【SMALL TALK】Vol.14 ceroインタビュー

ceroの真骨頂! 4thアルバム発売

ceroが3年ぶりとなる待望のニューアルバムを2018年5月16日にリリース。2015年に発売された前作『Obscure Ride』はオリコンウィークリー8位を記録し、ceroの世界観を代表する1枚としても人気を博した。2016年、’17年と日比谷野音でワンマンライブを開催。また、フェスなどにも多数出演し、いまや日本の音楽シーンを引率するバンドのひとつとなっている。

ライブ時には、従来の光永渉、厚海義朗といったリズム隊に加えて2016年末からは古川麦、小田朋美、角銅真美という新たなサポートメンバーが加入した。今回のアルバムからは、そのメンバーがレコーディングにも参加。楽曲はさまざまな手法で作られ、それぞれの感覚を凝縮したものに。さらに男女混声のコーラスが折り重なることで作り上げられる、甘美な雰囲気と男らしさの間は、これまでにない不思議な音を鳴らしている。

ブラジル、アフロ・ミュージック、ポストロック、ニューウェーブ……彼らがもつ多様な音と新たに加わった音楽性を反映させた、珠玉の12曲。バンドの真骨頂と評される『POLY LIFE MULTI SOUL』について、メールインタビューを決行。彼らの制作秘話を教えてもらった。

 

新しいメンバーの能力を活かせる楽曲を

―――アルバムを作ろう!となってから、どれくらいの制作期間があったのでしょうか。

髙城 ざっくりと2016年10月ごろから動き出していたと思うので、丸一年と半年ぐらいでしょうか。

―――この曲は、完成まで苦労した…という曲があれば、教えて下さい。

荒内 これまでリリースした3枚のアルバムの流れは受け継いだ作品には、なっています。

基本的に今作で自分の曲は髙城に詞を書いてもらいました。例えば「Buzzle Bee Ride」という曲は7拍子で、コードはハービー・ハンコック系のジャジーなものです。そこに英語詞ならまだしも、日本語を乗せるのは参照できる前例がないですし、かなり難儀しているようでした。結果的に彼らしさと新たにSFっぽさが加味された歌詞を書いてくれてクールな仕上がりになったと自負しています。

―――2016年からバンド編成が変わったことで、必然と作りたい音楽も変わった感覚はありますか?

荒内 いままでceroできっちりと会議をして「こうしよう」と方向性を決めたことはありません。サポートメンバーが入れ替わったことで彼、彼女たちの能力を活かした楽曲を、という意識は常にありました。それと自分たちがやりたいこととのバランスで楽曲が変わっていきました。もちろん前作からのサポートメンバーである光永さん(Dr)、厚海さん(Ba)からインスピレーションを受け取って楽曲に反映されることもあります。エラそうで申し訳ないですが、この2人がミュージシャンとしてものすごく良くなっているので、そこも変化した要因のひとつだと思います。

―――髙城さんが「さまざまな手法でレコーディングされた」とおしゃっていましたが、具体的に手法として新しく取り入れた部分、その曲。なぜ、それを取り入れることになったのかを教えて下さい。

髙城 全員で「せーの」で録音をする、いわゆる一発録りを珍しく取り入れました。アルバムの多くの曲がその手法によって録られています。ライブで演奏することを主な目的としていたためなんです。

 

自然の音や子どもとの時間が音楽を作るヒントに

―――この3年の間に髙城さんは、お子さんが生まれたり環境の変化があったと思います。それが音楽に影響していますか。

髙城 そうですね。子どもが保育園から帰ってくる夕方までに一旦作業に区切りをつけるようになりました。子どもと長時間道に座り込んで見た景色などに影響を受けて、「Double Exposure」の歌詞などを書きました。

―――以前、インタビューさせていただいたときに「散歩」がひとつのは曲作りの大事な要素 というようなことをおっしゃっていましたが、 今回はいかがでしたか?

橋本 僕は引きこもって作業をしていましたが、公園を流れる小川の音は散歩中に録音して直接音源に入れました。

―――30歳を過ぎて、音楽に対する考えが変わった部分はありますか?

橋本 多少はあるかもしれないですね。20代はやりたいことは何でも形にしてみようというスタンスでしたが、30代になってからはある程度やりたいことを絞った方が人に伝わりやすくなるのかなと思っています。

―――アルバムを作るうえで、よく聞いていた曲や好きなミュージシャンを知りたいです!

荒内 影響を受けたものは多岐に渡っていて何かひとつをあげるのは難しいですね……。ただブラジルのジャズギタリスト、ロウレンソ・へベチスの『O Corpo de Dentro』は民族音楽をジャズやヒップホップ、ビートミュージックといった、いわば都市的なものと接続するんだ、という意思が感じられ、今回のアルバム『POLY LIFE MULTI SOUL』と通じるところがあると思います。民族楽器と電子楽器をただ一緒に鳴らすとかイージーな発想ではなくて、例えば民族音楽の太鼓のリズムの訛りがヒップホップのビートの揺らぎと似ている、だから接続可能なんだ、という考え方に立脚していると思うし、そこに共感しています。

―――5月25日からはツアーも始まります。新しいアルバムと回るツアーはどんなものになりそうですか。

髙城 ライブを想定してつくられた楽曲が多いので、かなり盛り上がるのではないかと想像しています。ステージ上で8人が忙しく立ち回る姿も目で見て楽しいのではないかと!

今年はありがたいことに、フジロックにも出演させていただきますが、みなさまの素敵な2018年の思い出になるように全力を尽くします!

 

 

『POLY LIFE MULTI SOUL』

 

01.Modern Steps
02. 魚の骨 鳥の羽根
03. ベッテン・フォールズ
04. 薄闇の花 
05. 溯行 
06. 夜になると鮭は 
07. Buzzle Bee Ride
08. Double Exposure
09. レテの子 
10. Waters
11. TWNKL
12. Poly Life Multi Soul

初回盤A(CD+DVD)3,400円
初回盤B(InstVerBONUS CDつき)3,400円
通常盤2,900円

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文=中山夏美

 

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