
道具はほぼ自作です!
市販品からヒントを得てオリジナルテントにも挑戦!
昨今、DIY派のキャンパーが増えているとはいえ、テントまで作ってしまう人はそう多くないだろう。三重県に住む伊藤さんは、独学でミシンをマスターし、自作テントとタープでキャンプを楽しんでいる。
温もりのあるキャンプ空間に

ポリエステル生地を縫い合わせて製作したスクエア型のタープ。防水のため縫い目にシムテープを貼ってある。サイズは6ⅿ×3.5ⅿ。

強度の必要な箇所は撥水性の6号帆布で補強。シムテープはキャプテンスタッグ製。

桜の枝をリューターで削り、LEDを内蔵。ナチュラルな雰囲気のキッチンライト。

自作へのこだわりは小物にまで及ぶ。自在は木目の美しいカリンの木を加工したもの。
「裁縫の経験はまったくなかったのですが、たまたま母親が高性能なミシンを持っていたので、それを借りてタープを作ってみようと思ったんです。いま見ると縫い目が曲がっていたりと不満もあるのですが、そこそこ上手くいったんですね。それで次はテントも作ってみようと」
まず市販品の構造を参考にし、冬用テントを製作。それが成功すると今度はオリジナル設計の夏用コットンテントも作った。
オリジナル設計の夏用テント

撥水加工のコットン生地で作った夏用テント。2本のポールとペグダウンで簡単に設営ができる。幅2ⅿ、高さ2ⅿ、奥行き2.5ⅿ。
「テントは平面だけのタープと違い、立体に縫い合わせる箇所もあるので難度はかなり高くなります。仕事終わりに1~2時間こつこつ作業していましたが、完成まで2か月もかかってしまいました。苦労したのは縫い目に防水のためのシムテープを貼るところですね。シワにならないよう生地をひっぱりながらアイロンで接着するのでかなり時間と神経を使います」

前後に大きなメッシュ窓を設けてあり通気性は抜群。丸めた窓はヌメ革のベルトで固定する。

コールマンの「トレイルヘッドコット」がぴったり2台収まるよう設計されている。
この夏用テントでは約20ⅿの生地を使用。製作費はしめて7000~8000円だったそう。
焚き火を快適にする優れもの

風の強い日の焚き火で活躍する陣幕もコットン生地で製作。火の粉や灰の拡散を防ぐほか、プライベートな空間作りにも重宝。
目に入るところはすべてお洒落に

帆布とレザーで折りたたみ式ドリッパーとペーパーフィルターのケースを製作。形状は市販品を参考。
材料は安価でも作りは本気

100均のベニヤ板で作ったランタンケース。端面を45度に切断し、木口を見せないように組み立てた。
家庭用溶接機で「鉄」にも挑戦

100Vの家庭用溶接機を購入し、金属加工にも挑戦中。写真はφ9㎜の丸棒で製作した焚き火ラック。
ハイバックのウッドローチェア

市販品の背もたれが短く不満だったためハイバックのローチェアを自作。分割してコンパクトに収納可能。
伊藤芳樹さん(40歳)
恭子さん(48歳)
碧泉さん(7歳)
キャンプ歴3年ながら、木や革、布、鉄など、あらゆる材料でDIYを行なう達人。職業はネットワークエンジニア。薪ストーブのあるログハウスに住んでいる。
Instagram @leaf_style_1227
(BE-PAL 10月号 2019より)