山好きオンナふたり旅!讃岐へうどんバックパッキングキャンプin香川
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    2023.08.13

    山好きオンナふたり旅!讃岐へうどんバックパッキングキャンプin香川

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    「うどん県」と名高い讃岐へ

    「ビーパルの特集に合うお勧めキャンプ、何かあるかな?」

    そんなザックリすぎる問い合わせが編集部から来たのが2か月前のこと。ちょうど4歳の息子にうどんを食べさせていたときで、「ん~香川でキャンプしながらうどんを食べ歩く企画どうでしょうかね」と、思いつくままに返信した。

    なんたってビーパルは自然学者から冒険家までアウトドアの猛者が活躍する雑誌。まぁさすがに難しいだろうな……と思っていたら、まさかの採用とな! 

    かくして、私自身も人生初となるうどん食べ歩きキャンプが実行されることになり、山用テントを詰めたバックパックを背に「うどん県」と名高い香川県の讃岐へ飛ぶことになったのである。わお!

    まずは製麺工場の「野営うどん」を目指す

    「タキさん、あっちもこっちもうどん店がたくさん!」

    高松空港から市内に移動するリムジンバスの車内で、うどんキャンプの連れ合いとして声がけした鈴木千花が騒いでいる。今やインスタのフォロワー数が1万人を超えた山好きインフルエンサーだが、旅慣れていてノリのいい彼女はこういう行き当たりばったりのライブ感あふれる場にぴったりだ。そんなこんなでバスや電車を乗り継ぎ、製麺工場「大庄屋」に到着した。

    大庄屋は、昼間の10分間だけ不定期で飲食営業する“プレミアすぎる製麺所”として、今や全国的に有名な企業。だが、私たちのお目当ては昨年発売になったという「野営うどん」。今回のうどんキャンプで紹介せずしてどこで見せる! というほどとってもニュースな製品だ。

    「うちの専務がユニークなことが大好きで、これもそのひとつ。讃岐うどんを自分でカットして外で食べるなんて、美味しくないわけないでしょう!」

    と工場長の山下剛史さんが笑う。聞けば山下さんは「うどん系ユーチューバー」でもあるそうで、仲間と独自チャンネルも運営してるんだとか。山下さんから野営うどんを買い込み、本日の宿泊地へと移動した。

    そもそも讃岐うどんとは?

    ちなみに基礎知識だが、讃岐うどんとは「香川県内で製造され、加水量40%以上・加塩量3%以上・熟成2時間以上・15分以内で茹で上がるもの」を満たしたもの。うどんがなぜ香川の県民食となったのか…は明日のうどん巡りで明らかになるはず!

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    フォトグラファー・翻訳家・鈴木千花さん(右):登山やアルパインクライミングで1年の大半を山で過ごし、山岳フォトグラファーとしても活躍中。20代の世界放浪旅の経験から通訳・翻訳にも携わる。 フリーランスエディター・福瀧智子(左):夏は登山、冬はバックカントリースノーボードと山に目がないフリー編集者。この春は外部編集長として女性のための登山雑誌の制作に関わる。1児の母。

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    DAY 1 12:00 「10分うどん」で話題のユニークな製麺所へ突撃!

    製麺工場 大庄屋

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    製麺を中心に社員のユニークな発想でイベントや観光業まで手がける。営業時間10分の「10分うどん」は大行列必至の人気ぶり。

    キャンプ専用うどん出しちゃいました

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    「うどんを野外でも楽しんでほしい」とキャンプ好きスタッフたちの発案で、21年夏ごろ発売。アレンジできるレシピブック付き。

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    うどん生地を50時間熟成させ風味やツヤ、コシを追求した麺を製造。様々な賞を受けた各種麺はWebでも購入可。

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    香川県民のうどん愛、体感しにきて!

    15:00 うどんに必要なのは麺のコシ。山に必要なのは強い脚コシ

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    調理器具はゆでる鍋とストーブだけ。ミニマムな道具で楽しめるうどんキャンプ。バックパッキングに良いかもしれない……。

    食べたいだけカットしゆでる本格讃岐うどん

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    大庄屋のうどんは香川県産小麦「さぬきの夢」などこだわりの小麦粉を配合。カットされる前のシート状の讃岐うどん2枚に麺つゆが付き、好きな量や太さで自由にカットできる。パッケージはイラストレーターのこいしゆうかさんが手がけた。

    クッキー型で麺を抜いても楽しいよ!

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    ソロストーブでゆでること13分。卵かけごはんのうどん版「釜玉うどん」にしてみた。簡単で美味!

