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10月28・29日に開催された「JAPAN OUTDOOR GEAR SUMMIT 2025」で、燕三条の歴史と技術力に触れた後、世界が注目する日本ブランドの新作・話題作を探してきた。
今すぐほしい!焚き火&薪ストーブ
本格的に寒くなり、あったかグッズの情報が恋しくなる。焚き火と薪ストーブ関連の製品をチェック。
待望のガスヒーターがいよいよ登場

法律が変わり2019年に惜しまれつつ生産終了となった「ハンディガスヒーター ワームⅡ」と「コンパクトパワーヒーター UH-C」。手軽に足もとや手先をあたためられるモノがほしいという声に応え、待望の後継モデルが登場した。
それが「パワーヒーター」。従来モデル同様の液出しだが出力は1,006kcal/hと従来モデルより200〜250kcal/hパワフルになった。
うれしいことに12月より1万6500円で発売開始だ。
ちなみに、「ワームⅡ」のように燃料を本体に埋め込むスタイルはより厳しい制限があるため、製品化が困難なのだとか。残念。
超ロースタイルでもローインパクトな焚火台

こちらは来期登場する焚火台。全高10cm(ゴトク使用時15cm)の超ロースタイル焚火台「ファイアレイル」を開発。本体下の遮熱板を二重にすることで、芝生のコゲを防止するという。
フィールドテストでは井桁に組んだ薪でぼうぼうと60分間燃焼させて計測したところ、温度が最高になったのは40分後。直下の遮熱板は100℃に達したものの、2枚目で半分の50℃、そして地面の温度は28℃に収まったそう。1万3200円。

収納サイズは39×23×H5.5cm 、重量約3kg。
「超ロースタイルの焚き火ってカッコいいなと思って取り組みました。地面への輻射熱問題を克服した自信作です」(加賀田さん)
細部までこだわったステンレス製風防

ファイアグリルの半面を囲える大型風防。ステンレス鋼で各辺に曲げ加工を入れることで強度を確保している。短時間なら自立するので、ペグで固定するのも造作ない。

1万5400円となかなかの価格だが、0.5mm厚ステンレス鋼に折り加工を施し、裾には3か所のループ金具を装備するなど手がかかったプロダクトなのだ。
縦長なのに長い薪を受け止めてくれる薪ストーブ

YouTuberのFUKUさんとキャプテンスタッグのコラボ商品第二弾。
同社「KAMADO煙突ストーブ」に似た円柱状だが、大型のガラス窓と、本体を閉じても燃焼をコントロールしやすい空気孔付きだ。

前面にあるのは上開きの扉ではなく、長い薪を支えてくれる受け皿。しかも受け皿と窓は同じプレートに取り付けられているので、ガバッと開く。そのためロストルの位置を3段階から選べるようになった。

いろいろな調理ができる組蓋を採用。

煙突は3節で、本体の中に収納して持ち運べる。これで想定価格が1万9800円だというからコスパよし!
二次燃焼室付きでパワフルに燃やし尽くす

PTYGRACEの薪ストーブは新製品ではないが、二次燃焼室を設けた本格派で多彩な調理ができるとアピール。手入れが簡単なステンレス製で重量8.5kgと持ち運びやすさにもこだわっている。価格は6万3800円。

脚にはペグ固定用の穴が付いているなど安定性も良好だ。煙突はφ80mm。本体に台を入れてピザ窯、組蓋にクラッド羽釜を落とし込んで炊飯なんてことも可能だ。
やっぱり気になる燕三条の調理器具

新潟5大ラーメンのうち2つが燕三条エリアにはある。燕背脂と三条カレーだ。
中でも燕背脂ラーメンは全国からラーメン好きが目指す人気者で、2022年には文化庁の「100年フード」に認定された超有名ご当地ラーメンだ。

この燕背脂の代表格が、ご存じ杭州飯店。
のびにくく腹持ちの良い太麺と、たっぷりの越後もち豚の背脂が載ったラーメンは燕エリアのソウルフード。年越しはそばではなくラーメンだという家庭も多いそうだ。

じつは杭州飯店で使われているザルはユニフレームで知られる新越ワークスの製品。
新越金網の創業者夫人が自ら編んだザルを納品していたのをきっかけに、杭州飯店は「できるだけ丈夫なザルがほしい」とオーダー。新越金網はそれに応えるようにアップデートを重ね、金網メーカーの道を歩み始めたのだそう。

その縁もあり、杭州飯店では名入りシェラカップを販売している。ユニフレームのロゴも入ったダブルネームだ。
工場同士はもちろん、地域との絆で製品を開発しているのも燕三条エリアの魅力といえそうだ。
ここからは「JAPAN OUTDOOR GEAR SUMMIT 2025」会場で見つけた、なんだか気になる調理ギアをピックアップ。
熱きおでんへの情熱を感じ取って!

