北インドの秘境を歩く~ヌブラの北の果ての僧院と、緑豊かなスムル村へ | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2022.10.31

北インドの秘境を歩く~ヌブラの北の果ての僧院と、緑豊かなスムル村へ

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ヌブラ川沿いに続く広大な渓谷。

世界各地を飛び回る著述家・編集者・写真家の山本高樹氏。今年、ライフワークとするインド北部の山岳地帯を訪ねた。美しく、険しい秘境の旅をレポートする今回は、小さな僧院のあるエンサ・ゴンパへ向かった。

ヌブラ川沿いの古刹、エンサ・ゴンパを訪ねて

デスキットやフンダル、トゥルトゥクを訪ねた後、ヌブラの反対側、北東域にあたる一帯へと向かいました。ヌブラ川沿いのこのあたりには、スムルやテガルといった比較的大きな村や、温泉が湧いていることで知られているパナミックという村などが点在しています。今回の取材では、パナミックから川を挟んで対岸の高台にある小さな僧院、エンサ・ゴンパを訪ねてみました。

今回の取材に協力してくれた友人のロブザン。

ヌブラ取材には、古くからの友人、ロブザン・ツルティムが同行してくれました。ラダックのレーで旅行会社を経営するザンスカール人の彼に、僕はヌブラを取材するためのチャーター車や宿の手配を依頼したのですが、「ヌブラかあ……俺が自分の車を出すから、一緒に行ってもいいか? 車代は払わなくていいからさ」という想定外の提案をされて、おっさん二人での珍道中となったのでした。

渓谷を見渡す高台に佇む、エンサ・ゴンパ。

途中で何度か地元の人に道順を訊きながら、エンサ・ゴンパに到着。同じヌブラにあるゲルク派の僧院、デスキット・ゴンパの分院にあたるそうです。僧侶の方々がいなかったので、お堂の内部を拝観することはできなかったのですが、荒涼とした岩山と、背後にある小さな森とのコントラストが印象的な僧院でした。

緑の豊かなスムルの村と、彼方にそびえる雪山。

仏塔と木の影でくつろいでいた牛。

穏やかな時間が流れる村、スムルで

この日の宿は、スムルにあるロブザンの友人が経営するゲストハウスでした。スムルは、このあたりではかなり大きな村で、豊かな水源に恵まれているため、背の高いポプラの木立や青々とした畑地が至るところにあり、静かで穏やかな時間が流れていました。

サムタンリン・ゴンパの内部。

スムルには、サムタンリン・ゴンパというゲルク派に属する大きな僧院があります。お堂の内部には金色の大きな仏像が祀られていて、荘厳な雰囲気を醸し出していました。

ヌブラの野菜をたっぷり使った晩ごはん。

ロブザンの友人が経営する宿でいただいた晩ごはん。控えめにスパイスで味付けした茹で野菜とパニール、ダール(豆のカレー)、野菜サラダ、バスマティライス、焼きたてのチャパティ。地元で穫れた新鮮な野菜が、本当においしくて。ヌブラの野菜の甘みと旨みを思うぞんぶん味わえた、贅沢なひとときでした。

私が書きました!
著述家・編集者・写真家
山本高樹
1969年岡山県生まれ、早稲田大学第一文学部卒。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダックとザンスカールに長期滞在して取材を敢行。以来、この地方での取材をライフワークとしながら、世界各地を取材で飛び回る日々を送っている。著書『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。最新刊『旅は旨くて、時々苦い』(産業編集センター)発売中。

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