    国営讃岐まんのう公園 オートキャンプ場ホッ!とステイまんのう

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    四国唯一の国営公園内にあるオートキャンプ場。約16haの広大な敷地に様々なサイトやキャビンがあり、公園内の散策も気持ちいい。近隣にうどんの名店がいくつも点在し、日帰り温泉も。自転車やレンタカーで巡る拠点に超オススメ。フリーサイト1,550円〜。

    DAY 2 9:30 「うどんタクシー」で名店を巡る!

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    「おはようございます! お迎えにあがりました」

    小雨が降る2日目朝。テントの真横に黄色いタクシーが止まった。そう、これが香川のご当地タクシー「うどんタクシー」である。香川県内には約700のうどん店が存在。土地勘も時間もない県外者が店の選定で途方に暮れるとき、讃岐うどん店を熟知するドライバーが一緒に名店を巡ってくれるのがこの画期的な、うどんタクシーなのだ。

    「どんなうどんがお好みですか?」と、今回の担当ドライバー多田純さんが満面の笑顔。
    「ど、どんなうどん…といいますと」と、人生初の質問に戸惑う讃岐うどんビギナーズ。
    「では、朝なので美味しいかけうどんで体を温めてみましょう」

    そういって案内いただいた1軒目がヨコクラうどん。道中では讃岐うどんの基本や、注文のシステム、メニューについてのレクチャーもぬかりがない。

    「え! これセルフでチャッチャとやるんですか。すごい!」

    うどんを注文後渡された麺を湯煎で温め、湯切りするシステムに鈴木さんが大張り切り。できたうどんは黄金色のイリコだしとツルツル麺が朝の胃に染みる美味しさ。しかも240円!

    2軒目は昼間の1時間しか食べられない「日の出製麺所」でスピーディに釜玉うどんをいただく。溶き卵と醤油がモッチリ麺に絡み付き、たまらない!

    3軒目は「本格手打ちうどんもり」。加水率を高め機械では作れない手打ち麺を扱う人気店で、サクッと揚げられた天ぷらも絶品だ。そして映画のロケ地にもなりそうな渋い雰囲気で山間部に佇む「山内うどん」を4軒目にツアーを終了。冷水でギュッと締めた麺は滋味深いだしと一緒に泳ぐように喉の奥へと消えた。満足としかいえない!

    「香川県はうどん作りに欠かせない小麦や塩、醤油、イリコが県内で賄えることなどから、うどん文化が発展したといわれています。私たちも2日に1度は食べるほど大好きで、新しいお店を日々開拓しています。実際にキャンプ場へお客様をお迎えに行くこともありますよ!」

    うどんの話が止まらない多田さんもじつは大の登山好きだそう。うどんも登山の脚も“コシ”が重要ですね……とは、おあとがよろしいようで~!

    これがうどんタクシーだ!

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    ドライバー・多田 純さん。「讃岐うどんのことなら おまかせください!」

    讃岐うどんに関する筆記試験、ガイドの実地試験、うどんの手打ち試験(!)を合格した人のみがドライバーとして添乗できる「うどんタクシー」。県内の名店・珍店・穴場店を60~120分で案内してくれる。60分コース4,800円〜。

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    シートが麺とネギの模様だ!

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    ドライバーごとにうどんの好みも違い、店舗案内も多岐に。YouTube「うどんタクシーチャンネル」も運営中!

    讃岐うどん基礎知識

    3タイプのお店がある

    香川県のうどん店は大きく分けて3つのタイプが存在。

    一般店

    席まで注文を聞きに来てくれる「一般店」は他県から訪ねる人にも難度が低い。

    セルフ店

    「セルフ店」は自らトレーにトッピングを取り、うどんはお店に頼むタイプ。

    製麺所系

    「製麺所系」は麺を作り卸販売している製麺所が店でも食べられる時間帯を設けたタイプ。マイ丼持参、屋外で立ち食い、看板すら出ていない……という、県外者にとっては驚きの店舗もあるそう!

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    工場の軒先でうどんを食べる製麺所系。軽くカルチャーショック!

