おんなひとり、お遍路しながら88の煩悩について考えてみた―煩悩① 1番礼所「霊山寺」 | 日本の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

日本の旅

2018.01.08

おんなひとり、お遍路しながら88の煩悩について考えてみた―煩悩① 1番礼所「霊山寺」

四国のお遍路のスタートは、徳島県鳴門市大麻町にある1番礼所「霊山寺」。最寄の坂東駅から徒歩約10分で着く。駅から降りると、お遍路さんを歓迎する看板がところどころにあり、これからお遍路を始める気持ちを高めてくれる。通常、「順打ち」と言われる1番から順番にまわる場合はこの寺からお遍路を始める人が多い。うるう年の場合、88番礼所から始めて1番を目指す「逆打ち」をするとご利益が3倍あると言われる。

霊山寺の山門。近隣には、白衣や金剛杖などのお遍路グッズを販売する店が立ち並ぶ。仕事を辞めてお遍路を始めたので、あまりお金をかけずにまわろうとしたが、グッズを購入するだけで1万以上の出費。最低限の白衣、納経帳、菅笠を購入し、なんとかお遍路をスタート……(汗)

霊山寺の太子堂。弘法大師が眠ると言われ、88か所すべての寺にある。本堂の写真を撮っていると、お守りを販売している老婦に「お寺の写真は、お墓の写真を撮るようなもの」と教えてもらう。

境内にある水子地蔵。88か所をまわるなかで水子地蔵は何度も目にする。こうして無事に生きている奇跡を思い知る。

山門を入って左にある縁結び観音。男女の縁だけでなく、仕事、健康、幸福などさまざまな縁を結んでくれる。この先のへんろ道で、すばらしい出会いがあるようにと願った。

じつは1番礼所よりも先に訪れたいところが、霊山寺から北へ1.5kmほど離れた「大麻比古神社」だ。この神社は交通安全の神さまをまつっており、道中の安全を祈願するお遍路さんが多い。これはお遍路するなかで知り得た情報で、出会う人の話が旅のヒントになる。

四国のお遍路は88か所と言われているが、「別格20霊場」という寺が20か所存在する。88か所に加え、この20か所をすべてまわると108か所になる。除夜の鐘の数で知られるように、人の煩悩の数と同じになる。
 
煩悩その① 雨風しのげるところで眠りたい
 
多くの日本人の場合、屋根があり、雨風をしのげるところで生まれ育った人は多いだろう。私もそれが当たり前すぎて今まで気づかなかったが、お遍路を進めるにあたり家で眠れることはどんなにありがたいことかを痛感した。仕事を辞め、貯金もそれほどなかったので、とにかくお金をかけずにまわりたかったので、野宿をする予定だった。しかし野宿初心者にとっては、この時期(11月)の野宿はかなりの勇気が必要だった。寝ている間に誰かや何かが迫ってくる怖さ、野ざらしで夜風や雨に打たれる落ち着かなさで、とても眠れそうにない。人間生活にとって1番目に必要な煩悩(本能?)は、「安心して眠りたい」だ。
 
6番礼所「安楽寺」の山門にある鐘撞き堂。野宿するお遍路さんを助けるため、寺の人にお願いすると泊めてくれる。秋の夜は暗く、寒く、怖い。屋根があるところだけでもありがたいのに……家で眠ることのありがたさを痛感したのだった。
 
(つづく)
 
            ☆プロフィール☆
           重野友紀 (しげの ゆき)
フォトグラファー。ハンで押したような日常生活が苦手で、常に変化を求めている。安住の地はいずこ……。
HP:https://www.yukishigeno.com

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