9月21日の夕方は「アンタレス食」を観察しよう!次に見られるのは2042年!? | 天体観測・星 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

天体観測・星

2023.09.20

9月21日の夕方は「アンタレス食」を観察しよう!次に見られるのは2042年!?

月食は月が地球の影に隠される現象。日食は太陽が月に隠される現象です。

そして星が月に隠される現象を「星食」(せいしょく)と言います。月や太陽と違い、星は小さい点なので観察はやや難しくなりますが、光る星が月に隠れたり出てきたりする瞬間は、宇宙の広がりを体感できる瞬間でもあります。

9月21日はアンタレス食に注目!

921日の夕方17時過ぎから西の空で、さそり座の1等星アンタレスの星食=アンタレス食が起こります。星食自体は珍しい現象ではありませんが、アンタレスのような明るい星の星食はそれほどひんぱんには見られません。

アンタレスが月に隠される(潜入と言います)時刻は、東京で1726分。この日の日没が1741分ですから、まだ空には明るさが残っています。そのため潜入の瞬間を観察することは難しいのですが、月から出てくる(出現といいます)時刻は、東京で1851分。南西の空の高度17度と低めではありますが、空はもう暗く、視界が確保できれば観察できるでしょう。

といっても、出現にかかる時間はほんの一瞬です。着実にとらえるには、双眼鏡を使い、事前に視野の中に月の縁を入れて待機しましょう。月齢6の白い月の縁から赤いアンタレスが現れる瞬間が、どのように見えるのか、私も楽しみです。

9月21日の東京18時51分。南西の空の月とアンタレス。月の弧の真ん中あたりから出現する。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

潜入と出現時刻 (出典:アストロアーツ)

札幌 1724分→1844
仙台 1727分→1850
東京 1726分→1851
大阪 1718分→1845
福岡 1707分→1835
那覇 1708分→1834

次のアンタレス食は2042年まで見られない

ところで、星食は当然ながら月の通り道にある星にしか起こりません。月の見かけ上の通り道のことを「白道」と言います。太陽の見かけ上の通り道が「黄道」です。

星食が起きやすいのは黄道に近い星です。有名どころでは、しし座の1等星レグルス、おとめ座の1等星スピカ、おうし座の1等星アルデバランなどです。

しかし、星食が起きる星は毎年違います。今年はこうして9月に全国でアンタレス食が見られますが、 以降のアンタレス食は今年12月と来年6月に一部地域で昼間に見える悪条件のものだけで、その後は2042年まで待たなければいけません。

それは白道の位置が毎年少しずつズレるからです。白道は黄道に対して5度くらい傾いていて、およそ18年かけて黄道上をぐるりと一周しています。前回日本で夜間に見られたアンタレスの星食はちょうど18年前の2005年でした。

少しずつズレていく白道。2023年はさそり座のアンタレスにかかっているが、10年後の2033年にはおうし座の1等星アルデバランにかかる。(画像:ステラナビゲータ/アストロアーツ)

白道が毎年少しずつズレることで星食だけでなく、月食や日食が起きる日時、見られる場所も変わります。

逆に言うと、今年起きた月食や日食、星食などの現象は、およそ18年後に再現される可能性が高いと言えます。もちろん白道だけでなく、地球の軌道も毎年微妙に変わっているので、同じ場所で同じ現象が見られることはありません。それでも“似たような現象”がおよそ18年後に起こる可能性は高いわけです。

そんな先のことまで想像できるのは天体観察ならではの楽しみ方だと思います。では21日の夕方、赤いアンタレスが月の縁からポチッと出てくる瞬間をお楽しみください。

構成/佐藤恵菜

私がガイドしました!
星空案内人
廣瀬匠
星空案内人 天文系ライター。株式会社アストロアーツで天文ニュースの編集などに携わる。天文学の歴史も研究していて、パリ第7大学で古代インドの天文学を 扱った論文で博士号を取得。星のソムリエ®の資格を持つ案内人でもある。アストロアーツより、宇宙の不思議に出会うモバイルアプリ「星空ナビ」好評発売中。

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