
でも人口386万人のドイツの首都ベルリンの中心部には、もっと巨大な都市公園があるんです。
どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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なんと新宿御苑の約4倍の広さです!(ドイツ・ベルリン旅その2)
その名は「大ティーアガルテン」で、総面積は約210ヘクタール。上記の東京の巨大公園たちの約4倍の広さです。
とはいえ上には上がいて、ニューヨークのセントラルパークは約341ヘクタール、ロンドンのハイドパークとケンジントンガーデンズをあわせたものは約253ヘクタール。とはいえ大都市のど真ん中にある公園としては「大ティーアガルテン」も有数の広さです。
完全な長方形ではないですが南北約700メートル、東西約3キロメートルほど。そこに無数の遊歩道が張りめぐらされているのですべてを踏破するのは当然無理です。というわけで動物園などの施設がある西側ではなく東側を歩いてみました。
気温30度C越えの前日と打って変わって天気が悪く、この日は6月の終わりの午後4時で気温が19度、体感気温は16度くらいで寒いです。2日で真夏と晩秋の両方が楽しめました。
…と思ったら日が出てきたら暑くなってきたりします。ヨーロッパの北のほうの都市はみんなそうなのかもしれないですが、服装がむずかしいです。

まずは国会議事堂の前を通ります。


国会議事堂の前でアウトドア感が楽しめるのは妙な感じです。
「大ティーアガルテン」から道を隔てたところに有名なブランデンブルク門があるのでサクッと見るのもおすすめです。


いよいよ「大ティーアガルテン」へ
「大ティーアガルテン」は以前紹介した同じドイツにあるシュトゥットガルトの「ヘーエンパーク・キレスベルク」やミュンヘンの「オリンピック公園」と比べてかなりフラットです。

カップルと家族連れとかが集う「市民の憩いの場」もいいですが、こういう静かな公園を歩くのもなかなかです。
この「大ティーアガルテン」で特にいいなと思った場所が「グローバルストーンプロジェクト」というエリア。

世界5大陸の石を集めたプロジェクトだそうです。
私は元気に駆け回ったり、石に乗ったりバドミントンやフリスビーをしたくなったのですが…どう考えても一人じゃつまらないですよね。特にバドミントンやフリスビーは。誰かが見るに見かねて「いっしょにやろう」と救いの手を差し伸べてくれるかもしれませんが。笑
正しい過ごし方はこう。



この場合は「恋人」ではなく、まだ「お互い気になる2人組」くらいの段階のほうが雰囲気はありそう。

もし私が映画監督なら両方のシーンを撮っておいて編集時に印象的に挿入するなんて考えてみたり。


「グローバルストーンプロジェクト」から離れて散策を続けているとまた巨大なオブジェに遭遇。


これは「ナチスにより迫害された同性愛者の追悼碑」というもので、私ものぞき込んでみると同性愛を扱った古い映画のようなものが流れていました。ナチスはユダヤ人だけでなく同性愛者も迫害したんですね。
導かれるように「ユダヤ人のための記念碑」へ
そのユダヤ人に関して、「大ティーアガルテン」から大通りを隔てたところに興味深い記念碑があります。

これ全部で一つの記念碑のようです。もしかしたら世界一記念碑に見えない記念碑かもしれませんね。
名称は「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」。ご覧のように大きな石碑とか塔のようなものがそびえ立っているわけではありません。高さがまちまちで「石碑」にも、「石棺」や「石櫃」や「墓石」にも見える長方形のコンクリートのオブジェが並べられているだけですが、その数は2710にのぼるのだとか。


ここを墓地散策のような気分で歩き始めたのですが…すぐに妙に悲しくなってきました。2710にのぼる長方形の物体が「無数の名もなき犠牲者たち」を表現しているようで…。高さがまちまちなのは「名のなき人たちだけどそれぞれ一人の人間として個性がある」ということを表しているようで…。
さらにこの「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」の地下にはそのインフォメーションセンターもあります。



こんなに広範囲にわたっていたとは知らなかったです。この「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」とインフォメーションセンターは、「ベルリンの観光地○選」とかには入っていないことがほとんどですが、私は逆にここだけは訪れたほうがいい、いやここを訪れるためにベルリンに来る価値がある場所だと思います!
「ベルリンの壁」へ早朝ウォーキング
ちなみにベルリンでの「早朝ウォーキング」でオススメなのは東駅に近い「イーストサイドギャラリー」かなと思います。あの「ベルリンの壁」に様々なアーティストが作品を描いたパブリックアートのギャラリーなので、それらを眺めながら歩けます。気になる作品があれば立ち止まるのもいいでしょう。

旧ソ連のブレジネフ書記長と旧東ドイツのホーネッカー書記長のキスシーンを描いています。他にも素晴らしい作品が多く個人的に気に入ったのは…。


もちろん昼間に見に来ることもできるんですが…。

また路上なので作品全体を眺めている最中に目の前を人々が歩いていくのでゆっくり鑑賞できません。ぜひ朝ウォークで楽しんでください!
今回紹介したウォーキングコース、小高い丘もスリリングな橋もないですが「ベルリンでしか味わえないルート」だと思います
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
ドイツ観光局
https://www.germany.travel/en/campaign/german-local-culture-jp/home.html
ベルリン市観光局
https://www.visitberlin.de/en
虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑(英語のサイト)
https://www.stiftung-denkmal.de/