マツムシとスズムシの違いは鳴き声!特徴の違いを知ろう - 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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  • 自然観察・昆虫

    2025.08.23

    マツムシとスズムシの違いは鳴き声!特徴の違いを知ろう

    マツムシとスズムシの違いは鳴き声!特徴の違いを知ろう
    秋の夜、耳をすませば聞こえてくる涼やかな虫の声。
    その代表格ともいえるのが「マツムシ」と「スズムシ」です。
    どちらも風情ある音色で親しまれていますが、実は見た目や鳴き方には大きな違いがあります。
    本記事では、マツムシとスズムシの違いや、名前の由来、コオロギとの見分け方までをわかりやすく解説します。
    虫の声をもっと楽しむために、ぜひ知っておきたい基礎知識です。

    マツムシとスズムシは秋に鳴く虫

    (出典)photoAC

    マツムシとスズムシは声で鳴いていない?

    一見、その音を聞くと、マツムシやスズムシの「声」が聞こえているように感じますが、実際には口で鳴いているわけではありません。

    これらの虫は翅(はね)をこすり合わせることで音を出しています。これを摩擦音とも言われる「擦音(さつおん)」と呼び、オスだけがこの音を発します。翅には細かいギザギザがあり、そこをこすることであの独特な音が生まれるのです。その仕組みを知れば知るほど、秋の虫の音がさらに興味深く感じられるはずです。

    虫が鳴くのはコミュニケーション

    虫たちの鳴き声は、求愛や縄張りを示すための重要な手段です。特にマツムシやスズムシのような秋の虫は、オスがメスにアピールするために独特のリズムで鳴きます。

    音の高さやテンポは種によって異なり、それぞれが「自分はこの種類だよ」と知らせるサインになっているのです。周囲に他のオスがいれば、その鳴き声と競い合うようにして、より目立つ存在になろうとする行動も見られます。

    マツムシとスズムシの違い

    マツムシはスズムシだった

    実は、かつてスズムシと呼ばれていたのは現在のマツムシでした。平安時代などの古典文学で登場する「鈴虫」は、今でいうマツムシを指している場合が多いのです。マツムシのやわらかく澄んだ音色は、風流を重んじる時代の人々に好まれていたのでしょう。

    また、文学や和歌の中では、繊細で美しい音を奏でる虫としてしばしば登場し、日本文化に深く根付いていることがわかります。

    スズムシはマツムシだった

    逆に、現在スズムシと呼ばれる虫は、かつて「マツムシ」と混同されていたことがあります。江戸時代以降に鳴き声や形状で区別されるようになり、ようやく名前が整理されてきた背景があります。

    このような呼称の変遷も、日本人と虫との深いつながりを感じさせる興味深い話です。名前が時代によって移り変わった例として、自然観察をより奥深いものにしてくれます。

    マツムシの見た目と鳴き声

    マツムシはやや小型で、淡い褐色の体が一般的ですが、なかには緑がかった褐色~黄褐色の体のものも存在しで、透明感のある翅を持っています。体長はおよそ15〜20mm程度で、翅の縁が丸みを帯びているのが特徴です。

    鳴き声は「チンチロリン、チンチロリン」と鐘の音のような澄んだ音色。鳴く時間帯は夕方から夜にかけてで、控えめながらも風情ある響きが特徴です。草むらや林縁など、やや自然が残る場所でよく聞かれます。

    スズムシの見た目と鳴き声

    スズムシは黒っぽく、ややずんぐりとした体型が特徴です。体長は20mmほどで、長い触角とつやのある黒い体が目を引きます。

    鳴き声は「リーン、リーン」と高く鋭い音で、音量も比較的大きめ。こちらもオスだけが鳴き、飼育されている個体は、自然下よりも長時間鳴き続けることが多い傾向があります。環境によって鳴き方に差が出る点も興味深い特徴です。

    都市部でも飼育を通じて身近に聞くことができる秋の音色です。スズムシは飼いやすく、昆虫飼育としても人気のある種なのです。

    コオロギとの違い

    エンマコオロギ。
    参考記事:「初秋の原っぱで音楽鑑賞!秋の鳴く虫の声を聞いてみよう

    コオロギの見た目

    コウロギはマツムシやスズムシに比べて体ががっしりしており、翅が短めの種も多く見られます。色は黒~濃い褐色で、触角が長いのも特徴です。

    コオロギの鳴き声

    鳴き声は「リリリリ…」「ギーッチョン」など種によってさまざまですが、どれもはっきりとしたリズムがあり、草むらなどで盛んに聞かれます。種類も多く、鳴き声のバリエーションが豊かなので、聞き分けの楽しさも魅力のひとつです。

    マツムシとスズムシは秋の風物詩!違いを理解しよう!

    マツムシもスズムシも、魅力的な鳴き声を持つ秋の代表的な虫です。古くから日本人に親しまれてきた彼らの音色には、風情や季節感がたっぷり詰まっています。

    鳴き声や見た目の違いを知ることで、秋の夜長がより豊かに感じられるはずです。自然のコンサートに耳を傾けながら、それぞれの虫の個性を楽しんでみましょう。自然のコンサートに耳を傾けながら、それぞれの虫の個性を楽しんでみましょう。虫たちの音色は、季節の移ろいを感じる大切なサインとして、私たちの生活に秋の訪れを知らせてくれるのです。

    のまどうさん

    アウトドアライター

    行く先のあてもないバックパッキング、ソロキャンプ、登山が大好物です。とはいえフラフラは出来ず、最近は子供とのキャンプと自宅に並べたギアを眺めての想像の旅に夢中です。千葉の最南端在住。田舎暮らし満喫中。

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