ユニフレームのつる付きのステンレス製クッカー「焚き火鍋26cm」に入れるおでん仕切り。1980円。
これまで「ユニセラ熱燗あぶり台」や「UFおでん鍋」を発表してきた、なみなみならぬおでんへの情熱をもつユニフレームらしい製品だ。
もちろんなくてもおでんの味は変わらないが、仕切りがあると串ものがスッキリまとまりプロっぽい見た目になる。
「焚き火鍋26cm」のステンレス蓋も発売予定。
ソロ&デュオ向きの焚き火鍋

同じくユニフレームはマルチポットをベースにした小さめの焚き火鍋を発表した。深いポットなので揚げ物をするのも安全だ。
ハンドルのないカップと極小トング

ベルモントブースでは0.3mm厚のチタン板をプレスしたハンドルなしカップと、超小型リフターがお目見え。「ポットリフター」は「山箸」と全長が同じで「チタンULネストカップ280」の中に収まる。

「チタンULネストカップ」は280、350、460、650の4サイズ(1540〜2200円)。側面はわずかに弧を描く形状で、重ねやすく取り出しやすい。もちろんサイズ違いを入れ子にしてもいい。

全長75mm、重量9g。コンパクトだがぐらつくことなくクッカーやカップをがっちりつかめる。つかむ向きは両側どちらでもOK。向きによって角度やハンドル幅が変わるので、自分なりに使いやすい方法を探すのが楽しい。レトルトを湯から引き上げるのにも便利。
アルミ溶射でチタンの弱点を克服したクッカー

2025年発売の「チタントレールクッカー」だが、早くもより扱いやすくなった進化形が登場だ。ポットとフライパンの熱が当たる部分にアルミ溶射すえうことで、熱効率が高まった。
重量は磁石入り蓄光ツマミとケースをのぞくと合計206g。6g増加したが、目玉焼きや炊飯が格段に楽になるのは大歓迎。
人目を引くデザインだけど実用的なキッチンツール

こちらはラルファのコーティングを傷めにくい樹脂性キッチンツール3本セット。置いたときに先端が浮くように設計されているのでアウトドアでも衛生的だ。
ターナーはフライパンの縁にフィットする形状、おたまは先端が薄く最後まですくえるなど、どちらも取りこぼしが少ないデザインになっている。特徴的なフォークは菜箸感覚で麺をほぐせるそう。見た目以上に実用的。
6面真空パネルで保冷効果アップ

JEJアステージの最新クーラーボックスはVIPシリーズ。VIPはVACUUM INSULATED PANELの頭文字で、6面すべて真空パネルを採用している。
氷の残存時間は容量26Lで57時間、16Lは53時間、12Lが40時間。従来のコアフラックスシリーズに比べて飛躍的に保冷力が高まっている。
また、コンパクトな12Lでも1Lペットボトルを寝かせて4本、500mL缶を立てて12本収納できるなど飲み物を入れるときのストレスを感じないサイズなのもイイ。

脚は滑りにくく、衝撃吸収にすぐれたゴム脚を採用している。従来モデル同様、蓋の耐荷重は100kgで椅子代わりにできるし、積み重ねもOKだ。南京錠をかける穴付きなのも従来通り。
12Lで7980円、16Lは9800円、26Lが1万1800円。
保冷材の置き場所を確定したクーラーボックス

バンドックは2025年に話題となったハードクーラーとクーラーバッグを今季もアピール。どちらも猛暑対策の必需品で、「クーラーボックス 保冷材付」は置き場所に困る保冷材を蓋裏に固定できる意欲作。2026年も引き続き注目したい。
沼に陥りやすい収納グッズにも注目
小物をどうやって持ち運ぶかは永遠の課題。手持ちの道具との相性次第なので、とっかえひっかえ試すしかない。
焚き火道具と薪をひとつにまとめる新発想

バンドックの薪バッグは、急な雨でもサッとカバーして薪を濡れから守れるロールトップタイプを採用。たっぷりポケットがあり、火バサミや焚火台なども収納できる。薪と焚き火道具をすべてまとめて持ち運べるバッグというのは新鮮かも。
工具箱をベースとしたカトラリーケース

かつて、ユニフレームではハンマーとペグが収まる工具箱風のペグメタルケースが発売されていたが、新作のカトラリーケースは一回り小さな26.5×12.5×H5cm。ユニフレームのカトラリーや割り箸を収めるのにちょうどいいサイズになっている。
大きく開くので下になった箸も取り出しやすい。
もちろんカトラリーにこだわる必要はない。ジュラパワーペグ250が収まる長さでペグケースにもなる。また、ほりにしのような大瓶は入らないものもあるが、小瓶や袋入りスパイスは余裕で入る。5500円。
日本ブランドの新作は期待大!
会場に並んでいたのはていねいに作り込まれた製品ぞろい。日本ブランドの繊細なこだわりが、来シーズンのアウトドアシーンを助けてくれそうだ。