    メニューの種類

    かけ

    「かけ」は最もベーシックなメニュー。だしはイリコ系とカツオ節系に大別される。

    ぶっかけ

    「ぶっかけ」はつけだしを直接麺にかけたもので、温と冷から選べる。

    釜玉

    ゆでた麺に生卵と薬味、醤油をかけるのが「釜玉」。

    以上が今回実際に食べたメニュー。

    醤油

    その他、冷水で締めた麺に醤油をかけて食べる「醤油」。

    ざる

    ゆで上がった麺をお湯ごと器に盛る釜揚げと冷水で締めてざるに盛る「ざる」はつけだしで食べる。

    しっぽく

    冬のみ登場する「しっぽく」もある。

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    盛り付けも美しい「温玉ちく天ぶっかけ(冷)」は3軒目にて。

    10:00 1軒目・セルフ「ヨコクラうどん」

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    幕末に創業された県内最古のうどん店。「自分で麺を湯がいてだしをかけるかけうどんがお薦め」と多田さん。

    イリコだしは旨味が強く、まろやかなコクと甘味があり、イリコを再利用した天ぷらもファンの多い1品。

    歴史を感じる重厚な木造家屋でいただく一杯はしみじみと美味しい。

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    住所:香川県高松市鬼無町鬼無136-1
    電話:087(881)4471
    営業時間:8:00~14:30ごろ(麺がなくなり次第終了)
    定休日:不定休

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    かけうどん小240円、いりこ天120円、高野豆腐の天ぷら150円

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    店主・横倉英城さん。超老舗でありつつ5代目店主としてSNSも駆使し、讃岐うどんファンの間で話題沸騰中!

    11:30 2軒目・製麺所「日の出製麺所」

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    昭和5年から製麺ひと筋で営まれる製麺所。現在は11時半から12時半の1時間のみ店内で食べられるとあり、日々行列ができる。

    注文後はゆでた麺のみが提供され、テーブル上のかけだしや醤油、薬味で自由に食すシステム。

    県産小麦「さぬきの夢」のみを使う限定麺は毎日100食提供。

    住所:香川県坂出市富士見町1-8-5
    電話:0877(46)3882
    営業時間:食事11:30~12:30、
    販売9:00~16:00
    定休日:不定休

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    釜玉うどん190円。

    女将 三好和子さん

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    訪ねた日は代表の三好修さんが不在で、店頭に立つ奥様が快く迎えてくださった。「醤油だけで美味しい 自慢の麺をどうぞ!」

    12:45 3軒目・一般店「本格手打ちうどんもり」

    比較的新しい店舗だが開店以来客足が途絶えない人気店。同業者に「あの店の麺は自分では絶対にうまく扱えない」といわしめる大将森さん秘蔵のプルプルの手打ち麺に、まろやかなだしが美味しく絡む。

    和食出身の森さんが揚げるサクサクの絶品の「あなご一本揚げ」がのった「ぶっかけ」が看板メニュー。

    住所:香川県三豊市高瀬町下麻678-2
    電話:0875(74)6755
    営業時間:平日10:00~14:00、土日祝8:00~14:00(いずれも麺がなくなり次第終了)
    定休日:火曜日(祝日は営業。翌日休)

    森さんしか扱えない希少麺のモチモチ感!

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    あなご一本揚げ ぶっかけ(冷)900円。

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    大将・森 圭介さん。「その日の麺を完全手打ちで作っています」と手打ち、作り置きなしにこだわる。香川のうどん店が集うYouTube CH「おうどん倶楽部」発起人。

    13:45 4軒目・セルフ「山内うどん」

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    山間部にポツンと佇む立地ながら休日には1日300人が訪れるという人気店。店主山内さんの打つ麺を薪と大釜の力強い火力でゆで、冷たい水でギュッと締める。そこに熱々の特製イリコだしを注ぐ「ひやあつ」は独特の弾力がある麺と、味わい深いつゆが絡み本当に美味しい。今回利用したキャンプ場からも近い。

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    住所:香川県仲多度郡まんのう町十郷字大口1010
    電話:0877(77)2916
    営業時間:9:00~麺がなくなり次第終了
    定休日:木曜日

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    ひやあつ小200円、ゲソ天180円。ひやあつと一緒に ゲソ天もぜひ!

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    店主・山内鉄也さん。1984年創業。2代目として20年うどんを作り続ける。骨の折れる薪割りも山内さんの仕事だ。

    14:30 お腹いっぱい!歩こう!

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    腹ごなしにこんぴらさん(金刀比羅宮)を参拝。

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    本宮までは階段785段、奥社までは1368段。登山好きには楽しい道のりだ。

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    うどんバックパッキングのPOINT

    1. 野営うどんは麺切りから
    2. うどんタクシーでハシゴ麺!
    3. パック背に参拝で腹ごなし

    ※構成/福瀧智子 撮影/加戸昭太郎

    ※協力/大庄屋 0877(75)5980 https://www.osyoya.com 
    ホッ!とステイまんのう 0877(79)1717 http://sanukimannopark.jp
    うどんタクシー 050-3537-5678(コトバス予約センター) https://www.udon-taxi.com

    ※営業時間や価格などは取材当時。詳細は各お店などでご確認ください。

    (BE-PAL 2022年6月号より)

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