積雪4m強でもズンズン走れます! スバル・フォレスターで豪雪日本一の秘湯へ!
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    2019.03.14

    積雪4m強でもズンズン走れます! スバル・フォレスターで豪雪日本一の秘湯へ!

    東京は大雪に見舞われることなく(まだわからないけど)、春を迎えそうです。とはいえ全国的にはまだ雪が降る地域はあるし、山を目指せばゴールデンウィークくらいまで残雪に遭遇します。アウトドアを楽しむうえで、雪への備えは万全でなければなりませんよね。そこで今回は、新潟生まれの自動車ライター・佐藤篤司氏が、白い荒野(と温泉)を求めてスバル/フォレスターを駆り、山形を旅した模様をお届けします。酷寒の中、たどり着いたオアシスの魅力、そして豪雪をものともしないフォレスターの力強い走りは、これからの外遊び計画にきっと役に立ちますよ!

    雪深さでは日本随一「月山志津温泉」へ!

    志津温泉に向かう道路は2mを軽く超えるほどの雪の壁!

    除雪はされているものの、路面は凍結していることもあればアスファルトが出ていたりと一定していません。そんな状況でもフォレスターは安定感を失うことなく駆け抜けていきます。

    仕事柄、一年中さまざまなクルマに試乗しているのですが、時間の関係で、そしてそもそも試乗そのものが目的であることが多いため、行き先で過ごす時間はごくわずか。そうこうしているうちに大好きな雪の季節も終わりに近づき、焦った私サトウは、スバルからフォレスターをお借りして、一路山形へ向かったのであります。

    なぜ山形かというと、クルマの性能を試すうえでなるべく雪深い場所へ行きたかったというのが最大の理由。それに、日本一の豪雪地と言えば青森県の酸ヶ湯温泉が有名ですが、最近「人が住んでいるところでの積雪ではうちが日本一」と“日本一豪雪宣言”をしたのが、山形県の霊山、信仰の山として知られる月山の麓にある「月山志津温泉」なんです。何しろアメダスの観測所がないため情報が届かないだけで、例年4mを超える積雪を記録しているのだとか。これは行かねば!

    さっそく宿に予約を入れ、スバル/フォレスター X-BREAKを借り出し、荷物を積み込んで出発。ちなみにスポーティさとオフロードテイストを強調しているX-BREAKには、オールシーズンタイヤが標準装備されています。少しくらいの雪道なら、オールシーズンタイヤとアクティブトルクスプリットAWDとの組み合わせで、ドライ路面はもちろん、雪道まで安心して走ることはできます。それでも今回の行き先は日本有数の豪雪地帯ということで、ブリヂストンの最新スタッドレスタイヤ、「ブリザックVRX2」を履いていくことに。

    刻々と変わる路面状況をものともせずに走るフォレスター

    トルクを4輪に適正に配分しながら、登り坂をしっかりとした足取りで進むフォレスター。志津温泉に到着すると雪はさらに深くなり、タイヤが隠れるほどに。

    220㎜のロードクリアランスと、悪路などでもスムーズに脱出できる「X-MODE」の威力で、特別な操作をすることなく力強く走れます。

    東北自動車道を北上し、村田JCTで山形自動車に入り、月山ICを目指すひとり旅。東京から400㎞少々、山形ICを過ぎるまではドライ路面で快適なドライブが続きます。スバル特有の低重心で安定感のある走りとしなやかな乗り心地は、常にフラット感を保ってくれるうえに、スタッドレス装着でも静粛性も抜群。そんな快適な高速クルーズを楽しんでいると、山形道の西川ICをすぎたあたりで雪が降り出し、月山ICを降りる頃には、完全な圧雪路になっていました。ここからは「六十里越街道」と呼ばれる国道112号、で一気に志津温泉の宿まで駆け上がります。

    両脇は2mを優に超えるほどの雪の壁ですが、除雪が行き届いているために走りやすさはまずまず。それでもアスファルトが出ているところがあったり、雪が踏み固められてツルツルになっていたり、単なる圧雪路から突然、完全な凍結路に変わったりと、路面は猫の目のように変化します。やがて温泉街に入るとタイヤが隠れるほどの深雪が待っていましたが、220mmのロードクリアランスを誇るフォレスターは底付きすることなく、悪路などでもスムーズに脱出して走り抜ける「X-MODE」の安心感もあり、無事に宿に到着することができました。

    名湯の効果(!?)で昔の記憶がよみがえった!

