コーヒーの味が劇的に変わる!ハンドドリップするときの「お湯の注ぎ方」を伝授
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    2020.04.23

    コーヒーの味が劇的に変わる!ハンドドリップするときの「お湯の注ぎ方」を伝授

    私が書きました!
    Old Lanterns Cafe
    岸本考司
    野外イベントやマルシェに出店してドリップコーヒーを販売する移動式コーヒースタンド「Old Lanterns Cafe」店主。 豆の仕入れから焙煎まで自ら手がけ、イベントではたまに自主企画のワークショップも開催する。年に一度、滋賀県でキャンプイベントも主催。通販サイトでオリジナルのコーヒー豆も販売中。 https://olc2013.thebase.in/

    湯の注ぎ方でコーヒーの味が変わる!

    円錐形のドリッパーは中心から「の」の字を描いて中心で終わる注ぎ方で

    コーヒーをドリップするとき、みなさんはどのように注がれていますか?

    ケトルからそのまま熱湯をカップ麺にお湯を注ぐように入れる人は少ないと思いますが、もしその様なドリップをするとどうなるのでしょうか。紅茶くらいの色をした薄〜いコーヒーが出来てしまいます。その薄いコーヒーが好きという方には正解かも知れません。

    では、それなりにしっかりした味わい(ボディ感)を出すにはどうすればいいのでしょうか。今回は、ドリップする時のお湯の注ぎ方にスポットを当ててお話したいと思います。家でも実践できるので、お時間があるときにやってみてください。

    ドリップ専用のポットで淹れるのがイチバン

    チャムスから昨年10月に発売されたドリップポット。手頃でドリップしやすく、逸品です。

    注ぎ方を安定させるには、ドリップポットを使うほうが良いと思います。

    ドリップポットとひと口に言ってもいろいろな種類のポットが存在します。口の大きなケトルやヤカンでも出来なくはありませんが、安定させにくいですし、それこそビギナーにはケトルで細く安定したドリップは厳しいと思います。しかし、ケトルの口を加工して細いお湯が注げるように改造されているツワモノキャンパーさんもいらっしゃいます。ご自分で作られた愛用ケトルで淹れるコーヒー、それもまた醍醐味のひとつですね。

    ケトルはアルミ製のものが多いですが、ドリップポットの素材は大体ステンレス製、銅製、ホーロー、の3種類があります。どれも一長一短あるので、好みのデザインやスタイルで選んでみてください。

    ケトルでドリップされる方は、アルミ製はできるだけ控えましょう。なぜならお湯に溶けだした微量のアルミ成分とコーヒーの成分は喧嘩して、味が不味くなる場合があります。金属味やカルキ臭を強くしたような感じです(アルマイトコーティングされた製品は大丈夫かもしれませんが、検証したことがないので明言は出来ません)。

    選ぷポイントとしては、①細くお湯が注げて、その量をコントロールしやすい物、②粉の狙ったところに注ぎやすい物、③1ℓ以内のもの、以上3点が扱いやすいです。それ以上のポットは重量があり、入るお湯の量も多くて重くなりますのでオススメしません。

    今は250ml350mlのような小さなドリップポットも販売されていて、ソロキャンパーや山登りされる方、ドリップバックをメインに使われる方には重宝されています。 

    ドリップポットを使ったお湯の注ぎ方

    焦らずに、ゆっくりと注ぐことが大事!

    さて、フィールドで美味しいコーヒーを淹れるためのドリップのやり方ですが、まず人数分のコーヒー豆の粉をペーパーを敷いたドリッパーに入れます。1人分のコーヒーを淹れるなら12g15gの豆をグラニュー糖の粒より少し粗く挽きます。10g100cc抽出する考え方で、マグカップで200ccのコーヒー飲むなら20gの粉を使うということです。

    粉を入れたら、左右に揺すって粉を平らになるようにドリッパーをふります。平らになったら粉面から34cm程度の高さからなるべく垂直に注ぎます。細くゆっくりと、ガスが出てきて膨らみます。ガスの泡が表面全体を覆ったら約30秒蒸らします。高い位置から注ぐと、狙いが定まらずフィールドでは風の影響も受けやすく、勢いもついて充分な成分の抽出が出来ません。

    お湯を細く一定の量で優しく注ぎます。細く注ぐとボディ感が出ます。太く注ぐと湯が粉と粉の間をすり抜けてしまい、充分に成分を抽出出来ず抜けた(薄い)味になってしまいます。

    粉面の中心から外側に渦巻き状に注ぎ、充分お湯を浸透させます。端っこのほうやペーパーに直接に注ぐと横から湯が抜けてしまいます。2投目からは中心に注ぎ「の」字を書くように注ぎ最後は中心に戻って止めます。3投目以降はガスで膨らんだ粉が平らになりかけたタイミングで同じように中心から始めて中心で終わる…を繰り返します。適量になったら、ドリッパーに湯が残っていても外してください。これでしっかりした味わいのある珈琲が出来上がりです。

    【参考】KONO式の淹れ方

    ユキワM-5KONO仕様広口タイプでドリップする河野社長。

    もう一つ、オープン以来Old Lanterns Cafeでも長く使っているコーノ式ドリッパー。KONOの社長直伝の淹れ方をお伝えします。

    コーヒー豆の粉を平らにするところまでは同じです。そしてポットのお湯は8分目まで入れてください。最初は粉の中心にポタポタと点滴のようにお湯を落とします。コーヒーの液体の最初の1滴がグラスポット(サーバー)に落ちるまで30秒ほどかけます。焦らずゆっくり点滴してください。

    グラスポットの底にコーヒー液を確認したら、お湯を落とす範囲を500円玉ぐらいの大きさまで広げます。お湯はポタポタと目標抽出量の3分の1まで続けます。3分の1ほど抽出したら、お湯を落とす速度を少し上げ、ゆっくり「の」の字を描くようにお湯を注ぎます。コーヒーの粉が凹まないように、一定の速さでお湯を注ぎましょう。

    目標抽出量の3分の2まで続けます。そこまで抽出できたら、さらにお湯を注ぐ速度を上げ、泡(灰汁)を浮かび上がらせるように円を描きます。目標抽出量までコーヒーを抽出できたら灰汁がグラスポットに落ちる前に、素早くフィルターを外します。えぐ味のない美味しいコーヒーが出来あがります。

    それでは楽しいアウトドア・コーヒー・ライフを!

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