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標高899.7mの霊山へ



私たちが行ってきました! ニチカ & 旦那 マー太郎
休みは予定びっしり派の新人編集者ニチカと、休みはゆっくり過ごしたい派の筋トレ大好きマー太郎。現在マー太郎は6月以降の職が未定な大ピンチ状態。新婚ほやほやです。

COURSE TIME 2時間30分
三徳山 899m

鳥取県東伯郡三朝町東部、鳥取市鹿野町との境付近に位置する標高899.7mの霊山。三徳山にある投入堂は断崖絶壁に建つ日本一危険な国宝として有名。投入堂参拝登山料+入山志納金で1,200円が必要だ。
投入堂めぐりのポイント
・朝HPで入山の可否を確認
・必ず2名以上で参拝
・服装&靴チェックあり。 登山靴がベスト
・危険な場所が多いので、体調管理をしっかり
・山内での食事は禁止

(左)わら草履(有料)
本来はわら草履で入峰するのが主だったが、作り手の不足により、現在は靴の条件を満たせなかった場合のみ履き替える。
(右)軍手
鎖や木の根、岩などをよじ登るため、あると大変便利。受付でも販売あり。
(中)輪袈裟
六根清浄と書かれている。入峰する場合は着用する。
歴史ある修行を体験できる! とわくわく

旅は選択の連続だ。鳥取県に前入りしようとした我々に襲いかかったのは、飛行機欠航の試練。強風により朝から4便連続で欠航した。「ならば地上だ!」と新幹線を予約し、旅は7時間の陸路からスタートした。
事の始まりは、旦那のマー太郎が転職を決意したところに遡る。ここまではよくある話なのだが、なんと転職先も決めずに辞めるというので、気が気じゃない。同時期に家も購入しちゃって心配は膨らむばかり。
そんなこんなでマー太郎の故郷、鳥取の三徳山を参拝し、転職祈願することになった。三徳山は現代では珍しい神仏混交。全域が三佛寺の境内になっており、貴重な建築物が複数建っている。その中には断崖絶壁に法力で投げ入れたといわれている、あの国宝・投入堂もある。
「この先は修行です。複数の修行を経て、六根を清めてきてください」
教えてくれたのは三佛寺次長、米田良順さん。歴史ある修行を体験できる! とわくわくしている我々夫婦は、この後に待ち受ける厳しさをまだ知らない。
9:00
まずは無事に帰れるようお祈り

鐘を鳴らしてご挨拶から。怪我のないように、よろしくお願いします! と三佛寺本堂にお参り。

登山事務所にて受け付け。服装チェックを受けて、輪袈裟を貸してもらう。
9:10
御神木の奥から修行の始まり

奥の宿入橋を渡ると、あの世に行き、修行をして新しい自分に生まれ変わる、そんな物語に沿って入峰が始まる。
9:20
木の根を登る。
あまりの険しさに苦笑い

「ここを行けと……?」道というより正直木登りのほうが近いのが最初の難所、カズラ坂。体重を乗せてもリスクのない足場を慎重に選んでいく。
9:40
中間点の文殊堂を目指して岩登り

岩を伝いクサリ坂を進むと崖の上に建てられた文殊堂が見えてくる。修行でいうと知恵の部分。汗と緊張と恐怖とで汗びっしょりになった。



10:00
圧巻の景色に足がすくむ
重要文化財
文殊堂

建物を囲むようにぐるりと足場があり、その下は崖。立つのがやっとだが見える景色は絶景。恐怖と爽快感でドーパミンが出続けている。


10:10
上下の激しい細い道

お尻と手を地面につけて堅実に一歩一歩進む。「これは確かに修行だわ……」と震えるマー太郎。
10:20
重要文化財 地蔵堂

室町時代に建立された地蔵堂は子守延命地蔵菩薩を祀っており、延命長寿のご利益あり。ここも真下は崖で、下を覗くと肝が冷える。
岩の上は滑って危険

鎖を頼りに岩の隙間に足先をひっかけて進む。「ここ滑りやすいよ!」
何事もコミュニケーションが大事。
10:30
県指定保護文化財
鐘楼堂
2トン以上ある三徳山唯一の釣鐘

言い伝えによると、源頼朝によって奉納された。この重さをどうやってここまで運んだのだろうか。除夜の鐘もここでするらしい。
重要文化財 納経堂

10:40
県指定保護文化財 観音堂
裏を回る「胎内くぐり」

納経堂を進むと観音堂が現われる。ここでは建物の裏をくぐって出ることで"生まれ出る"ことを意味する。裏は人一人が通れる幅でとても涼しい。

10:50
国宝 投入堂
断崖絶壁に現われた投入堂

金剛蔵王権現をお祀りする投入堂が目の前に。釈迦如来が神様の仮の姿で現われたとされる場所。断崖絶壁に存在し、建立方法は謎。自然との調和も圧巻。

11:30
無事に帰ってきました!

