UMAの出現が相次ぐ荒野で発見された「謎の自転車」の正体とは…?試乗して分かった魅力をレビュー! | 自転車・MTB 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自転車・MTB

2026.05.23

UMAの出現が相次ぐ荒野で発見された「謎の自転車」の正体とは…?試乗して分かった魅力をレビュー!

UMAの出現が相次ぐ荒野で発見された「謎の自転車」の正体とは…?試乗して分かった魅力をレビュー!
あなたは、UMA(未確認動物)の存在を信じますか?
カナダとアメリカの国境が接する太平洋岸北西部の荒野では、四半世紀前から何度となくUMAの一種、ビッグフットの目撃情報が報じられている。巨大な足跡、毛むくじゃらで二足歩行する大型動物などなど。
そして、2026年4月。同エリアから最新の情報が届いた。その正体がLBFだ。
LBFは、レジェンド・オブ・ビッグフォークの略。そう、UMAの聖地ともいうべき同エリアに本拠地を置くスポーツバイクブランド=KONAが、森の中で強烈な存在感を放つ新型バイクを、ビッグフットになぞらえてそう命名した。
ドロップハンドル仕様でありながら、100mmストロークのサスペンションフォークや、4ピストンの油圧ディスクブレーキを搭載。そのルックスは、もはやグラベルバイクという域を超越し、ドロップバーの本格MTBという印象だ。ビッグフォークを搭載した未知なるバイクの生態を探ってみた。
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伝説の自転車のスペックを紐解く

LBFのロゴ
フレームに描かれたLBFのロゴもいい感じ。「BIG FORK」とは、ロングストロークのフロントサスペンションのこと。ビッグフットをもじったネーミングに遊び心を感じる。

「伝説を超え、鋼鉄で鍛えあげられたLBFは、KONAの精神と太平洋岸北西部の荒野から生まれた、もっともワイルドなドロップバーマシンです」

KONAの本国サイトでは、そんな文章でLBFを紹介している。

これまでいくつものブランドが、フロントサスペンションを装備したグラベルバイクをリリースしてきたが、ここまで走りの質にこだわって作りこまれたバイクは存在していただろうか?

フロントサスペンションは、XCレースの人気モデル

フロントサスペンションは、100mmストロークを誇るロックショックスのSID 3P。35mm径の太いインナーチューブが、地面から伝わる衝撃をスムーズかつ、しっかりと受け止める。さらに走行シーンに応じて、オープン、ペダル、ロックの3段階に硬さを切り替えることもできる。MTBのXCレースでも定番の「SID」シリーズと同系統のエアサスペンションを搭載したことこそが、その伝説の第1章である。

フロントサスペンション
ストロークのスムーズさに加えて、剛性感が高いサスペンションを搭載。

しなやかなフレームに、高性能パーツを搭載

フレームは、レイノルズ/520というクロモリチューブを採用。アルミフレームと比較して、しなやかなスチールフレームは、トレイルでもオンロードでも乗り心地の良さを体感できる。

タイヤは、フロントがMaxxis/ディセクター。リアがフォアキャスター。ともに29×2.4インチと、テクニカルなトレイルにおける操作性と、下りの速さを強く意識したセレクトだ。下り基調のトレイルでは、フロントタイヤを中心にした不安のないグリップ性能を実感。上りでは、リアタイヤの強烈なトラクションによるスムーズなペダリングを楽しめた。

フロントタイヤ
大きくて高さのあるサイドブロックが、高いグリップ力を生み出すフロントタイヤ。
リアタイヤ
リアタイヤはよく転がり、上り坂でのトラクションも強い。

そして、驚かされたのがブレーキだ。ダウンヒルバイクなどにも使われる4ピストン仕様のSRAM/G2油圧式ディスクブレーキを搭載。このバイクが、下り系を楽しむために作られたことを雄弁に物語る。しかも、ブレーキレバーは、SRAMがG2ブレーキにApex Eagleのブレーキレバーを組み合わせたLBFのためのカスタム品。

リアブレーキ
4ピストンのディスクブレーキを搭載したグラベルバイクは希少。リアエンドは、ハブ軸の位置を前後にスライドできるので、シングルスピードにすることもできる。

小さなコーナーとドロップオフが連続するテクニカルなトレイルでは、レバーのブラケット上部を握り、ブレーキと変速操作を頻繁に繰り返しながら走った。レバーの握りやすさが秀逸で、手が滑って外れることなくスピードとバイクコントロールを楽しめた。見通しのいい穏やかなトレイルでは、ハンドルの下側を握って走った。ブレーキレバーはやや遠いものの、指1本で軽くコントロールしただけで、しっかり速度調整ができるのは痛快そのもの。ドロップハンドル仕様でありながら、指先の小さな力で圧倒的な制動力を生み出すブレーキをコントロールできることに驚かされた。まさに伝説級のスペックだ。

