- Text
洗練された所作は豊富な経験から
釣りを始めてから十数年のあいだに、この人は本当に釣りが上手いんだなと実感する人との出会いが多くありました。豊富な経験に裏付けられた所作や特徴にはどんなものがあったか、今回5つピックアップしてみました。
準備や片付けが驚くほど早い

釣りが上手な人との釣行では準備と片付けの早さに驚かされます。これは回数をこなしているからこそ作業に慣れているだけでなく、天気や海況の事前の予報だけで必要なタックル(釣り道具)やウェアがイメージでき、その選択に迷いがないからではないでしょうか。
また、自宅での準備段階で時間はかかるものの、ロッドのガイド(釣り糸が通るリング)にあらかじめラインを通した状態にしておくなど、事前にできることは可能な限りしておいて現地での準備時間を減らす工夫をいている方も多いようです。
釣り場を歩く速度が尋常ではない

釣りが上手な人ほど、釣り場での移動速度が速いものです。荒磯の王者といわれるヒラスズキをベテランの方と釣りに行った際、その方の磯場を歩く速度が尋常ではなく、みるみる引き離されてしまい、その都度待ってもらう、という状況になった苦い思い出があります。やがて、ある程度経験を積み、安全かつ速く磯場を歩くのは体力だけでなくコツがあるのだと身をもって知りました。
3歩4歩先の足場を見極めながら、どの岩にどう足を置きにいくとスムーズに歩を進めることができるかイメージすることで、立ち止まって歩くルートを模索することが減り、磯歩きの速度を上げることができました。
キャスト音が鋭い

釣りが上手な人ほどルアーや仕掛けを投げるキャストの音が鋭いと感じます。言葉で表現するのが難しいのですが、ロッドを振り込む際の風を切る音が「ヒュン!」ではなく「ビュワッ!」といった音なのです。
また、50mくらいの間隔をとって釣りをしていても釣りが上手な人のキャスト音は聞こえてきます。ロッドによる風切り音が大きいということは、しっかりロッドを振り込めていることであり、もちろんキャストの飛距離も申し分ありません。キャストの飛距離が出せるということは、それだけ広い範囲を探れることなので釣果にダイレクトに影響し、その釣果が釣りの技術の高さを裏付けているといえるでしょう。
ルアー交換の所作が美しすぎる

釣りをしている最中のルアー交換は、ルアーケース内のフック同士が複雑に絡み合ったりと煩雑なものになります。しかし釣りが上手な人はフック同士の絡みを簡単に解き、一瞬でスナップの開閉やラインの結び直しを済ませて一切の無駄なくルアー交換を行ってしまい、手品か魔法ではと思ってしまうほどスムーズです。
ロッドを脇に挟むなどして地面に置かず、ルアー交換作業中に出して弛ませておくラインの量も適切で、ルアーケースの出し入れもどこかに引っ掛かってしまうといった小さなトラブルも一切なく、その所作に美しさすら感じるほどです。さらに次の一手を常に想像しているからか、交換するルアー選択にも迷いがありません。やはり経験が豊富であるからこそ、愛用するスナップが決まっていて開閉が手慣れていたり、フック同士の絡みの解き方なども体に馴染んでいるのではないでしょうか。
魚へのリスペクトがある

釣りが上手な人ほど、釣れた魚を雑に扱いません。多くの釣果を得るからこそ必要以上に魚を持ち帰らず資源や釣り場の持続性を心掛けたり、魚を持ち帰る際も可能な限り苦しみを与えない締め方を心掛けており、自然のなかで楽しませてもらっているという意識が強いのではないでしょうか。
また、釣れた魚をよく目にすることからか、魚の表情や、他の個体よりもヒレがピンと長かったり体高があるといった、その魚の持つ美しさに気付きやすく、魚や生命に対するリスペクトがある方が多いと感じます。
経験は所作に出る!
準備の段階から釣れた魚への接し方に至るまで、釣りが上手な方の所作には上達のヒントが詰まっています。経験がつくりだす美しい所作を参考に、上達への道を歩んでいきましょう!