    変若水(おちみず)の湯「つたや」に到着!

    館内は吹き抜けの高い天井と大きなガラス窓、そして手作りのつるし雛などがさりげなく飾られ、落ち着いた雰囲気。

    「月山は死と再生(若返り)の聖なる山。 その山深い当館の湯を、 変若水(おちみず)の湯と名付けました」と説明書きがある温泉。高い天井や壁、そして浴槽など檜に囲まれた内風呂。塩化物温泉の湯はスッキリとした感触で癖もなく、さらりと肌を伝っていきます。窓の外は完全に雪の壁で閉ざされていましたが、不思議と圧迫感や暗さを感じることなく温泉を満喫できました。

    夕食は「如月(きさらぎ)の膳」。小鉢のあとに、きのこが入った餡がたっぷりと岩魚の中に詰め込まれた一品“岩魚の森のキノコ焼”が出てきました(季節ごとにメニューは変わります)。

    今回の宿は、温泉好きの友人からすすめられた志津温泉・変若水(おちみず)の湯「つたや」。志津の開村は慶長16年(1611年)というから、この地で、350年あまりの歴史を持つ、由緒正しき温泉宿です。長い歴史の中で、湯殿山参詣者のための宿坊から旅館、そして現在の温泉宿へと趣を変化させてきたそうですが、いつの時代も素朴で暖かなおもてなしの心で宿泊者を迎えてくれました。

    部屋に通されて落ち着く間もなく、温泉へ。ゆっくりと湯船に体を沈めていくと…うぅぅぅ~、気持ちいいっ! 湯の中に疲れが溶け込んでいくような、柔らかなお湯に優しくもみほぐされているような、この感覚、まさに至福のひとときです。少し塩気を感じるお湯で肌はしっとり。オジサンの体にはうれしい潤いです。本来は湯船から近隣の山々が望めるそうですが、外は噂通りの積雪4m。まあ、それもまた風情です。

    食前酒のこくわ酒、先付けのごま豆腐、そしてうどの煮物やわらびの煮物、柿なますの小鉢から始まった夕食、そしてデザートとして供された自家製の干し柿をいただいたあとは、ロビーの大きな窓から降り続く雪を眺めながら、薪ストーブに手をかざしてまったり。というところで不肖サトウ、実はこの志津温泉を中学から高校時代まで何度となく通過していたことを思い出しました。雪の深い3月までは、ここから先は通行止めになり、除雪もされていません。4月以降になると夏スキーで知られる月山スキー場がオープンするのですが、中学、高校と競技スキーに入れ込んでいた私は、夏のスキー合宿のために新潟から電車やバスを乗り継いで月山スキー場に入っていたのです。すっかり忘れていましたが!そんな話を宿の若主人、志田大輔さんにしてみると、1960年代に月山の夏スキーを広めたのは、先々代の志田和衛(しだ かずえ)さんだというのだから、不思議な縁を感じずにはいられませんでした。

    朝食も地のものを活かした品々が。お米は山形自慢の「つや姫」。素晴らしい食事との出合いは、旅の大切な思い出になります。

    雪に覆われた長い冬を過ごすための雪国の知恵。つたやでも春から夏、そして秋などに収穫した山菜や野菜などを雪の下に保存したり、軒先に吊して寒ざらしにしたりと、雪国ならではの食文化を見ることができます。

    遊び疲れた体にもフォレスターは優しい!

    一晩で30㎝ほどの積雪があった模様。雪を載せたままの走行は危険なので(そもそも違反)、スクレーパーとゴム手袋でしっかりと落とします。

    せっかくなので、若主人の案内でスノーシュー・トレッキングを楽しみました。湿気の多い雪は少し重く、深めに埋まるため、思いのほか体力を消耗します。外気温マイナス5度ほどでも30分歩き回ると汗ばむほどでした。4mを超える積雪のおかげで、木に登らなければ目にできない木々の先端などを観察することができました。

     スッキリと目覚めた翌朝、心づくしの食事を楽しんだあと、昨晩意気投合した志田さんからスノーシューでのトレッキングに誘われました。ふたつ返事で準備して、五色沼周辺の雪原へ。

    「たぬきやウサギなども出ますが、たまに熊も見かけますよ〜」との志田さんの説明を聞きながら、雪原歩きを満喫。長野や北海道など、湿気の少ない雪とは違い、少し湿気のある雪はやはり重く感じます。おまけにかなりスノーシューが埋まってしまい、体力を消耗します。それでも久々に体を動かした気持ち良さは格別でした。