ハンドル
ブラケットがあまりにも握りやすかったので、下りでは、ほとんどここを握って走った。

走りながらサドルの高さを変えられる

走行中にレバー操作でサドルの高さを変えられる、TransX/RAD+のドロッパーシートポストが標準装備されているのもうれしい。バタフライレバーは、左のアーチの内側にあり、ブラケットでも下ハンドルでも、どちらを握ったときにも操作できる。

ブレーキレバー
ドロッパーシートポストの操作レバーは、ハンドル左側にある。
シートポスト
試乗車はMサイズ。このサイズには、レバー操作で最大150mm下げられるドロッパーシートポストを装備。

ドライブトレインは、SRAM/X1(32T)のクランクに、SRAM/Apexのリア変速機を組み合わせている。変速はリアのみの12段変速。リアカセットは、10~52Tとワイドなギアが装備されているので、市街地からトレイルの上りまで十分にカバーできる。テストで、標高差約300mのヒルクライムをしたが、たくさんの岩や小石が転がるガレた急斜面以外、押して歩くこともなく気持ちよく上れた。

変速システム
幅広いギア比をカバーする変速システム。変速操作もスムーズ。

このほか、フレームには多数のアイレットがある。ダウンチューブの上側には、ウォーターボトル2個(うち1個がスリーパックマウント)、下側に1個の取り付けが可能。そのほか、リアキャリア、リアフェンダーに加えて、トップチューブの上には、各社がリリースする小型収納バッグもボルトオンできる。その気になればバイクパッキングも楽しめそうだ。

アイレットがたくさんあるフレーム
様々なオプションを搭載できるアイレットも多数ある。

ロングトレイルを思いのままに走り抜けたくなる

総評として、トレイルではMTBに迫る痛快な走りとコントロール性能を楽しめたのが一番。一般的なMTB用のストレートバーよりも幅の狭いドロップハンドルゆえ、テスト前にはコントロール性能を不安視していたが、走り出したら、即、不安も解消。基本スペックの高さが常にテクニックの至らぬところをカバーしてくれたため、一部の難所を除いて楽しく走ることができた。

また、峠までの長い上り坂では、ドロップハンドルならではのポジションからか、普段のMTBよりも楽に上れた印象だ。総合的にみて、上りも下りもトレイルライドを高いレベルで楽しめる、まさに伝説級のスーパーバイクであることが分かった。

走行シーン
アップダウンのある約15kmのトレイルでテスト。あらゆる場面で操作性の良さを実感した。

KONA本国のウェブサイトには、総重量が約14kgとある。軽量のグラベルバイクに慣れていると、かなり重く感じるかもしれない。その重量や太いタイヤの特性から街乗りや通勤にも使いたいなら、ほかの選択肢をすすめる。しかし、多少離れていても自宅から自走でアクセスできる場所に、合法的に走れるトレイルがあったり、クルマに積んで出かけた先で存分にトレイルライドを楽しむには最高のスペックといえる。

LBF
日本の森にもよく似合う。Mサイズのハンドルの最大幅は実測で65cm(ブラケット幅は50cm)。普通自転車枠に収まっているので、市街地での使用にも不便はない。

現状、ここまで突き抜けたグラベルバイクは稀なので、購入時の比較対象となるのは、ほぼMTBだけになるだろう。普段からロードバイクに乗っていて、ドロップハンドルには慣れているがストレートバーには違和感がある。それでもトレイルライドを楽しみたいという人は、迷わずLBFを選べばいい。レース系の軽量グラベルバイクとの違いは、卓越したバイクのポテンシャルが、テクニックをカバーしてくれる安心感にほかならない。競うより楽しく長いトレイルを走りたいなら、良き相棒になってくれるに違いない。

試乗を終えてふと思った。太平洋岸北西部の森の近くに暮らすサイクリストの必要性から生まれた伝説のバイクを所有し、そのポテンシャルを引き出せるトレイルライドを日常的に楽しめる環境に暮らす人がうらやましくてならない。彼らこそが、ビッグフットの正体ではないだろうか。

■商品情報

KONA/LBF 価格444,400円(ペダルは別売り)

輸入元:エイアンドエフ https://www.konaworld.jp/

LBF

●主なスペック

  • フレーム:Reynolds/520クロモリバテッドチューブ
  • サイズ:S、M、L
  • フォーク:RockShox/SID 100mm 29インチ
  • リア変速機:SRAM/Apex
  • ブレーキ:SRAM/G2 4P、180mmローター
  • ハンドル:Ritchey/Beacon Comp
  • シートポスト:TranzX/Dropper +RAD
  • タイヤ:Maxxis/Dissector 29×2.4インチ(フロント)、Maxxis/Forekaster 29×2.4インチ(リア)
  • カラー:Gloss Emerald
著者画像

山本修二

ライター

東京生まれ、名古屋在住。自転車好きライターとして本誌を中心に東京で活動し、2015年に名古屋へ移住。東海エリアの食とアウトドア環境を満喫中。肩の力を抜いてユルく自転車に乗りたい人のためにまとめた著書『スポーツ自転車でいまこそ走ろう!』(技術評論社)、好評発売中。

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