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    2025.11.08

    ヨーロッパ・オーストリアで登山。個人的「世界一の絶景ベンチ」に出会えた喜び【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    ヨーロッパ・オーストリアで登山。個人的「世界一の絶景ベンチ」に出会えた喜び【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
    谷の向こうに広がる雪化粧した山々を眺めながら雪山を歩く。それって山好きの夢の1つではないでしょうか。

    とはいえ「雪山登山」はハードルが高い。専門のガイドまたは熟練者に同行してもらい、かつアイゼンとかピッケルとかスノーシューとか特別な装備も必要になります。

    でも今回訪れたオーストリアのスノーリゾート地マイヤーホーフェンには普通のトレッキングシューズだけで多くの人たちが、単独で気軽に歩いているハイキングコースがありました! 今回はそれを紹介してみましょう。

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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    前回はこちら↓

    オーストリアの大理石洞窟探検ツアーにいざ!【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    「世界一の絶景ベンチ」も紹介しますよ~(雪遊び王国オーストリア旅・その5)

    ハイキングのスタート地点は、マイヤーホーフェンの街外れにある乗り場から3本ゴンドラを乗り継いだ「ペンケン山」の山頂駅。以前紹介したスキーレッスンやパラグライダーのスタート地点からもう一つゴンドラを乗り継いだところです。出発点は真っ昼間からパーティー状態になっている「カーザーマンドル」というレストランの裏手です。

    出発したのは14時50分とちょっと遅め。というのもスキーとパラグライダーの二つのアクティビティをして、遅めのランチをとったあとだからです。今回は事前に渡された行程表に載っている話ではないので、仕事が溜まっているという相棒のフォトグラファー氏は先に下山。というわけで単独行です。

    まずは2つの池の周りを「お鉢巡り」をします

    そのあたりから眺める景色だけでもすでに絶景。

    最初の池の反対側から。対岸に見えるのがパリピ御用達みたいな状態のレストラン「カーザーマンドル」。
    同じ場所から反対側を見ると、雪山にゲレンデ。
    この池からもう一段上がっていきます。
    レストラン「カーザーマンドル」の方向に折り返すと、2つの標識が見えてきました。
    ロープで区切った左側がスキーコース、右が歩行者用。
    ピクトグラムのデザインが微妙に違いますが…まあ、細かいことは気にしないでいきましょう。笑
    2つめの池を周遊する歩道。遠くの白銀の峰々がたまりません。

    正直言ってもうこの景色だけで大満足なのですが、まだ道はあるので進んで行きます。

    2つめの池をグルッとまわったところでまたスキーコースを横切れという標識。
    渡った先にはこんな道。

    さてこの先にはどんな風景が待っているのでしょうか。この時点で15時10分。雪景色に圧倒されたり写真を撮ったりしていたので、出発から20分も経っていました。

    ハイキングコースの右側にはこんな看板が。

    「冬のハイキングコース ペンケン(山ルート)」という意味ですね。とにかく進んで行きましょう。

    いよいよハイキングコース、スタート!

    歩き始めの最初は左右に木々。

    ときおりそんな木々が切れたところから、谷の向こうの雪山が見える程度。
    でも緩やかだけどまっすぐな長い坂の先になんだかいいものがありそうな予感がして、歩きつづけます。すると。
    坂の向こうどころかこのコースに入ってたぶん2分もしないうちに、突然左側の木々が切れ「雪を被った峰々」という素晴らしい風景が出てきました。

    いわゆる「雪山登山」ではなく、「下は雪のハイキングコース」というノリの道で、こんな素晴らしい理由が見られるというのは驚きです。

    さらに進むと手前の木々も少なくって、より絶景感が増してきます。
    足元はこんな感じ。しっかりと踏み固められていて歩きやすいです。

    雪道のハイキングでの服装とは

    ちなみにこのときの服装は「汗を吸って発熱する」系の長袖シャツの2枚重ね。ふもとのマイヤーホーフェンのその日の最高気温は10度くらいで、そこより標高が1400メートル高いので「標高が1度上がるごとに気温は0.6度下がる」の原則からするとこのあたりは2度くらいかと思うのですが、陽ざしが強いのと雪からの反射もあるのでポカポカ陽気という感じです。

    逆に言うと「日焼け」には注意が必要。私はニット帽しか持っていなかったのですが、こういう天気のいい日のために「全体につばのある帽子」も持参したほうがいいかもしれません。

