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WIND from ONTARIO~森の海、水の島~
#25 THE GREAT LAKES 限りなく海に近い湖
by Tomoki Onishi
撮影・文/尾西知樹
トロント在住のフォトグラファー、マルチメディア・クリエイター、カヌーイストでサウナー。オンタリオ・ハイランド観光局、Ontario Outdoor Adventuresのクリエイティブ・ディレクターを務める。カナダの大自然の中での体験とクリエイティブを融合させたユニット magichours.caを主宰。

遠く蜃気楼のようにたゆたうカナダ最大の都市トロントのシルエットが見えますか?
五大湖のひとつ、オンタリオ湖。その広さは四国とほぼ同じ。しかも五大湖の中で最小というのだからさらに驚きである!
日本で四国4県を旅する距離感を思い浮かべれば、その途方もないスケールが、驚愕を伴って想像できるだろう。
そしてこの限りなく海に近い湖には、鯉やブラックバスはもちろん、淡水湖に生息しているはずのないキングサーモンや銀鮭までいるというのだから、驚きを通り越して羨望である。
日の出前、トロント郊外の港からのチャーターボートは、フルスロットルで沖へと走る。都市の輪郭は遠く霞み、エンジンを止めると風のない凪。体験したことのない大海原のような止水は、飲み込まれるような不思議な眩暈にも似た感覚を誘発し、畏怖の念すらも感じる……。
魚探を頼りに、低速でトローリング、鮭たちを誘う。やがて太いロッドがググーっと弓のようにしなり、強烈なサーモンとのファイトが始まった! 腰を落とし、体全体を使って重いリールを巻く。巻いてもすぐにドラグが悲鳴を上げ、糸はまた出る……。永遠のような数分の躍動と消耗の至福時間の果てに、深い碧の中から、銀色に輝く巨大な影が現われた!

チャーターボートで挑むサーモントローリング! 気分は『釣りキチ三平』サーモンダービー編!

見よっ! この巨大魚をっ! 海に棲むはずのキングサーモンが、五大湖に生息する奇跡。

この日は釣れたので、適量をキープして、残りは蘇生させてリリース。なんて豊かな湖だ。
(BE-PAL 2026年7月号より)




