リアルコロボックルが歩くカメルーン! 最新情報「君の軽自動車ではコンゴは走れない!」 | クルマの旅・ドライブ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2019.03.21

    リアルコロボックルが歩くカメルーン! 最新情報「君の軽自動車ではコンゴは走れない!」

    軽キャンピングカーで、地球半周中です。
    稚内からロシアへ渡り、モンゴルで道草してから中央アジアへ。イラン、ヨーロッパと抜けてアフリカに上陸しました。
    南アフリカの喜望峰を目指していますが、マラリアや雨期の洪水、複雑怪奇なVISA取り、強盗まがいの賄賂警察官にイスラム過激派。車中泊もままならない西アフリカです。

    ちっともほっこりじゃない!

    イスラム過激派と反政府ゲリラを取り締まる警察と軍が、強盗まがいの検問として襲いかかるナイジェリア。
    ひと晩も車中泊をせず、とっととカメルーンへ逃げました。
    カメルーンといえばその昔、ワールドカップのキャンプインに遅れて、大分県の中津江村とともに一躍有名になったほっこり話題な国。
    FIFAのランキングが32位というお手頃感もあり、優しくて陽気な人たちがWelcomeしてくれると期待したものです。
    甘かったです。
    ナイジェリアがヤクザなら、カメルーンは半グレ。
    ほぼ同じ。
    恫喝検問が多く、怒鳴られるたびにストレスが溜まります。
    あー、早く西アフリカを脱出して、のんびりキャンピングがしたい!

    雨が降ればリアル・コロボックル

    厄介な検問は、集落から遠ざかるほど少なくなりました。
    南へ下るアスファルトは真新しく、Made in Chinaとはいえ穴のない道路は超快適。謝謝。
    ガードレールなんてものをアフリカで初めて見たり、日干しレンガの家が木造に変わる建築様式の境目では、雨が降れば巨大な葉を傘にするリアル・コロボックルが歩いているほっこり感。
    雨が上がると頭の上にナタを載せて歩くので立派な強盗風情ですが、見慣れれば心が和みます。
    驚かされたのは、ジャングルの横を必死の形相で走っている人。
    ライオンに追われていると思ったら…………、ジョギングでした。

    ガボンからコンゴはやばい

    カメルーンのあとは、ガボン→コンゴ共和国→コンゴ民主共和国→アンゴラと南下します。
    アンゴラのVISAの入国期限がひと月後に迫っているので、大至急必要なのはコンゴ共和国のVISA。
    しかし、一通のメールを受け取って事態は急変しました。
    先行するニュージーランド人キャンパーが言うには、
    “DON’T drive from Gabon to Congo!”
    彼らの顔を思い起こしながら意訳すると、
    「ガボンからコンゴは、マジでやばいわ」
    “DON’T”だけが大文字になっているあたりに、「マジ」感が漂っています。
    問題の未舗装道路は、およそ260km。
    最後の難関です。

    メールは続きます。
    “If it is raining/has been raining – you will get stuck!”
    「軽自動車じゃ、雨が降ったら死ぬわ」
    “Terrible road!”
    「あの道、まじ最悪!」
    もし突破できたとしても
    “The DRC has all the ‘road tax’ barriers.”
    「コンゴ民主共和国は、賄賂検問だらけ」
    “You won’t be able to avoid.”
    「ぜんぜん逃げられないっす」
    しかも
    “Very expensive and frustrating.”
    「賄賂がめちゃくちゃ高くて、すっげーうざいっ!」

    その証拠に胃が痛い

    欧米人は普通、大人気ないくらい賄賂を毛嫌いしていて、理屈と腕力で押し切って一銭も払いません。
    そんな彼らをして逃げられないというのですから、どう贔屓目に考えてもボクらの敵じゃありません。
    戦うまでもなく、負けます。
    その証拠に、もう胃が痛くなってきましたから。
    というわけで、降参しました。
    ドライブは諦めます。
    フェリーなんて洒落たものは西アフリカにはないので、貨物線を探します。

    船会社の担当者。都合悪くなるとメールをくれない。

    騙されたのかも!?

    説明するのも面倒くさいほどの苦労をして、軽キャンパーをナミビア行きの貨物線に乗せました。
    人様には言えないような大金を払って。

    軽キャンパーはコンテナに積みます。

    これでコンゴの悪路を走らずにすみます。
    やれやれひと安心と安堵の息をつきたいのですが、This is Africa。
    船会社が輸出に関する書類を発行してくれず、ずるずるとカメルーン滞在が延び延びに。
    問題は、船賃をクレジットカードのキャッシングで支払ったので、限度枠を超えてしまいお金を引き出せないこと。
    どういうわけか銀行カードも使えません。
    相棒のYukoはさっさとドイツへ飛んだので、我輩ひとり。
    宿代を払ったら、ほどんどお金がない!
    毎日、茹でたスパゲティにバターとケチャップをかけて命をつなぎます。
    水で腹を満たそうにも↓

    真っ赤な水っ!

    いつまで経っても、船会社からの書類が届きません。
    毎日何度も
    「いつ書類を受け取れるの?」
    メール攻撃をしていたら、とうとう返事がなくなりました。
    …………。
    騙されたかも。
    胃が痛いです。

    【カメルーン・ドライブ情報】
    ビザ:80ユーロ(ナイジェリアで取得)
    車両保険:BROWN CARDと呼ばれる西アフリカ13カ国共通タイプ(6ヶ月間)7,499円(41,004CFA)。セネガルのAXAで取得
    検問:恫喝系賄賂
    キャンプ場情報:iOverlander

    次号から、南部アフリカです。
    アウトドア天国が始まります。
    ライオンとキリンがWelcomeしてくれました。
    乞うご期待!

    石澤義裕・祐子
    住みやすい国をリサーチしようという話から2005年から世界一周をスタート。アメリカ、カナダなどをスクーターで旅行し、オーストラリアをキャンピングカーで回ったのをきっかけに2015年の夏から軽キャンピングカーで旅を始めた

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