    もちろん「日焼け止めクリーム」なども忘れずに! 白い雪からの反射がありますからね。

    何も遮るものがない谷向こうの峰々。たまらん。

    左側に白銀の峰々を眺めながらの気持ちのいい道が続きます。多少のアップダウンはあるのですが、基本は登り坂で緩やかなスロープです。いつまでもここを歩いていたいと思えるくらいの景色です。

    安心材料は右手の少し上のほうにスキースロープが並行するように走っていること。

    ハイキングコースのほうは行きかう人がほとんどいなくて、すれ違ったのはスタートして30分で2名だけでしたが、スキーヤーがいるので「単独行で何かあったらどうしよう」という心配もせずに済みます。

    15時半、出発地のレストランから40分歩いたところで「ハイキングトラックエンド」と書かれた看板。
    でもあと少し先まで上がれそうなので行ってみると…。
    登った先を右に折れるとすぐにまたハイキングコースが出てきます。どこが「エンド」やねん! 笑
    というわけでスキーコースを横切って、再び「ウィンターハイキングパスペンケン」ハイキングコースを進みます。

    発見!世界一の絶景ベンチ

    その直後の15時35分、ハイキングコースから少し外れたところに絶景を堪能できそうなベンチをみつけました。

    画面中央にみえるやつです。
    近くに寄るとこんな感じ。

    だいたいこういうベンチって「作ったときには絶景だったけど木々が生えてしまってなんでここにあるのかわからなくなった」みたいなパターンが多いと思うのですが、ここはこの見晴らし!

    座ってみました。

    ふと「ザベストベンチインザワールド(世界一のベンチ)」という言葉が頭に浮かびました。少なくとも私が旅してきた中では間違いなく「世界一の絶景ベンチ」です。

    目の前に広がる雪を被った峰々。ここに来ることだけを目的として旅してもいいくらいだと思いました。

    10分ほどそこで過ごしてから出発。本当はもっとずっとそこにいたかったのですが下りのゴンドラの最終便が17時と聞いていたので、あまりゆっくりもしていられません。後ろ髪を引かれながら出発するのも旅。

    「世界一のベンチ」から1分もかからないところにある十字架のオブジェ。

    オーストリアの山々では山頂に十字架が立っていることが多いようですが、ここでは「オブジェの中に十字架」です。

    十字架付近から見た「世界一のベンチ」。

    そこを出発からちょうど1時間後の15時50分に出ます。下りのほうが少し時間かかからないとはいえ、あまり余裕はありません。

    本当はこのコース、案内地図によるとループになっているようですがこの先どのくらい残っているのかがわからず、また来た道から見た白銀の峰々が素晴らしかったので、同じ道をもどることにしました。

    帰りも峰々を眺めながら。ちょっとズームして画像です。

    2つ目のお鉢からショートカットしたかったのですがルート的に許されていないみたいでぐるっと回って帰らなければいけません。16時21分、ゴンドラに乗りました。

    私が行った時は普通のトレッキングシューズで大丈夫でしたし、すれ違う人みんなそんな感じでした。でもアイスバーンになったときなどは念のため軽アイゼンなどがあったほうがいいのかもしれません。

    でも急坂もなく本当に歩きやすい道でした。

    「世界一のベンチ」を見つけて、そこからの眺めを見ることができました。それだけでもこの旅に来た甲斐があったと思いました。

    「ハイキングトラックエンド」と書かれた看板のところで引き返さなくて本当に良かった~。笑

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

    取材協力:MOUNTOPOLIS (THE MAYRHOFNER BERGBAHNEN WORLD OF ADVENTURE)
    https://www.mayrhofen.at/en/pages/mountopolis-starting-page-winter
    マイヤーホーフェンエリアの「冬のアクティビティ」に特化したサイト。

    Mayrhofen-Hippach holiday region
    https://www.mayrhofen.at/en/
    「夏のアクティビティ」も含むマイヤーホーフェンエリアの総合サイト。

    オーストリア観光公式(冬のオーストリア旅行について)
    https://www.austria.info/ja/inspiration/skiing-and-winter/

    フィンエアー/Finnair
    https://www.finnair.com/jp-ja
    「日本から一番近いヨーロッパ」であるヘルシンキ経由で、欧州約70都市へ。羽田・成田・中部・関空の4空港就航。

    柳沢有紀夫さん

    オーストラリア在住ライター (海外書き人クラブ)

    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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