
編集部・オガワが取材を敢行!この日は宿泊者の2割が外国人だった
最近は都心だけでなく、人里離れたところでもインバウンドを多く見かけるようになった。スノーボードや富士登山など、アウトドアを体験しに来日する人が多いとのこと。「ではキャンプはどうなんだろう?」と疑問に感じたBE-PAL編集スタッフ・オガワは、いまなお予約が取りにくい大人気キャンプ場、洪庵キャンプ場へ意気揚々と向かった。
が、取材日当日はなんと雪!!
「誰もこんな天候でキャンプしないよな」と意気消沈していたが、午後から続々と宿泊者がやってきて、気づけば湖畔サイトは満員。蓋を開ければ宿泊者の20%が外国人だった!
泊まっている人のほとんどがアジア系で、中国人と台湾人が約8割。「このキャンプ場を知ったきっかけは?」と聞くと、正面に富士山を見ながら泊まれるとSNSで知った人が多数。アニメ『ゆるキャン△』のロケ地だから、という人も。取材中、志摩リンのコスプレで撮影している外国人を発見! アニメ効果、すごい……。
意外だったのは、オーバーランドスタイルのレンタカーで国内を転々とキャンプする強者もいたこと。ポータブル電源や灯油ヒーターも借りられるので、とても便利なんだとか。
もっと暖かくなったら、キャンプ場は外国人キャンパーでいっぱいになるのでは!?
軍用レアテントが光る
ビンさんカップル

キャンプ歴3年のビンさんは、富士山を眺めながら泊まりたいと、彼女さんを連れて宿泊。ヒルバーグの「ナマッジ2GT」は軍仕様で、ほとんど手に入らない希少品だ。

表札代わりに使っている提灯は、ビンさんのあだ名入り。
ULスタイルで大満喫
シャオさん(右)チーさん(左)

同じヒルバーグの「ウナ」を使っているおふたり。38exploreやソマビトなど日本のブランドも愛用中。キャリーバッグに収まるようコンパクトになるサイズの道具が中心だ。

韓国ブランド・ガスコムが日本向けに製作したガスヒーターで湯沸かし。
小道具まで徹底再現!
シアさん

SNSでメンバーと連絡し、ひとりで参加した強者。アニメ『ゆるキャン△』がきっかけでキャンプを始め、ギアからマフラーまで登場キャラが使うものを使用。

中国限定で販売されていた、『ゆるキャン△』とモビガーデンのコラボチェア。
シックな色のオーバーランドスタイル
マルティネリさん夫婦

結婚20年の記念に、富士山が見える場所でキャンプしたかったというおふたり。キャンプ歴は1年と浅めだが、スムーズな設営でサイドウォールまでしっかりセット。ポータブル電源も持ち込み、キャンプも仕事もバッチリだ!

前期型のデリカD:5をアウトドア仕様にカスタムし、その上にエコテックの4人収容できるルーフテントを搭載。

外国人向けのキャンピングカーレンタルを行なうクラウドナイン。キャンプ用品も全部レンタル可。
カラフルなシェルターが愛用品
ケイラさん(右)、ケルビンさん(左)

「スノーボードとキャンプをしに日本へ来ました!」という超アウトドア好きなおふたり。道具はいずれも自国から持ち込んだもので、ハイキングをすることからギアはどれも軽くてコンパクトなものを使っている。

カナダ発のブランド・ダーストンのシェルターは、トレッキングポールを2本使って設営。

ベルンの「トレッキングパッド」は、3工程で組み立てられる便利で軽量なテーブル。
レンタルだけど超快適な装備
カラさん(右)、カーターさん(左)

日本で初めてキャンプをするおふたりは、旧1,000円札の裏側の絵を見たいと宿泊。ギアはすべてキャンプ場のレンタル品を使っているのだが、テントからファニチャー、寝具、コンロまで、フルセットで¥17,400とお得! 大満足の様子だった。

オレゴニアンキャンパーのチェアカバーは起布素材でふわふわ。寒いときも安心。
編集部・オガワが感じた外国人キャンパーの特徴 3つのポイント

1 情報収集はインスタとYouTube
キャンプ場内をくまなく紹介するYouTuberや、位置情報を入れた映え写真のインスタ投稿が有力な情報源。
2 ザック派よりキャリーケース派が多数
キャリーケースは大容量なのでテントや椅子を収納。コインロッカーや店の預け入れも楽なのが◎。
3 高規格より絶景を優先
設備の清潔感や充実度より、「目の前が富士山」「アニメのロケ地」などわかりやすい日本らしさがポイント。
洪庵キャンプ場

本栖湖と富士山を丸ごと見られる絶景キャンプ場として名を広めた。アニメ『ゆるキャン△』のロケ地として使われ、外国人からの人気も高い。冬場は湖畔のみ、4月〜11月はテント村もオープン。
住所:山梨県南巨摩郡身延町中ノ倉2926
問い合わせ先TEL:0556(38)0117
営業:通年
定休日:不定休
HP:https://kouan-motosuko.com
※構成/小川迪裕 撮影/三浦孝明
(BE-PAL 2025年5月号より)