星食、金星食、惑星接近…5月後半も夜明け前の天体観測が楽しいぞ! | 自然観察 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2022.05.14 廣瀬匠

    5月後半の星空の見どころポイントは2つあります。ひとつは月。さそり座の頭にある星を隠す「星食」と、金星を隠す「金星食」があります。もうひとつは、夜明けの空の惑星たちの共演です。

     はじめに星食からご案内しましょう。星食とは星が月に隠される現象です。5月17日の夜中の1時ごろ、さそり座の額にあるジュバという2等星が、月齢16の、ほぼ満月に近い月に隠されます。

    深夜、さそり座の額が月に隠される

    5月17日1時20分ごろの南の空。さそり座の額にあるジュバで星食が起きる。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    星食の始まりは、17日の深夜116分です。観察は16日の夜から用意しましょう。17日の晩に用意しても終わっています!

    見え方としては、星が月の南東(左下)のへりに隠れていくように見えます。223分、今度は月の西(右)側のへりから星が現れます。約1時間にわたってジュバは月に隠された状態になります。星が月に隠される瞬間と、月から出てくる瞬間が、星食観察の最大の見どころです。

    ジュバは、さそり座の赤く光る1等星アンタレスの少し右側(西側)にあります。町中でも、肉眼で見つけやすい星です。ただ、この日の星食は、月が満月に近く、とても明るいので、ジュバの光がかき消されてしまうでしょう。双眼鏡で月のフチを狙って観察することをおすすめします。双眼鏡は三脚に据え付けられればベストです。

    ところで、さそり座は夏の星座に数えられますが、この時期の真夜中に、南の空をゆっくりと横切っていきます。見頃といっていいでしょう。

    5月後半の深夜の南の空では、すでにさそり座が見頃を迎えている。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    もうひとつ。月が星を隠す現象として、527日の14時前後、真昼に起きる金星食があります。金星食そのものは鹿児島以南でしか見られない地域限定の現象ですが、それより北の地域では金星と月の接近が見られます。

    5月17日13時45分ごろ、鹿児島市内で見える月が金星をかすめる瞬間。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    この日の金星の明るさはマイナス4等。全天でいちばん明るい恒星シリウスの何倍もの明るさがあり、昼間でも見える可能性があるのです。そして月は月齢26。三日月を逆向きにしたような細い月で、その細い月のヘリに金星が隠れていくことになります。それも月の白い部分ではなく、何も見えないところに隠れていくのが見どころです。

    鹿児島市では、金星食の始まりは1342分。終わりは1347分。那覇まで南下すると、食の始まりは139分、終わりは1411分です。

    東京ではどう見えるかというと、金星と月が大接近しています。いずれにしても、真昼の現象ですので、双眼鏡もしくは望遠鏡は必須です。間違ってレンズを太陽のほうに向けないよう、くれぐれもご注意ください。

    東京では金星食にならないが、月のすぐ西側に金星が見える。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    夜明け前、木星と火星の色のコントラストを楽しむ

    先月から、夜明け前の東の空で惑星たちが共演を繰り広げています。土星、火星、木星、金星たちが次々と昇ってくる夜明け前。520日ごろから見頃を迎えるのは、木星と火星の接近です。

    525日には、そこに細い月が絡みます。薄明が始まる前の夜中3時半くらいなら、細い月もより見やすいでしょう。

    5月25日の3時ごろ。木星と火星、夜明けの細い月の共演。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    木星と火星の最接近は529日の夜明け前です。注目は色のコントラストです。木星のクリーム色と火星の赤。薄明が始まる前と後ではまた見え方が違うと思います。どんなコントラストが見られるのか、楽しみですね。

    51日の木星と金星の大接近では、木星が金星の明るさに圧倒されていましたが、火星との接近では木星の明るさが勝ります。どうだ! と言わんばかりです。ただ、木星が昇って1時間後くらいに金星も昇って来ますが。

    5月29日3時ごろ。低倍率の望遠鏡では木星とそのガリレオ惑星、火星がひとつフレームで見られる可能性がある。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

    双眼鏡のフレームに火星と木星、2つとも収まる近さです。望遠鏡の場合、口径にもよりますが、50倍くらいまでの低倍率であればフレームに収まるでしょう。さらに、529日は木星のガリレオ衛星が4つとも見えています。これらがひとつのフレームで見られる可能性がある、数年に一度くらいしかない瞬間です。豪華な瞬間をお楽しみください。

    私がガイドしました!
    星空案内人
    廣瀬匠
    星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、宇宙の不思議に出会うモバイルアプリ「星空ナビ」iPhoneAndroid版無料公開中。

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