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一度は参加したくなる! SDGsはここまで進んでる! 自然に優しい日本企業11選
トヨタ自動車株式会社
設 立 1937年
本拠地 愛知県豊田市
従業員数 71,515人(2025年3月末現在)

未来を育む子供たちの学びの場に
里山の原風景を守る火おこし体験イベントに潜入
※掲載写真は2017年に撮影されたものです。現在は建物や設備などが一部変更されています。
トヨタ自動車 社会貢献部 地域貢献室長 國友淳子さん
自然との共生を目指す「トヨタ環境チャレンジ2050」を形にすべく、森林関連施設の運用や地域の子供たちへの環境学習などを担当する。


世界一の販売台数を誇るトヨタ自動車。実は、本社のある愛知県豊田市で、東京ドーム約9個分(45ha)もの広大な森を守り続けている。
トヨタの森は、その土地にあった豊かな里山の姿を取り戻すために、’97年に保養地から里山型自然体験施設へと転換。下草を刈り、適度に間伐を行なうことで、森の奥まで光が差し込むようになった。すると、森はパッと明るくなり、野鳥や昆虫たちが次々と姿を見せ始めた。
今では、森のアイドル、ムササビをはじめ、フクロウやキツネ、さらには希少なハッチョウトンボまで、生き物は400種以上、植物は450種以上が確認されている。多様な命が息づく、生命力あふれる場所になったのだ!
現在、この森には8名のインタープリター(自然案内人)が常駐し、さまざまな体験プログラムを届けている。今回訪ねたのは「火おこし体験と焚火ランチ」というイベント。
「どうして火は燃えるのか」「燃えたあとの二酸化炭素はどこへ行くのか」。インタープリターが参加者に問いかけながら、自然のサイクルをわかりやすく紐解いていく。その巧みな話術と興味深い内容に、子供はもちろん、大人までもがいつの間にか引き込まれてしまう。
室内での学びが終わると、いよいよ屋外で火おこしにチャレンジ。メタルマッチのほか、古くから伝わる火打石、きりもみ式や弓切り式などの着火道具を使ってゼロから火をおこす。「テレビで見て、ずっとやってみたかった。難しかったけど、火が付いたときは楽しかった!」。参加者のソウタ君は、自分で起こした火を前に、うれしそうに語ってくれた。
火がおきたら、お待ちかねの焚き火でランチタイム。薪を組むコツを教わり、自分たちで持ち寄った食材を火にかける。アツアツのランチを頬張れば、自然と笑顔がこぼれる。
「平日は地元の小学生たちを招いて、自然体験プログラムを実施しています」と話すのは、施設を統括する國友さん。「小さいうちに森に入り、思いっきり遊ぶ。その経験が、将来『自然とどう生きていくか』を考えるヒントになればうれしい」と続けた。
毎年行なっている動植物の調査データは、環境省のモニタリング1000に報告され、自然保全に役立てられている。企業の森づくりが、持続可能な未来を支えているのだ。

1 まずは森のシステムや大切さを解説

年間5,000人以上の小学生を招き、自然体験プログラムを提供するインタープリターが、フリップを使って自然の不思議を教えてくれる。

2 いろいろな道具を使って火おこしに挑戦

用意された火おこし道具は7種。ツヨシ君はまいぎり式を使い、20分ほどかけて着火に成功。

焚き火の前は、消火用の水の準備も忘れずに。
3 焚き火を使ってランチに挑戦!

薪は、この森の間伐材から作ったもの。薪を組むコツは、いかに酸素を入れるか。焚き火を囲み、子供たちが夢中になって火を育てた。

焚き火でポカポカに

ランチタイムは、持参した食材を焚き火で焼いてパクリ。スタッフからは丸鶏のサプライズも。参加者が全員笑顔になった!

森で楽しく遊びました

多種多様な生き物が生息する広大な森
コナラやアベマキなど、広葉樹を中心とした雑木林は、自然体験学習、里山の生態研究、市民の散歩道などとして幅広く利用されている。

管理棟を兼ねたエコの森ハウスには、かまど、囲炉裏など里山の暮らしを再現した体験コーナーがある。

広大な敷地内には散策路が整備されていて、自由に散歩を楽しめる。

この森に棲む生き物、植物、樹木について学べる資料が揃っている。
トヨタの森 里山学習館 エコの森ハウス
住所:愛知県豊田市岩倉町一本松1-1
電話:0565(58)2736
営業時間:9:00~16:30(入館は16:00まで)
定休日:土、日、GW、お盆、年末年始など
森を守り自然との共生を考えるトヨタ自動車の取り組み
トヨタ三重宮川山林

三重県大台町に広大な山林を所有し、水源涵養や二酸化炭素吸収など、森の多面的機能を守りながら、林業の安全性向上にも貢献。
トヨタ白川郷自然學校
豪雪地帯として知られる岐阜県白川郷で、年間を通して宿泊を伴う自然体験を提供する教育施設。本物の自然と触れ合える。

宿泊施設のほかに、天然温泉、研修室などもある。

スノーシューを履いて動物の足跡を探すツアーも人気。
工場の敷地内に森やビオトープをつくる

「自然と共生する工場」を目指し工場内の緑化を促進。豊田市にある堤工場に整備したビオトープでは、多くの生き物が確認されている。
トヨタ自動車が取り組む3か条
1 自然を慈しみ、生物多様性を守る
2 地域と協力して活動の輪を広げる
3 幅広い世代に向けて環境教育を推進
※構成/山本修二 撮影/花岡 凌
(BE-PAL 2026年3月号より)