帰りも岩、鎖を伝い慎重に下山。達成感がすごいです。
これはどうやって建てられたんだ?
六根とは「眼・耳・鼻・舌・身・意」を表わし、自然の中に入って五感を使うことで、それらを清らかに浄化させるという考え方が六根清浄だ。
汗だくになりながら、進んでいく。予想以上に危ない場所も多い。しかしそれ以上に、「これはどうやって建てられたんだ?」と神秘的な力を感じる場面も多く、“神と仏の宿る山”と称される理由もわかってくる。
観音堂にて胎内くぐりを行ない、先の岩を回ったところで、いきなり投入堂が現われる。
投入堂は岩窟に建立しており、手前部分は岩の上に長い柱で支えられている。柱はそれぞれ長さも異なるのだが、自然と不安定さは感じず、奇跡的かつ、統制のとれた建築美が素晴らしい。
時代を超え、修行者たちと同じく険しいルートを歩き、同じ景色を見て、同じ感動を抱いていると思うと心の充実感は形容しがたいものがある。
ご褒美のお食事


山菜うどんセット(¥1,000)とち餅ぜんざい(¥700)をいただく。
谷川天狗堂
住所:鳥取県東伯郡三朝町三徳998
電話:0858-43-2663
営業時間:11:00~15:00
定休日:不定休(冬季休業あり)
三朝温泉街へ移動
レトロな街並みを散策

射的や駄菓子屋、喫茶店などが立ち並ぶ。どこか懐かしい雰囲気で一軒一軒中をのぞいてしまう。
日帰り入浴も可能な貸し切り風呂で極楽!

当日予約をし貸し切り温泉へ。"三たび朝を迎えると元気になる"といわれるほどの名泉を味わう。「檜の湯」3,800円。
木造りの宿 橋津屋
住所:鳥取県東伯郡三朝町三朝886
電話:0858-43-0719(電話予約時間 10:00~20:00)
HP:https://www.hashizuya.co.jp/

湯上がりには三朝ヨーグルトを!

鳥取大山の牛乳を使った自家発酵のヨーグルトが名物。新鮮な飲むヨーグルト(¥380)とバターサンド(¥340)が美味。

三朝ヨーグルト
住所:鳥取県東伯郡三朝町三朝901番地1
営業時間:10:00~21:00(土日祝は9時30分オープン)(火水は17時まで)
定休日:なし(年末年始12/31-1/3休業)
HP:https://www.misasayogurt.com/

ミネラル豊富な温泉は浸かってよし、飲んでよし!

三朝温泉はミネラルを豊富に含んだ泉質で飲泉も可能。街の中にも飲泉場が複数ある。足湯に入りながらごくり。「ちょっとしょっぱい」

足湯・飲泉場「薬師の湯」
住所:鳥取県東伯郡三朝町三朝933
電話:0858-43-0431(観光協会)
営業時間:9:00~21:30
料金:無料

「期待してるよ~」
足湯「河原の湯」
住所:三朝温泉街・河原風呂に併設
電話:0858-43-0431(観光協会)
利用時間:通年24時間(※奇数日の午前中は清掃のため入浴不可)
料金:無料
湯上がりに、ヨーグルト
「俺、新しい自分に生まれ変わったから!」と下山後に話すマー太郎。調子がいい。だが私も自然と心身が浄化された気分だった。修行の達成感と「生きて帰れて良かった〜」という安心感でおなかはペコペコ。三徳山の麓にある谷川天狗堂にて三徳名物をいただく。とうふはわさびとお醤油で。優しい味がしみる。
次に向かったのは三朝温泉街。修行の疲れをラジウム温泉で癒やし、湯上がりに、ヨーグルトをいただいて腸も元気になった。
心身ともに最高にリフレッシュできた鳥取旅。帰宅後、マー太郎をふと見ると、ヨギボーに寝っ転がってゲームをしている。そんな姿が目に付くのは私の心が乱れているからかもしれない。
唱えよう! 「六根清浄!」
※撮影/高橋郁子 地図/MORISON
(BE-PAL 2026年6月号より)




