伊勢エビ、アワビ…早朝4時集合!家族で千葉・勝浦「海老網収穫体験」に参加して得た特別な体験 | 日本の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2025.09.05

伊勢エビ、アワビ…早朝4時集合!家族で千葉・勝浦「海老網収穫体験」に参加して得た特別な体験

伊勢エビ、アワビ…早朝4時集合!家族で千葉・勝浦「海老網収穫体験」に参加して得た特別な体験
旅エッセイストの国井律子です。

この夏、勝浦で忘れられない朝を迎えました。時刻は午前4時。眠そうな子どもをたたき起こして向かった漁港には、すでに漁師さんたちの熱気が漂っていました。

船に積まれた網からは、伊勢エビや魚が次々と姿を現わし、子どもたちは「ポケモンのレアキャラ発見!」くらいのテンションで大騒ぎ。伊勢エビや魚をひとつひとつ網から外す作業は、子どもたちの好奇心を刺激し、「海の恵みを暮らしの食卓へ運ぶ」ことをリアルに体験できた貴重な時間となりました。
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勝浦・豊浜漁港で迎えた特別な朝

「まだ夜」といった感じの豊浜漁港
「まだ夜」といった感じの豊浜漁港。

千葉県勝浦市は、房総半島の南東部に位置する太平洋に面した港町です。古くから漁師町として栄え、都心から電車やクルマで2時間弱。海洋性気候で、冬暖かく夏涼しく、最近では「東京から一番近い避暑地」としても注目されています。

そんな勝浦に、親の仕事の都合で子どものころからご縁があり、長い休みになると家族とロングステイしている私です。2025年の夏も半月ほど暮らすように過ごしていました。

今回の「海老網収穫体験」に参加したのは、親友家族が遊びに来た8月17日のこと。少し日が短くなったせいか、まだ外は真っ暗な午前4時前。眠そうな子どもたちを連れて到着したのは豊浜漁港です。

作業する漁師
このとき、漁師さんたちは作業の真っ最中でした。
筆者
今回は親友ファミリー(夫婦、小1男子)、小1次男と5人で参加。

船には夜通し仕掛けられた網が積まれ、網を引き上げるたびに伊勢エビや魚が次々と現われて、港全体がざわめきに包まれます。まずは配られた軍手を装着。網にかかった伊勢エビを取り外していく作業をお手伝いします。

伊勢エビが網にたくさん引っ掛かった
立派な伊勢エビが網にたくさん引っ掛かっています。

網には市場で高値がつく立派な伊勢エビがごろごろ。思わず「これ1kgいくらするんだろう…」と心の声が漏れます。触覚や体など傷つけたら売り物になりません。緊張しながら外していきました。

かごに入った魚介類
大漁です。勝浦の海は磯根が多く、伊勢エビやサザエが豊富に獲れる名産地だそう。

伊勢エビを外し終えたら、今度は網置き小屋に刺し網を吊るして、ていねいに収穫していきます。

網から魚介類を外す
力で引っ張ろうとせず、回したりすると簡単に外れました。

伊勢エビ以外にもいろんな魚が網にかかっていました。

この日、網にかかっていた魚介コレクション

ハリセンバン
「知ってる?この魚」と漁師さんが子どもたちにプレゼントしてくれました。

少し夜が明けてきた豊浜港をバックに次男が持っているのはハリセンボン。そのほかに、メイチダイ、サザエ、アワビ、シタビラメなど、名前を聞くだけでワクワクするような魚介たち。

シタビラメを持つ子どもたち
2人が持っているのはシタビラメ。「ムニエルだねー。フレンチ食べたい」と、親友と言い合いました。
メイチダイ
立派なメイチダイ。市場にはあまり出回らないけど、価値はとても高い魚だそう。
サザエ
貝殻のなかに高確率でヤドカリが入っていたりと、今年は獲れ高が、いまひとつというサザエ。
魚介を見る子ども
目の前の海の恵みに釘付けの子どもたちでした。

若き漁師との出会い

作業の手伝い
網を引っ張る作業に混ぜてもらった子どもたち。

驚いたのは、漁師さんに若い人が多かったこと。私たちを案内してくれたのは孝吉丸(こうきちまる)の松井凌さん。31歳で漁師歴8年目。港ではお父さんやおじいさんも一緒に作業していて、まさに三代続く漁師一家です。

