ユーコンでソト遊び暮らしを実現! 7年の軌跡 第5回
ついにテントで一晩過ごすことを決意

2022年、ユーコンで4年目の春夏シーズンを迎えた頃には、すっかりユーコンの住民(現地では“ユーコナー”という)になったつもりでいた私たち。キャンプ場でのデイキャンプが楽しくて仕方ありませんでした。ただただ自分たちがしたいことを楽しむキャンプ。焚き火で料理をする、安いインフレータブルボートを買ってきて湖に漕ぎ出してみる……。ユーコンでのソト遊びの楽しみ方が少しずつわかってきました。6歳になった息子と、前年に生まれた娘も木や土に触れてうれしそう。それぞれが忙しい毎日を送る中でも、街を離れて自然の中に入ることは家族共通の癒しの時間だったのです。しかし、何か物足りなさを感じる……。
「やっぱり泊まってみたいね。赤子がいてもテント泊できるやろう。同じような子連れの友達家族もテント泊してるし、うちらもやってみよう」
そういうことで、私たちの理想のキャンプ用寝具、そしてテント探しの長い道のりが始まったのでした。
初めてのテント泊に備える

まず向かったのは、第2回でも触れた中古アウトドアショップ。春夏シーズンにはキャンプギアもたくさん取り揃えています。ここでとにかく目に付いた寝袋を家族用に3つ購入(合わせて70ドルほど)。自分用には学生の頃に買ったモンベルの古い夏用寝袋があったので、それを日本から送ってもらいました。
さて、スリーピングマットはどうしよう? ゲスト用に買った分厚いインフレータブルマットが家にあったので、とりあえずそれを子ども用として使うことに。大人用には空気を吹き込むタイプのエアマットをホームセンターから調達しました。
あとはテント。その当時、実際の人数+2人用ぐらいが荷物置き場も確保できてちょうどいいだろうと考えていました。そこで、6人用のテントを同じホームセンターで購入(200ドルほど)。これでテント泊に必要なものは揃いました。あとは実践あるのみです。
ユーコンの夜は夏でも寒かった

8月、私たちは初めての宿泊を伴うキャンプに出発しました。目的地は、自宅のあるホワイトホースから北へ約1時間のフォックスレイク・キャンプ場。これまで何度もデイキャンプを楽しんだ場所です。YouTubeの解説動画で入念に確認した甲斐あって、テントの設営もそれほど問題なく完了しました。中に入って大喜びの子どもたち。ボート遊び、焚き火で料理と、キャンプ場での時間は順調に進んでいきました。
さて、いよいよ寝る時間。子どもたちは分厚いマット、大人たちはエアマットの上へ。それぞれの寝袋にくるまっていると、湖から聞こえてくる水の音や、コヨーテの遠吠えが聞こえてきます。夜半に降り出した小雨がポツポツとテントを打つ音も心地よい……のですが、どうにも寒くて眠れません!
ユーコンは、真夏でも夜は10度ほどまで下がり、明け方には刺すような冷気に包まれました。中古アウトドアショップで調達した寝袋は、厚さ、対応温度がまちまち。子どもたちに厚いものを渡してしまっていたので、大人2人は寒さに凍えて朝まで耐えるという、過酷なテント泊デビューとなってしまったのでした。
寝具の見直しが必要に

初めてのテント泊を経て、寝具に課題を見つけた私たち。薄い寝袋のスペック不足は早々に改善が必要です。さらに、子どもたちを寝かせていた分厚いインフレータブルマットには、6歳児が少しでも勢いよく飛び乗ると、先に寝ている赤子が弾みで吹っ飛ばされてしまうという欠点がありました。
電動エアポンプの音も気になります。閑静なキャンプ場に掃除機のような轟音を響かせるのも何だかなぁ。これに関しては、カナダのアウトドアブランドMEC(Mountain Equipment Company)の、空気を吹き込むタイプのエアマットを購入することで対応。100ドルほどしましたが、このブランドはしょっちゅうオンラインセールをやっているので、30%オフのタイミングで2枚買い足しました。さらに、秋に一時帰国したタイミングで、0度まで対応できるモンベルの寝袋をふたつ購入。4つの寝袋、4枚のスリーピングマットで全員が快適に眠れる環境は整いました。
子どもの成長に応じたテント選び

一方で別の問題も。それは5歳差の兄妹で、寝入る時間に微妙に差があります。どちらかがどちらかの睡眠を妨げてしまい、うまく寝かしつけられないことがありました。それなら、6人用テントを卒業して子どもたちを別々に寝かせることにしてはどうか? 考えたのは2人用テント×2つという選択肢。今後バックカントリーハイキングやカヌー旅に挑戦したいということも考慮し、小さくて軽いテントへの切り替えを考えました。
再びMECのオンラインショップへアクセスすると、神がかり的なタイミングで、またもセールをやってくれていました。少しだけグレードの異なる2人用テントを2つ。しかしセールとはいえ合計500ドル近い値段になってしまいます……。
「でも、この先数年分の宿泊代と思えば決して高くはないはず!」
そう自分に言い聞かせ、清水の舞台から飛び降りる思いで“Purchase”ボタンを押しました。
届いたのは、大きめの水筒くらいの小さなパッケージ2個。これが本当にテントになるの? 大型犬くらいあった6人用テントのパッケージと比べ、クルマに載せたときの存在感も頼りなく見えます。
(次回へ続く)