    身も心もくつろげた一泊二日のリフレッシュドライブ。月山志津温泉と最高の宿で過ごせたことに感謝しながら、フォレスターに乗り込み、山を下ります。スノーシューで遊びすぎたのか、ドライブ途中で少し眠くなったので、フォレスターの寝心地を試す意味も込めてラゲッジにマットとシュラフを敷いて仮眠。リアシートを倒せば長さ185㎝のシュラフマットも敷けるフラットなスペースは、ミドルサイズSUVのなかでも随一の使いやすさです。ラゲッジの開口部も最大幅1300㎜、高さ884㎜と広々。ほかにも後席にUSB電源が標準で装備されていたり、LEDカーゴルームランプの他にリアゲートの内側にもLEDライトが装備されていたりと、車中泊に寄り添う工夫が施されていました。

    スノーシューのトレッキングのほか、バックカントリースキーを楽しむ宿泊プランも(予約時にご確認ください)。圧雪車でスタート地点まで案内してくれます。

    撥水カーゴフロアボードの床に長さ185cmのニーモのシュラフマットもはみ出すことなく敷けました。ホグロフスの寝袋に潜り込み、しばしの仮眠。

    雪国のドライバーに愛されるフォレスター

    リアシートにもシートヒーターやUSB電源が装備され、多人数乗車での快適性にも配慮。

    リヤドアの開口部の足元には、幅が広くフラットな形状のステップが。小さな子どもの乗り降りを助けるだけでなく、ルーフの雪下ろし、ルーフキャリアへのアクセスなどでも重宝します。

    登り以上に気を遣う雪道の下り坂では、速度を落とし、アクセルやブレーキを優しく踏みながら走ります。アクティブトルクスプリットAWDの適正なトルク配分のおかげもあり、姿勢を乱すことなく平和に下ることができました。路面から雪が消えると、少しだけ緊張感から解放されます。高速道路では全車速追従機能および操舵支援機能付きクルーズコントロール、そして車線逸脱防止警報などの安全システム「アイサイト(ver.3)」の安心感で、リラックスしながら走れました。

    最後に今回の旅で気が付いたことをひとつ。それは、山形のスバル車率がかなり高いことです。自分が乗っているから余計印象に残るというわけではなく、宿の志田さんに聞いても、「使いやすい四駆といえばスバルということで、周りで乗っている人は多いですよ」とおっしゃっていました。確かに、これだけ頼りになる雪国性能があれば、それも当然!

    リアゲートの内側に装備されたLEDリアゲートランプ。夜間の荷物の出し入れで重宝します。

    今回の雪道ドライブにはスタックや走行困難時に備え、レスキューセットも準備。箱の中には長靴、折りたたみスコップ、車止め、ゴム手袋、牽引ロープ、簡易チェーンなどを入れています。幸いなことに使うことは一度もありませんでしたが、用意あれば憂いなし!

    【変若水(おちみず)の湯「つたや」】
    住所:山形県西村山郡西川町志津10
    TEL : 0237-75-2222 FAX 0237-75-2208
    E-mail : tsutaya@e.jan.ne.jp

    宿泊料金
    和室十畳(全12室)和室8畳、洋室ツイン、一人部屋もあり
    ◆和室十畳 一泊二食お一人様料金
    一名利用¥23,000  
    二名利用¥17,000
    三名利用¥15,000
    四名利用¥14,000
    ※一泊二食付き、消費税別、入湯税¥150は別途。休祝日の前日、ゴールデンウィーク・お盆、年末年始などには特別料金(税別)。

    ■日帰り入浴■ 
    利用時間:11301600(最終受付1530
    料金:大人¥800/小人¥500

    【スバル・フォレスターX-BREAK
    価格:291万6000円
    ボディーサイズ(ルーフレール装着車):全長×全幅×全高=4,625×1,815×1,730
    ホイールベース:2,670
    車重:1,5301,540kg
    駆動方式:AWD
    トランスミッション:CVT
    エンジン:2498cc 水平対向4 DOHC 16バルブ
    最高出力:184ps136kW/5,800rpm
    最大トルク:24.4kgm239Nm/4,400rpm
    燃費:WLTCモード:13.2km/リッター/JC08モード:14.4km14.6/リッター
    問い合わせ先:TEL 0120‐052215
    https://www.subaru.jp

     

    構成/佐藤篤司 撮影/尾形和美 

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