

スイス在住ガイドとしてツェルマットやグリンデルワルトにてハイキングやスキーをご案内。2児の母。スイスと日本の架け橋になる活動に努める。
【ノルウェー】自然享受権を活用してフィヨルドで贅沢なテント泊
私有地であろうが自然を楽しむことができる自然享受権を保障しているノルウェー。
しかし、一定のルールはある。建築用地、工業用地はだめで、自然の中でも畑や牧草地のほか、未開拓地や島も避けなければならない。
テントを張るとき、人家から少なくとも150m離れている必要がある。1泊は自由だが、同じ場所に2泊以上したい場合は、山の遠隔地を除き土地所有者の許可を得なければならない。また、ロフォーテンなどの人気観光地は、夏はキャンプ場以外でテントを張れないことも。
ノルウェーにはノルウェートレッキング協会(通称DNT)が550以上のキャビンを運営しており、なかには夕食と朝食が付いてスタッフが駐在するロッジもある。

海から山がそびえ立つ北部ロフォーテン諸島のU字谷。
何もしない時間が幸せ!

夏は一日中太陽が沈まない白夜の時季があり、美しい景色をのんびり眺められる。
ゆらゆらSUP体験!

世界遺産のヴェーガ群島は6500もの島が浮かび、穏やかな海をSUPで楽しめる。
マウンテンバイクでGO!

ロンダーネ国立公園内のテント場まで自転車でアプローチし、登山をする人も多い。
【スウェーデン】ノルウェーのお隣もルールを守ればどこでもテント泊!
ノルウェー同様にスウェーデンも自然享受権がある。
気を付けたいのはキャンピングカーの運転だ。オフロード運転が禁止されているほか、森やビーチ、牧草地、芝生での駐車も禁止。ただし、アスファルト、砂利など耐久性のある硬い地面であれば駐車が許される。
焚き火も注意が必要だ。森林火災を防ぐため、特定の地域で火気使用禁止令が出ることがある。人気のエリアは、標識や看板で火気厳禁と表示されていることが多く、見落とさないようにしたい。
水場の近くは人気エリア

神秘的で静かな森に囲まれた南スウェーデンのイメルン湖は、水泳もできる人気エリア。
焚き火は要注意!

首都ストックホルム近郊の森で、キャンプと焚き火を楽しむ様子。
※写真/Moe、Emma Feurst、Apelöga/imagebank.sweden.se、Eigernordwand、k-pics kentaro、metistravel.jp
【スイス】州ごとにルールが異なるがテント泊は原則キャンプ場のみ
自然と動物の保護を重視するスイスでは、原則キャンプ場以外は山でもテント泊不可。駐車場でのキャンピングカー泊も認められていない。
森林限界を超えた高山では1泊のみテント泊が許可されるエリアもあるが、州によりルールが異なり例外もあるので、地元の警察署や自治体への確認は必須だ。
アイガーやマッターホルンなどの高所登山をする場合は、山小屋に泊まるか、麓のキャンプ場を利用するのが一般的になっている。

アイガー北壁の絶景を一望できるグリンデルワルトのキャンプ場。
山の麓は施設が充実

夏も冬もテントを張ることができる施設が、ターミナル駅に近くに。
夜はロマンティック!

ヴェッターホルンをバックにして、夜明かりが美しい雰囲気を醸すキャンプ場。
【アイスランド】運が良ければキャンプでオーロラを見られるかも!
国立公園や私有地、指定場所以外でのキャンプは許されないアイスランド。例外で、近くにキャンプ場がなく、テント禁止の標識がない場合は1泊のみテント泊ができる。
決められた場所以外でのキャンピングカーの駐車もNG。
ほとんどのキャンプ場は5月~9月の夏場のみ営業する。夏は白夜が続いて暗くならないため、光に敏感な人はアイマスクの携行がおすすめだ。
予測不可能な暴風雨や気温の低下もあるため、夏でも防寒具は忘れないように。
国内全土でオーロラが

世界遺産に登録のシンクヴェトリル国立公園にあるキャンプ場。オーロラは9月が見ごろ。
魔女の帽子のような山!

キルキュフェットル山は標高463mだが、登山難度は高い。
【アルジェリア】灼熱の砂漠が広がるエリアでも雨での溺死に要注意
迷う危険があるのでアルジェリアでの砂漠キャンプはガイドが必須。スタッフが料理をし、荷物はロバや車で運ぶスタイルが一般的だ。
冬季は寒暖差が激しく、夜は2度C前後に冷え込むので防寒に優れた寝袋が必要だ。
日差しが強く乾燥も激しいので水分補給は大切。サングラスや日焼け止め、リップクリーム、保湿クリームは男性も必携。砂漠は水を吸いにくく、雨で洪水が発生し溺死することもあるので要注意。

タッシリ・ナジェールは「水の多い台地」の意。水が豊富だった!?
貴重な水場のオアシス

砂漠で一番多い死因は溺死といわれているので、油断は禁物。
楽しみの食事時間

その場で小麦粉からパンを作り焼く。主食のクスクスも出る。
※構成/西村志津
(BE-PAL 2025年5月号より)