マチュピチュやナスカの地上絵、ガラパゴス諸島、イースター島、イグアスの滝など、世界的な絶景が点在しています。
その中央に位置するのが、今回ご紹介するボリビア。
この国と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、「天空の鏡」として知られるウユニ塩湖かもしれません。
しかし、ボリビアの魅力はそれだけではありません。
国土の3分の1以上を占めるアンデスの山岳地帯には、日本では出会えないスケールの絶景が広がっています。
日帰りで行く標高5,320mの山「オーストリア峰」

筆者が訪れたオーストリア峰(Pico Austria)も、そのうちの一つ。
標高5,000m級の山であるだけに上級者向けに思えますが、スタート地点は既に4,300m以上。高山病さえ回避できれば意外と簡単に登頂を目指すことができます。
周辺にはアンデスの名峰「コンドリリ(Condoriri)」をはじめとする雪山、青く透き通る氷河湖、そしてこの地にしか生息しない希少な動植物の数々。
ボリビアなら、すべてを日帰りで体験することができます。
世界最高所の都市から始まる旅

旅の拠点は、標高約3,600m地点に位置する都市、ラパス(La Paz)。
憲法上の首都はスクレですが、行政・立法機関が集まるラパスが事実上の首都として知られています。

その標高は、ほぼ富士山の9合目に相当。
低地から一気に訪れると高山病のリスクがあるため、事前の対策は必須です。
必要に応じてダイアモックスの準備も検討しておくと安心でしょう。
登山ギアも現地調達!日帰りツアーがレンタル付きで格安

オーストリア峰への日帰り登山はサガルナガ通りに位置する「South Treks」で手配しました。

カラフルな街並みと土産店が並ぶこのエリアは、歩くだけでも楽しい観光スポットです。
ツアー料金は約1,200ボリビアーノ(約27,500円)。
複数人で参加すればさらに割安になり、場合によってはプライベートツアー状態になることも。

さらに嬉しいのが、登山ギアの無料レンタル。
トレッキングシューズなども事前にしっかり試着できるため、初心者でも安心して参加できます。
実は筆者、今回はまったく別の目的で南米を訪れていたので、必要な装備を一切持参しておりませんでした。恐らく、ボリビアを訪れる人の多くは登山目的ではないと思いますので、無料でレンタルできるのは旅行者にとって非常に有難いサービスだと思います。
なお、ツアー当日はレンタルショップの営業時間に間に合わないため、希望する場合は前日までに必ずリクエストしてください。
天候不安定でも絶景!ゆる山レポ

ラパスを出発したのは朝7時半頃、登山の開始地点までは車で約3時間の道のり。
駐車場付近の標高は既に4,000m以上で、そこに広がるのは木々のない広大な高原です。果てしなく続く草原と、どこまでも高い空。
まさに「地球の屋根」と呼ぶにふさわしい風景です。

筆者が訪れたのは10月なので現地では春のはず……。とはいえ、山岳地帯は最低気温が氷点下になることもあるせいか、高山植物はまだまだ咲いていませんでした。南米に自生する高山植物も楽しみたい方は11月以降に訪れた方が良いでしょう。

1時間程歩くと、美しい氷河湖チャル・コタ湖(Laguna Chiar Khota)に到着しました。
ここまでは道も整備されており、軽いトレッキングだけでも十分満足できる絶景が待っています。
山頂へ向かうルートは、徐々に傾斜が増すものの技術的な難所はほぼありません。

今回の登山には、往復で約8〜9時間程かかりました。
天候が不安定で、往路は雨や霰(あられ)に見舞われることも。

時々晴れ間に恵まれるものの、正気なところご覧のように雲の中を歩いている時間の方が長かったと思います。
天気が良かったらきっと息を呑むような氷河が織りなす絶景を見られたことでしょう。

5,000m付近になると青空が覗く頻度が増えてきました。酸素濃度は地上の約半分です。
一歩ずつ、呼吸を整えながら進むことが何より重要です。

近くに標高の目印があったので、休憩を兼ねて記念に一枚。
足元は岩場がメインとなりますが、歩くのが難しいと感じた場所はありませんでした。5,000m級の高地にこのような軽装で来られるのも夏のボリビアならではです。

真夏ではありますが、標高の高い場所には少しだけ雪や氷柱が残っていました。
登山開始から4時間で、ようやく頂上に到着。

昼食を食べていたら、アンデスカラカラのような鳥が遊びに来ました。
この日は雲に包まれ視界は限られていましたが、それでも5,000mの世界に立つ体験は格別です。

下山の様子はこちらです。
ようやく現れた晴れ間の中で広がる壮大な地形は、長旅の疲れを一瞬で吹き飛ばしてくれました。

周辺の高峰は拝めないままでしたが、壮大な地形が織りなす絶景は遠く離れた日本からでも訪れる価値ありといえます。
ベストシーズンは6月〜8月

南半球に位置するボリビアは、4月から11月にかけて乾季を迎えます。
特に登山に適しているのは、天候が安定する6月〜8月です。
一方、10月以降はやや天候が不安定になりやすいものの、季節の移ろいを感じられる魅力も。
なお、ウユニ塩湖の鏡張りは雨季限定ですが、乾季には真っ白な塩の大地が広がる幻想的な景色が楽しめます。
もしボリビアを訪れるなら、ぜひこのアンデスの絶景トレッキングも旅程に加えてみてください。
きっと、遠くても行く価値があると心から実感するはずです。





