。紅葉スポットとしても人気なので、この秋に訪れてみてはいかがでしょうか。
大阪府|岩湧山
南海高野線の河内長野駅からバスに乗り、神納で下車した後は徒歩約90分と、岩湧山に到着するまでのアクセスはよくありません。ただ、車なら滝畑ダムの駐車場に停められるので、日帰りでも不便がないでしょう。
コースが複数あり、体力やスキルによって最適なコースを選びやすいのがこの山の特徴です。
山の標高は897.7mで、傾斜がゆるい『いわわきの道』では杉林や紅葉の雑木林を楽しみながら歩けます。秋になるとススキが美しい景色を見せてくれるので、大阪平野や六甲山の大パノラマを眺めてみましょう。
周辺には温泉施設もあるので、時間に余裕があれば下山後に汗を流すのもおすすめです。
登山に必要な準備
登山をするなら、登山に適した服装や持ち物をそろえる必要があります。これまでにあまり経験がない人は、まず登山での望ましい服装や、持っていくと便利な持ち物を見てみましょう。
服装・持ち物をチェック!
登山に適した服装
登山に適した服装は、動きやすい格好が基本です。基本的には、以下のアイテムをそろえるとよいでしょう。
- 肌着
- 中間着
- アウター
- 防寒・レインウェア
登山中は汗をかくので、特に夏の肌着にはコットンより速乾性に優れた化学繊維のものが向いています。体温調節ができるよう重ね着用のウェアも準備しておきましょう。アウターを1、2枚持っていくと急な温度変化があっても安心です。
靴は足首周りがしっかりしていて、サイズが合うものを選びましょう。山は天気が変わりやすいため、レインウェアも持っていくのがおすすめです。
登山に持っていくもの
登山に必要な持ち物は人によって変わりますが、次のアイテムは必須と考えましょう。
- 飲み物
- 非常食
- タオル
- ゴミ袋
- 常備薬
- モバイルバッテリー
飲み物は体重1kgにつき、大人は50mL・子どもは80mLを目安に持っていきましょう。子どもは汗をかきやすいので、家族での登山なら多めに持っていくのがポイントです。
非常食にはチョコやスティック状のお菓子など、気軽に食べられるものを選びましょう。タオルは汗拭きだけでなく、日焼けを防止したり、ぬらして体温調節に使ったりと幅広く役立ちます。
山にポイ捨てはNGなので、ゴミ袋も欠かせません。急な体調不良に備えるための常備薬や、充電が切れたときのためにモバイルバッテリーを持っておくとさらに安心です。
まとめ
関西には600~1,000m級の山が多くあり、初心者から上級者まで楽しめるスポットが目白押しです。ドライブウェイが設けられているところもあるので、気軽に自然を楽しみたいときにはうってつけでしょう。
ただ、初心者向けのコースや山であっても、油断をするとけがや事故を起こしてしまう可能性があります。服装や持ち物はしっかりと準備をし、安全な登山を心がけることが大切です。下調べと準備をしっかり済ませて、登山で楽しい思い出を作りましょう。