カナダを象徴する魚「サーモン」の不思議な生態のお話【動物ドッキリクイズ・その5】 | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

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2024.09.01

カナダを象徴する魚「サーモン」の不思議な生態のお話【動物ドッキリクイズ・その5】

カナダを象徴する魚「サーモン」の不思議な生態のお話【動物ドッキリクイズ・その5】
「カナダで大事にされている魚といえば?」ちょっとヘンテコな質問ですが、カナダの太平洋側にあるブリティッシュコロンビア州の人なら戸惑うことなく「Salmon(サケ)」と即答することでしょう。

都市と海や山が隣接し、自然との共存を重視するカナダ。そんなカナダの大自然を象徴する生き物のひとつが「サケ」です。古くから、人々の食糧として、豊かな生態系を支える存在として、そしてカナダの輸出品目のひとつとして、さまざまな意味において「サケ」は大切にされてきました。

カナダのバンクーバーからお届けするのは、そんな偉大なる魚、サケクイズ! 

川から海、そして川へ。冒険の一生を送る魚「サケ」の秘密にせまる!

 【第1問】カナダで「Sockeye」といったらなんの動物?

a) クマ
b) ビーバー
c)  サケ
d) トナカイ

「サケクイズ」なのだから当然、答えはサケでしょ? と考えた方、大正解です。

Sockeye(ソッカイ)」といえばサケの中でも「ベニザケ(紅鮭)」のこと。身の色の赤みが強いのが特徴で、味も濃くおいしいといわれる種類です。

というわけで、答えは「c)サケ」。

「Sockeye Salmon(ベニザケ)」のオス。身体の色が赤い理由についてもこの後のクイズで明らかに。

正式には「Sockeye Salmon(ソッカイ・サーモン)」なのですが、特にカナダの太平洋側の地域では「Sockeye」といえば「サケ」であるのは子どもでも知っていることなので、「Salmon」が省略されることもしばしば。そのため、旅行でカナダを訪れた際にスーパーマーケットやレストランで「サケに見えるけど、SalmonではなくSockeyeと書いてある。なんの魚だろう?」と思うことがあるかもしれません。

安心してください、それはおいしいベニザケのことです!

あるお店のメニュー。「Sockeye」とだけ書いてあるのは「サケ」のことです。ちなみに「Halibut」は「オヒョウ」、「Lingcod」は「シロカジカ」のことで、ともに北太平洋でとれる白身魚。

はい、第1問はサービス問題でした。次から難しくなっていきますよ!

【第2問】サケは海から川に遡ることで知られます。さて、何をたよりにサケは自分が生まれた川に戻るのでしょう?

a) 川のにおい
b) 太陽の位置
c)  月の光
d) 星の位置

におい、太陽、月、星……。さて正解はどれでしょう。

驚くべきことに、サケは生まれた川のにおいを覚えているのだそう。

サケは嗅覚が鋭く、川の水に含まれる化学物質をにおいで判別できるのだとか。それを孵化後の「インプリンティング(刷り込み)」(出生直後に特定の対象や環境を記憶する現象)により覚えていて、その記憶を頼りに産卵場所の川に戻るといわれています。

答えは「a)川のにおい」です。 

サケが生まれた川のにおいを覚えているとは! 驚きの生存戦略です。

そのため、孵化直後に適切な期間を生まれた川で過ごすことが、次世代のサケの繁殖のためにとても重要。カナダでは国や州などの公的機関でその機能を研究し、管理・保護に取り組んでいます。

バンクーバー近郊の住宅地にある看板。サケの生息地である小川(Creek)が人々の暮らしのすぐそばにあり、その生態系保護が呼びかけられています。

【第3問】サケの産卵後の寿命はどれくらい?

a) 1年くらい
b) 5年くらい
c)  10年くらい
d) 産卵後まもなく

魚が産卵後にどれくらい生きられるかは、種類によってさまざまです。中には複数回の産卵を行い長期間生存する種もいますが、サケの場合、多くは産卵を終えるとまもなく命を終えます。

体力が消耗し自然に命が尽きることもあれば、クマやワシなどの捕食者に狙われることも。このように他の動物のエサになったり、命を終えた後の身体が川の微生物によって分解されたりすることで、生態系の一部として重要な役割を果たしています。

ということで、この問題の正解は「d)産卵後すぐ命が尽きる」です。

また、サケの中には産卵前に体色が変化するものも少なくありません。赤くなることで知られるのが「ベニザケ」、第一問ででてきた「Sockeye」です。

産卵前のベニザケ。体色が赤く変化することが大きな特徴。写真上の身体が小さい方がメス。下がオス。

さあ、次はいよいよラスト問題!

【第4問】「サーモンラン」って何のこと?

a) サケの移動
b) サケの養殖
c)  イクラの収穫
d) サケを買いにお店に走ること

サケの一生の中でも一大イベントであるのが「産卵」。産卵のためにサケが海から川に大移動することを「サーモンラン(Salmon Run)」と呼びます。

このサケの移動は距離にして数千キロメートルに及ぶ大冒険。カナダのブリティッシュコロンビア州の小学校では、山の中の川にこのサーモンランを見に行く遠足やキャンプが恒例行事となっている学校もあります。

とても楽しそうな遠足ですが、実際に体験した筆者の子ども(小学生)によると、

「サーモンランの時期は、サケをねらうクマやワシも川に出没するから危険だよ。しかも、ワシは川でとったサケを木の上で身だけ食べて、食べ残しの皮と骨を落とすから、それが頭上から降ってくるよ。生臭いよ」とのことで、楽しいばかりではなく難点もあるようです。

サーモンランの季節は秋。種によって多少の違いはありますが、カナダの太平洋側では910月にかけてそのピークを迎えます。この季節にカナダへの旅行を計画している方は、ぜひ見に行ってみては。

野生のクマにとっても、秋の「サーモンラン」は冬眠前の栄養摂取の大チャンス。

筆者は実際にバンクーバー島のビクトリア近郊にある「ゴールドストリーム州立公園」に「サーモンラン」を見に行ったことがありますが、ここは人気の観光地で人が多く、クマもワシも出づらいので初心者にも行きやすいです。よりワイルドなシーンに立ち合いたい上級者は、ガイドをつけるなど入念な準備をして臨みましょう。 

市街地から車で30分ほどながら手つかずの自然が残る「ゴールドストリーム州立公園」(ブリティッシュコロンビア州・ビクトリア)。この川で見られるのは主に「Chum Salmon(シロザケ)」です。

サケの秘密にせまるサケクイズ、4問中いくつ正解できましたか?

カナダ産のサケは日本を含むさまざまな国に輸出されています。塩焼きや西京焼き、お寿司、おにぎり、ムニエル、クラムチャウダーなどさまざまな料理で楽しめるサケは子どもから大人まで大人気。サケに含まれるDHAは脳の健康に役立ち、身の赤い色の元であるアスタキサンチンは美容にもうれしい成分といわれています。まさに魚の優等生!

スーパーやレストランでサケを見かけたら、このクイズのトリビアを思い出してみてくださいね。

サケの刺身や寿司はカナダでも大人気です!

私が書きました!
カナダ在住/教育移住ライター
佐知ゆりこ

海外への教育移住や子連れ旅行について情報を発信するフリーライター。ライフスタイル、カルチャー、旅、子育て、海外移住、英語学習などに関する多数の記事を雑誌・Webメディアに執筆。海・川・湖などの水辺が大好き。海水魚についてちょっと詳しい二児の母。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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