勝浦の漁港風景
8月中旬にして朝方は少し肌寒いほどでした。

「漁師の朝は1時起き。3時から作業開始なんですよ」と、松井さん。その言葉に「え、夜じゃない?」と目を丸くする私たち。けれど、現場は意外にも和気あいあい。勝浦出身である、プロ野球ジャイアンツの丸選手と同級生だった漁師さんが「オレがあいつに野球を教えたんだ」と豪語すれば、野球好きのわが家の次男は大興奮。

親友ファミリーの坊やは大変な相撲好きで、歴代横綱をすらすら暗唱しては「たいほう巨人卵焼き!」と古典的ギャグを炸裂させ、場を沸かせていました。

子どもたちと漁師さんの距離感

アワビ
網にかかっていた小さいけれど、おいしそうなアワビ。

漁師さんたちは子どもの扱いがとても上手。小さなアワビが網に引っかかっていたときには、「『お兄さん、かっこいい』って言ったらくれるかもよ」と茶目っ気たっぷり。

親友のお坊ちゃんが素直にそう言うと、「しょうがないなぁ」と本当におみやげにくださったのです。港には笑い声が絶えず、ただの作業場が、忘れられない思い出の舞台になりました。

豪華すぎるお土産と食卓の幸せ

いただいた魚介類
獲れたての魚だから~と、おみやげをどんどん手渡されました。その気前のよさにビックリ。

体験の最後には、伊勢エビ、小アジ10匹、アカムツ2匹、そしてアワビまで…。信じられないほど豪華なおみやげをいただきました。うれしい反面、「これ、どうやって料理すればいいの???」(笑)。

いただいた魚介類
港からクルマで5分のところにある別宅に持ち帰った山盛りのおみやげ。

するとうちの夫が、「能登・輪島の血が騒ぐ」とばかりに腕をふるい、伊勢エビをさばいてくれました。

伊勢エビをさばく
金沢出身の夫の実家は能登半島の輪島。子どものころ、大盛りの蒸しアワビがおやつに出てきたそう。

包丁を使わず、キッチンバサミでザクザク硬い殻をカットしていきます。

茹でる
茹でた伊勢エビは、正月のお節料理に入っているような縁起のいいカラー。

もちろんこの出汁は取っておきます。このあと数日間は、味噌汁やリゾットや、ちゃんこ鍋にも余すところなくいただきました。

伊勢エビ料理の完成
伊勢エビがこのようになりました。

大きな伊勢エビはまずお刺身に。茹でた身はレモンを絞ってさっぱり。カニ味噌がおいしすぎるー。

魚をさばく
親友夫婦も負けじとYouTubeを見ながら魚をさばきます。
なめろう
味噌と薬味を合わせて叩き、外房のごちそう「なめろう」が完成。
アワビ
親友の坊ちゃんがゲットしてくれたアワビ。

これまた勝浦の地酒「腰古井」で酒蒸しに。

アワビの酒蒸し
酒が進み過ぎて「アカンやつやー」と言いながら、みんなでペロリ。キモがまた美味。

港から持ち帰った魚介は、テーブルいっぱいのごちそうに早変わり。どれも地酒と抜群の相性で、勝浦の海での体験=暮らしの旅を実感できた瞬間でした。

未来につながる体験

獲れた魚介類
バケツに入れられ港に無造作に置かれていた高級海鮮たち。

気候変動で伊勢エビは年々北上していると、漁師さん。それでもこの日の網には、まだまだ豊かな海の恵みがたっぷり。子どもたちにとっては、自然や地域の暮らしに触れる貴重な機会となりました。

ただの観光ではなく、暮らしに潜り込む旅。今回、勝浦で参加した「海老網体験」は、ただ楽しいだけでなく、家族や友人と一緒に“未来の記憶”を紡ぐひとときになりました。

漁師さんの海老網収穫体験

  • 集合時間:午前4時(終了は午前6時ごろ)
  • 集合場所:孝吉丸網置き小屋(勝浦市新官 豊浜漁港内)
  • 料金:大人(中学生以上)2,500円 小学生1,500円 未就学児無料
  • お問い合わせ:一般社団法人 勝浦市観光協会
  • 電話番号:0470-73-2500
  • ホームページ:https://www.katsuura-kankou.net/ebiami/

2025年は9月中旬までの開催となります。実施日はホームページ内のカレンダーでご確認ください。

国井律子

旅エッセイスト

国内外の旅を綴るエッセイを中心に、日常の延長にある“ちょっと特別な旅”も提案。ソロ登山、2人の男児の母として家族とのキャンピングカー旅、自由で自分らしい旅の形を発信中!

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