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  • 5月26日、今年唯一の皆既月食はスーパームーンが欠けていく

    2021.05.24 廣瀬匠

    赤銅色に見える皆既中の月。(画像:Giuseppe Donatiello)

    皆既時間はわずか15分、月は赤銅色になる

    月食は、太陽と地球と月が一直線に並ぶ時、地球の影が月を覆って起きる現象です。地球の影には2種類あり、太陽光が完全に遮られた部分が本影。その周りで地球が太陽光の一部だけを遮る部分が半影です。皆既月食とは、月がぜんぶ本影に入る月食。月の一部しか本影に入らない月食が部分月食です。

    今年、日本で見られる月食は526日と1119日の2回。皆既月食になるのは526日だけです。

    ギリギリ皆既月食になる。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ))

    今回の皆既月食は上の図のように、ぎりぎり月が本影に入るもの。かぎりなく部分月食に近い皆既と言えるでしょう。

    部分食の始まりが1845分。東京では欠け始める直前、西日本ではすでに欠けた状態で東南の方向から月が昇ってきます。月の出直後に日が沈むので、夕暮れの薄暮の中を、欠けた月が昇ってくることになります。

    一方、部分食の終わりが2152分なので、月の出から3時間、月食が見られます。ただ、皆既月食の時間は短く2011分〜2026分と、15分しかありません。

    短い時間ですが、やはり皆既の迫力は部分食とは違います。実は、皆既になっても月は見えます。いつもと比べてとても暗いですが、鈍く赤い輝きが見られます。「赤銅色」と呼ばれることの多い色です。

    皆既月食の月はなぜ赤いのか?理由は地球の大気にあります。

    皆既時でも、地球の大気がレンズのような役割をして、太陽の光が月に届いています。なぜ赤いのかというと、地球の大気の中で青い光が散乱され、赤い光だけが残って月に届くからです。地球の空が青いのは太陽光の青い光が散乱しているから。これと同じ理由で、皆既月食の月は赤いというわけです。

    スーパームーンはどれほどスーパーか

    526日は、今年最大のスーパームーンとしても話題です。スーパームーンという言葉は、21世紀に入ってから聞かれるようになりましたが、天文学的な定義はありません。

    実際、どれくらい大きいのか。月は地球からの距離を約3540万キロメートルの範囲で変えながら回っています。526日は地球に一番近づくタイミングと満月の瞬間が近いので、一番近くて大きく見える満月です。今年一番遠い1219日の満月と比べると、面積にして30%ほど違います。

    ただ、それが肉眼で見てわかるかというと、むずかしいと思います。満月は一見、大きく見えますが、月に向けて伸ばした手に持った5円玉の穴の中にすっぽり入ってしまうくらいなのです。

    視力と記憶力に自信がある方は、ぜひ526日のスーパームーンと、それ以外の月の大きさ比べにトライしてみてください。本当に大きかった! を実感する方法としては、スーパームーンとその他の満月を、同じ条件で撮影しておくといいと思います。

    すべての天文現象に言えることですが、あとは当夜の天気を願うばかりです。もしも曇ってしまったら……月食ライブ中継があります。晴れても曇っても、今年有数の天文現象になります。感染対策を取りながら空を見上げてください。

    私がガイドしました!
    星空案内人
    廣瀬匠
    星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、宇宙の不思議に出会うモバイルアプリ「星空ナビ」iPhoneAndroid版無料公開中。

     

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